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錆びない金属/錆びにくい金属/錆びやすい金属を理由含め解説!

   

私たちの身の回りには、様々な金属があります。
そして、日々その金属の錆びを防ぐため様々な対策を施すなど、人間と金属の錆びとの戦いは続いています。
この金属なのですが、実は非常に錆びやすい金属と錆びにくい金属があります。
さらには、全く錆びない金属もあるのです。
今回は、錆びの原理と仕組み、また錆びにくい金属と錆びやすい金属、さらに全く錆びない金属について解説いたします。
 

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1.「全く錆びない金属」「錆びにくい金属」「錆びやすい金属」とは?

まずは、結論から。

【全く錆びない金属】

金(Au)

【錆びにくい金属】

白金(Pt)・銀(Ag)・クロム(Cr)
チタン(Ti)・アルミニウム(Al)

【錆びやすい金属】

鉄(Fe)・銅(Cu)・亜鉛(Zn)

 
地球上の金属の中で、金(Au)は全く錆びません。

そして、金以外の金属は、酸化物の状態で自然界に存在し、それらの酸化物を還元して光沢のある姿をしています。

言い換えますと、金以外の金属は、自然界では腐食した状態で存在しているといえます。
 
 
金属は金属結合をしており、原子核の一番外側にある自由電子は、原子の間を飛びまわっています。

この自由電子の存在こそ金属が溶解する理由なのですが、金属は種類によって錆びやすさに違いがあります。

その理由は、学問的に言えば電位の違いによります。

この電位は計算により算出でき、標準電極電位と呼ばれます。(表1参照)

【表1】
錆びない金属1
錆びない金属2
 
金(Au)の電位は酸素の電位より高いので、酸素電極をカソードとする腐食電池が生成しないことから、金(Au)は全く錆びません。

クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)については、理屈上は溶けやすい性質なのに錆びにくい金属に部類されます。

クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)が錆びにくい理由は、それぞれ酸素よりはるかに低い電位にありますが、水中では直ちに不働態皮膜をつくり(図2参照)、電位は上昇します。

【図2】
錆びない金属3
 
とはいえ、それぞれの電位は酸素の電位より低いので、腐食電池を生成はするものの、金属イオンの溶出は極力抑えられます。

最後は錆びやすい金属です。

鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)は電位が低く、不働態縄皮膜もつくらず、錆びをつくります。

そして腐食の結果、酸化物をつくります。

できた錆びの防食効果は、銅(Cu)が最も優れ、次に亜鉛(Zn)、最後に鉄(Fe)の順となり、腐食速度に反映します。

錆びない金属4
 

2.「錆び」「腐食」とは?

錆びは腐食によって生じた腐食生成物です。

金属が環境と関わって損傷する現象である腐食の結果、金属表面が腐食生成物の錆びで覆われます。

鉄が環境と関わるとき、8種類の腐食現象を表します。

全面腐食、粒界腐食、孔食、隙間腐食、応力腐食割れ、電位差腐食(ガルバニック腐食)、エロージョン・コロージョン、酸化に分類されます。

金属、合金にこれらの腐食形態が独立して起こる場合もあれば、お互いに関連して連続的に生じる場合もあります。

例えば、孔食が引き金となって応力腐食割れに進展する場合です。

一般的に言われている錆びは、鉄が全面腐食した結果生じた腐食生成物です。

鉄をむき出しで使用したときの鉄管の錆び、金網の錆び、鉄道レールの錆びなどはよく見られる例です。

代表的な鉄の錆び色は、黄色、茶色、茶褐色、黒色などがあり、錆びの厚さや錆びの結晶粒の大きさなどにより、色が微妙に変わります。
 
 
錆びは鉄が朽ち果てた遺物だとする見方が一般的ですが、同音異議の「寂び」は、古びて枯れ、味わいがあることを意味します。

錆びのでき方によっては鉄の使用の履歴を反映することもあり、また、錆びが防食的な効果を発揮することもあります。

後者の例に、鉄瓶や鉄陳列物に枯れた雰囲気と防食効果を持たすために施される黒染め法などがあります。
 
 
鉄とは異なり、ステンレス鋼、アルミニウムなどには、一般的に錆びの斑点がみられます。

それは、これらの金属や合金が使用される雰囲気に塩化物が含まれ、その不働態皮膜(不動態ともいう)が破壊されるときの腐食生成物です。

この場合は、全面腐食ではなく、孔食や応力腐食割れの結果です。

 
【サビの正体 見たり!】


 
錆びない金属5
 

3.鉄が錆びやすい理由とは?

金、銀、銅と違い鉄が腐食しやすいのは結晶構造に理由があります。

鉄は水分と接触して初めて腐食します。

鉄の構造は最小単位が鉄原子であり、それらが集まって体心立方格子を形成します。

さらに体心立方格子が集まり、鉄の結晶粒を形成します。

研磨した鉄の表面をみると必ず同じで、金属光沢があります。

鉄の中には自由電子があり、大きな引張強さ、電気伝導性、熱伝導性や加工性などの優れた性質を与える存在ですが、一方で、錆び生成にも大きく関与しています。
 
 
鉄板が水の中に浸かると鉄の溶解、つまり腐食が始まります。

鉄の表面に腐食電池ができて、腐食が進行することになります。

酸性溶液では、水素を発生して鉄がFe²⁺イオンとして水に溶解します。

この場合、Fe²⁺が溶出する際に鉄板に残った自由電子は、鉄の溶解する場所から水素イオンが集まる場所に移動します。

電子と水素イオンとが反応して水素原子、さらには水素分子を生成します。

こうした鉄イオンの生成→電子の流れ→水素原子と水素ガス生成の一連の反応が腐食反応です。

一方、中性、アルカリ性溶液では、鉄イオンの生成→電子の流れ→水酸イオンの生成の一連の反応が進みます。

その結果、水酸化第一鉄が生成し、これは水中の溶存酸素によって酸化され、水酸化第二鉄となります。

つまり、赤錆びを生成します。
 
 
ここまで対の鉄と水素イオンの反応、鉄と酸素分子との反応を述べましたが、実際の鉄板の表面ではこの対の反応が無数に至るところで起こることから、全面腐食が起こることになります。

錆びない金属6
 

まとめ

以上が、錆びない金属、錆びにくい金属、錆びやすい金属と錆びの原理についてでした。

金(Au)は生まれながらにして錆びず、クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)は不働態皮膜で防備し、錆びにくくなります。

また、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)は理屈上も実際上も錆びやすい金属です。

腐食は現象、錆びは腐食の結果です。

そして、全面腐食は鉄の腐食の基本です。
 

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