「簡素化」と「簡略化」、どちらも「簡単」の「簡」があるので「簡単に済ませる」というイメージです。
今までは、自分も深く考えることなく同じ意味で使っていました。
ですが、「簡素化」と「簡略化」では意味が違うのです!
知らなかった…。
ということで、今回は「簡素化」と「簡略化」の意味の違いなどについて調べてみました。
1.「簡素化」と「簡略化」の意味の違いと使い分けは?
①「簡素化」と「簡略化」の意味の違い!
まずは、「簡素」と「簡略」の意味を広辞苑で引いてみます。
・むだをなくし質素なこと。
【簡略】
・こまかい所を略して簡単にすること。簡約。
広辞苑では「無駄をなくす」という「簡素」と、「省略する」という「簡略」といった違いがあります。
では、さらにわかりやすく漢字の「素」と「略」の意味をまじえながら説明します。
②「素」と「略」の漢字の意味の違い!
「素」は「素肌」や「素手」「素朴」の「素」、飾りや無駄がないという意味の漢字です。
さらに「素」は「もと」とも読み、「根本」という意味でもあります。
つまり「素」は、大事な部分であるおおもとの基本形は維持しながら、飾りをなくすといった意味ですね。
「略」は「省略」「略す」の「略」、一部分をはぶくという意味の漢字です。
つまり「略」は、大事な部分であるおおもとの基本形の維持は考えずに、省略するという意味になります。
③「簡素化」と「簡略化」、使い分けの具体例!
ということで、「簡素化」と「簡略化」を工業製品の製造にたとえてみます。
「簡素化」とは、この製品の基本性能を維持しながら、製造工程の中の無駄となる部分をなくして低コストで製造、効率化をはかるということです。
「簡略化」とは、そもそも製品の基本性能は本当に必要かどうかを検討し、基本性能の一部を省略して低コストで製造、効率化をはかるということです。
2.「簡易」「簡潔」「省略」とは?意味の違いは?
「簡易」「簡潔」「省略」、これも意味が似ていて違いがわかりにくいですね。
まず、「簡易」を広辞苑で調べます。
・てがるなこと。たやすいこと。
簡易の対義語は「複雑」です。
つまり、簡単で易しいという意味、複雑ではなく理解しやすいといったことですね。
製品などの操作方法や説明書、人が行う説明などに使う言葉です。
続いて「簡潔」を広辞苑で調べます。
・表現が簡単で要領を得ていること。くだくだしくないこと。
「簡潔に説明する」「簡潔明瞭」というように使います。
つまり、無駄な部分がなく一番需要な部分である要点がわかりやすいといった意味になります。
人に教えたり説明する時など、情報を伝えるときに使用する言葉です。
次に「省略」を広辞苑で調べます。
・かんたんにするために一部分を略してはぶくこと。せいりゃく。
「省いて略す」という意味です。
「省略」の「省く」「略す」は、要点であるか無駄な部分であるかは全く関係ありません。
しかも、「わかりやすく」なるとも限りません。
全てにおいてわかりやすく理解しやすいのが「簡易」、無駄がなく最も重要な要点がわかりやすいのが「簡潔」、要点やわかりやすさとは関係なくはぶくのが「省略」です。
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まとめ
以上が、「簡素化」と「簡略化」の意味の違いについてでした。
「簡素化」は「質素にする」と言い換えると分かりやすいですね。
本質の周りについた無駄な飾りをなくし簡単にするイメージです。
「簡略化」は、そもそも本質の全てが必要なのかを検討し、本質・飾り全てひっくるめて省略し簡単にすることです。
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