「策定」と「作成」?違いや使い分けは…、ん…??
なんとなく似た言葉なのですが、いったいどういった意味の違いがあるのかよくわかりませんよね。
ということで、今回は「策定」と「作成」の意味や使い分けなどについて調べてみました。
1.「策定」と「作成」の意味と違いとは?
「策定」と「作成」を広辞苑で引いてみました。
あれこれ考えて定めること。
【作成】
書類などをつくりあげること。
いや、「策定」ってもっと意味あるでしょ( ゚Д゚)
これでは、違いがよくわかりません…。
今、ちょっと広辞苑への信頼がゆらぎました(笑)
ですが、よく見てください。
「策定」は「あれこれ考えて定める」、そして「作成」は「書類などをつくる」です。
つまり、「策定」は考えますが書類は出てこないのに対し、「作成」は書類は出てきますが考える行為は出てきませんね。
要するに、「策定」は方針や計画などを考えて定めることで、「作成」は企画書や契約書などの書類等を作ることといった違いがあるのです。
「計画を作成する」という表現もありますが、これは計画の内容を考えたり決めるというよりも、どちらかというと「計画書をパソコンで作成する」というイメージです。
つまり「策定」は物事を考えたり議論したりして決めていくもの、「作成」はすでに決まったものを書類などとして作り上げるというところが大きな違いです。
「策定」→「作成」、計画を「策定」してから計画書を「作成」するイメージです。
また「策定」は「定める」とありますが、最終決定とは限りません。
まだ実行するか決まっていない、計画段階のもの(○○計画、○○案)も「策定」といいます。
・道路の拡張計画を策定する。
・道路拡張計画の月別実施工程表を作成する。
ではもう一度、「策定」と「作成」の違いをわかりやすくまとめます。
【策定】
・物事を考えながら定めること。
(書類でつくることではない)
【作成】
・書類などで作り上げること。
(考えたり議論したりしない)
「企画」や「計画」という言葉を使いましたが、「企画」と「計画」にも違いがあります。
「企画」と「計画」の違いについては、下の関連記事をご覧ください。
2.「策定」と「制定」の意味と違いは?
まずは、「制定」の意味を広辞苑で調べてみます。
・法律や規則などを定めること。
「策定」と「制定」では定めるものが違います。
「策定」で定めるのは政策や計画です。
英語でいえば「Plan(プラン)」や「Project(プロジェクト)」ですね。
政策や計画に関することを考え決めるときは「策定」といいます。
「制定」は法律や規則を定めるときに使います。
英語でいえば「Law(ロー)」や「Rule(ルール)」です。
また、「策定」は最終決定や本決まりとは限りませんが、「制定」は最終決定、制定した=実行するということです。
3.「作成」「作製」「制作」「製作」の違いは?
上記の通り、「作成」は書類をつくることです。
「作製」は機械や道具を使って、物をつくることです。
工作に近いですね。
「制作」は「美術作品や映画・放送番組・レコードなどをつくること。また、その作品。(広辞苑より)」です。
「創作(活動)」と似ていますね。
放送番組では「プロデュース」が制作の意味です。
「製作」は「ものをつくること。また、つくったもの。(広辞苑より)」です。
作製とほぼ同じ意味なのですが、株式会社○○製作所、といった会社があるようにどちらかというと実用性があるものを指す場合が多いです。
また、著作権法では、映画やテレビ番組などにおいて、創作活動としてのプロデュース行為は「制作」、完成するまでの全体の行為は「製作」を用いることになっています。
ややこしいですね…。
日本語は意味が似ていて使い分けが難しい言葉が多いです…。
たとえば「下記」と「以下」、「下記のとおり」や「以下のとおり」といった使い方をしますよね。
この「下記」と「以下」、キチンと使い分けができていますか??
下の記事で詳しく解説していますので、もしよかったら覗いてみてください。
まとめ
以上が、「策定」と「作成」の意味や使い分けなどについてでした。
「策定」と「作成」はどちらも「つくる」という意味がありますが、つくるものが違います。
「策定」は計画や政策、「作成」は書類をつくります。
「策定」と「制定」の違いもまたしかり、「制定」は法律や規則をつくる・決めるときに使います。
「作成」と「作製」、「制作」と「製作」の使い分けでは、「製」の字が入っている方が、実際に手や道具を使ってものをつくる「工作」という意味で覚えておくとよさそうですね。
日本語は意味がまぎらわしい言葉がたくさんありますが、「表記」と「標記」もそのひとつ。
たとえば、「ひょうきの件について」の「ひょうき」は「表記」?「標記」?どっち?
下の関連記事で詳しく解説していますので、もしよかったらご覧ください。