よくテレビで活躍している「デヴィ夫人」。
人気者ですね。
デヴィ夫人はなぜ「夫人」をつけて呼ぶのでしょう??
不思議です…。
ところで、「ふじん」という字は「夫人」と「婦人」がありますよね。
どちらも、女性の意味のようですが、違いや使い分けっていわれると…??
また、「夫人」の「夫」って「おっと」のこと、男性の意味なのでは?
なぜ男性の意味がある「夫」が、女性の意味がある「夫人」に使われるの?
ということで、今回は「夫人」と「婦人」の違いや使い分け、またその意味を深堀して紹介します。
1.「夫人」と「婦人」の違いのポイント!
最初に、簡単に「夫人」と「婦人」の意味の違いのポイントについてお伝えします。
たった一言であらわすならば、以下のとおりです。
夫人:他人の妻の敬称
婦人:成人した女性
それでは、「夫人」と「婦人」の意味の違いについて、さらに詳しく例文を使いながら説明しますね。
2.「夫人」の意味とは!
それでは、「夫人」の意味から説明します。
・他人の妻の敬称。奥様。
ということで、「夫人」とは誰かの奥様を敬って呼ぶ時に使う言葉です。
「夫人」の「夫」は、結婚している男性の意味の「おっと」や「成人した男」といった意味があります。
「夫」は、主に「男」の意味があるのに、女性に使うのは不思議ですよね。
これにはキチンとした理由があります。
そもそも、「夫人」の「夫」は元々「扶」だったといわれています。
扶養家族の「扶」です。
「扶」は、「助ける」や「力を貸す」といった意味があるのです。
しかも「扶」の語源は、「夫」に「てへん」で、夫の体に手を添えて支えるということがもとになっているのです。
つまり、「夫を支える人」という意味なのですね。
やがて、元々「扶人」だったものが「夫人」に変化したのです。
「夫人」は、昔の中国では天子のお后さま、つまり皇帝の妻のことを指していました。
また、天子の直属の部下である「諸侯」の妻の意味もありました。
日本では、皇后陛下や妃殿下に次ぐ高い地位の女官、つまり宮中につかえる女性のことを指していたのです。
ですから、「夫人」とは元々高い地位の女性のことだったのですね。
そういった理由もあり、現代では誰かの奥様を呼ぶ時の敬称になりました。
現在は、「社長夫人」や「院長夫人」といった使われ方をします。
社会的地位が高い人の奥様に対して多く使われます。
3.「婦人」の意味とは!
続いて、「婦人」の意味を説明しますね。
・成人した女性。女。
「婦人」は、女性のことです。
女性は女性でも、一般的には成人した女性に多く使われます。
女の子の赤ちゃんを「婦人」とはいいませんものね。
「婦人」の「婦」は、「妻」の意味もありますが「女性」や「成人した女性」という意味もあります。
ですから、「婦人」はそのとおり「女性」や「成人した女性」ということです。
元々「婦人」という言葉は、女性の社会進出の運動に使われた言葉です。
大正時代に創刊された雑誌「婦人公論」は、「女性の権利の拡張」がコンセプトでした。
また、大正時代の女性の参政権を訴えた運動を「婦人参政権運動」や「婦人運動」といいます。
つまり「婦人」とは、単なる女性という意味だけではなく、昔は「意識の高い女性」という意味の使われ方をしていたのです。
そういった昔に比べれば、現在の男性と女性の地位は対等となりました。
そういったことが理由かなのかはわかりませんが、「婦人」という言葉はあまり使われなくなってきたような気がします。
4.「夫人」と「婦人」の違い!
ということで、「夫人」と「婦人」の違いを整理します。
「夫人」は、他人の妻の敬称です。
「婦人」は、主に成人した女性のことです。
それでは、違いを順にわかりやすく解説しますね。
①既婚女性と成人女性の違い!
「婦人」は、女性という意味もありますが、一般的には成人した女性のことを指します。
そして、その女性の中でも結婚して夫が存在する女性を敬った言葉が「夫人」です。
つまり、成人した女性は「婦人」、結婚している女性は「夫人」です。
ですから、大きな「婦人」の枠の中に、「夫人」が含まれるということですね。
②敬称か敬称でないかの違い!
また、「夫人」は敬称であるのに対し、「婦人」は敬称ではありません。
ですから、基本的には「御夫人」とはいいません。
敬語を重ねて使う言葉も存在しますが、この場合は「御夫人」とはいいません。
ただし、最上級の敬った言葉として「令夫人」という使い方はあります。
娘を敬った言葉が「令嬢」、妻が「令夫人」です。
「婦人」に「御」をつけた「御婦人」は問題ありません。
③夫がいなくなった場合は?
では、夫がいなくなってしまった女性の場合はどうなるのか?
基本的に、離婚した女性を「婦人」と呼ぶのは問題ありませんが「夫人」とは呼びません。
ただし、夫が亡くなってしまった場合は「夫人」と呼んでも差し支えありません。
もちろんその場合は「婦人」でも大丈夫です。
④英語での違い!
また、「夫人」と「婦人」を英語にするとどうなるのか?
「夫人」は、「Mrs.(ミスィズ)」「madam(マダム)」となります。
「婦人」は、「lady(レディ)」「woman(ウーマン)」です。
5.「夫人」と「婦人」の使い方!
では、「夫人」と「婦人」の実際の使い方を例文で紹介します。
【「夫人」の使い方】
・日居月諸は、君主とその夫人、父と母などのたとえ。
・夫人を同伴して出席する。
・伯爵夫人の威厳。
・大統領夫人もご一緒に来日した。
【「婦人」の使い方】
・貴婦人の訪問。
・婦人服売り場に行く。
・婦人科で診察を受ける。
・区内に婦人会館が建設された。
まとめ
以上が、「夫人」と「婦人」の意味の違いや使い分けなどについてでした。
「夫人」は他人の妻の敬称、「婦人」は成人した女性のことです。
ですから、「夫人」と「婦人」を英語にすると、「夫人」は「Mrs.(ミスィズ)」で「婦人」は「woman(ウーマン)」となります。
なんとなく、英語の方がわかりやすいかもしれませんね。
ちなみに、「Mrs.(ミスィズ)」は必ず名前とセットであり単独では使いませんよ。
もしよかったら、参考にしてください。
★「本年」と「今年」の違いと使い分けを解説!年賀状/ビジネスでは?
★「お喜び」と「お慶び」公文書ではどっち?ビジネス文書ではどれ?
★「宜しく」と「よろしく」の使い分けと違い!ビジネスではどっち?
★「息子」の丁寧語は?上司の息子を何て言うの?語源も含めて解説!
★「娘」の丁寧語は?目上の人の娘を何て言う?語源も含め徹底調査!
下は、年賀状をやめる方法についての関連記事です。