「要旨」と「要約」、よく目にしますが同じ意味に感じますよね。
ですが「要旨」と「要約」、それと「要点」も含めて全て意味が違います。
意味を理解せずに「要旨」を作成するとおかしなことになってしまいますよ。
それは「要約」も同じことです。
ということで、今回は「要旨」と「要約」、それと「要点」の意味に違いや使い分けなどについて調べてみました。
1.「要旨」と「要約」の意味の違いと使い分けは?
広辞苑によると「要旨」と「要約」の意味は次のとおりです。
・肝要な趣旨。大体の内容。
【要約】
・文書などの要点をとりまとめて、短く表現すること。また、そのとりまとめた言葉や文。
(一部省略あり)
それでは、さらにわかりやすく説明しますね。
①「要旨」と「要約」の違いをわかりやすく解説!
「要旨」と「要約」の違いは、「要旨」がその文章の最も訴えたいことだけを短くまとめたもの、「要約」は文章の全体像を短くまとめたものです。
「この筆者は結局何を言いたかったのだろう?」と考えた時に、「一番言いたいことはこれか!」というものを短くまとめたものが「要旨」なのですね。
一方、文章が第1章、第2章、第3章、第4章と展開したとすると、第1章の内容を短くまとめ、続いて第2章、第3章…、第4…を短くまとめたものを、それぞれ合わせたのが「要約」となります。
これは、第1から第4までの各章の「要旨」を抽出し、それをまとめることで「要約」となるともいえます。
②「要旨」と「要約」を論文に置きかえると!
論文を作成するときは、「主題」と「アブストラクト(abstract)」を書きます。
この「アブストラクト」を書くときに、「要旨」を書くべきか「要約」を書くべきか、迷うことはありませんか?
アブストラクトを書く際のポイントは、「主題とその論文の問題点とは?」「その問題の重要性は?」「研究の切り口の独創性は?」「研究結果とその意義は?」といったところです。
ですからアブストラクトに「要旨」だけを書いてしまうと、その研究の「結論」だけになってしまいますので、「問題点の重要性」や「研究の意義」などが見えません。
つまり論文のアブストラクトは、「要旨」というよりは「要約」の方がより当てはまります。
アブストラクトは、主題の次に目が行く項目であり、多くの人がその内容によってその論文を読むかどうかを判断します。
だからといって、ただ単に期待を高めるだけ高めて、「結論は次回にご期待!」のような書き方はいけませんよ。
論文のアブストラクトは、「目的」「結果」「結論」を必ず書きましょう。
2.「要点」とは?「要旨」「要約」との意味の違いと使い分けは?
まずは、「要点」を広辞苑で調べます。
・肝要な箇所。大切なところ。
(一部省略あり)
簡単に一言でいえば、「要旨」は「趣旨」、「要約」が「内容」であるのに対して、「要点」は「箇所」です。
ですから、要旨や要約よりも要点の方が短いです。
つまり、以下のとおりです。
・文章で筆者が一番言いたいこと
【要約】
・文章の内容を短くまとめたもの
【要点】
・文章の中心文
たとえば、文章が第1章、第2章、第3章、第4章と展開したとします。
まず、第1章の「要点」つまり「文章の中心文」を抜き出しまとめることで、第1章の「要旨」ができます。
これを第2章、第3章、第4章とそれぞれ同じように要旨をまとめ、第1から第4までの要旨を総合して短くまとめると「要約」になります。
そしてその第1章から第4章までの文章全体の中で、筆者が一番訴えたいことがその文章全体の「要旨」となるわけです。
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まとめ
以上が、「要旨」と「要約」、「要点」の違いについてでした。
筆者が最も訴えたいことを短くまとめたものが「要旨」で、文章の全体像を短くまとめたものが「要約」です。
さらに要旨や要約よりもさらに短い中心文が「要点」です。
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