コメントラン、質問ラン、回答ラン、さてさて、「ラン」の字は「欄」だっけ、それとも「覧」だっけ。
私は「欄」のような気がするのですが、ネットを見ていると、「コメント覧」という表記をよく見かける……「欄」だと思うんだけどなあ。
ということで、今回は「欄」と「覧」の違いと使い方などについて調べてみました。
1.「欄」と「覧」の意味の違いとそれぞれの使い方!
まずは「欄」と「覧」を広辞苑で引いてみます。
①てすり。「欄干・勾欄・欄間」
②文書で、罫で囲んだ部分。特に、新聞・雑誌編集上の一区分または一定紙面。「欄外・文化欄」
①見ること。広く見ること。「閲覧・展覧・博覧」
②概観できるようにまとめた文書。「要覧・便覧」
ということで、コメントランや質問ラン、回答ランのランは「欄」が正解です。
線で囲まれるなど、そういったある一区分という意味ですね。
「○○欄に記入してください」という指示がある場合は、○○の区分に記入します。
そして「覧」は「ご覧ください」のランで、「見ること」ですね。
見るために簡潔にまとめたページが「一覧」で、「一覧表」といった使い方をします。
ですから質問欄(質問を記入する場所)は「蘭」ですが、質問一覧(出た質問を全て簡潔にまとめたもの)は「覧」となり、一覧にかわるだけで意味が違ってきます。
【欄と覧の使用例】
「欄」
・コメント欄は別紙
・質問欄への記入
・回答欄、解答欄へ誤って氏名を記入
「覧」
・一覧表の作成
・展覧会の開催
・閲覧制限をかける
2.「欄」と「爛」と「蘭」の意味の違いは?
「爛(らん)」は日常的にはあまり使わない漢字かな。
「蘭」は花のラン?
広辞苑を調べてみました。
①ただれること。くさりずれること。「糜爛(びらん)、腐爛(ふらん)」
②たけなわ。まっさかり。「爛漫(らんまん)・爛熟(らんじゅく)」
③きらめきかがやくさま。「爛爛(らんらん)・絢爛(けんらん)」
豪華絢爛(ごうかけんらん)というように、キラキラときらめいているような意味ですね。
また、真っ盛りや腐れるといった意味もあります。
うん、やっぱり私の日常生活にこの漢字は出てこないや(^^;)
ラン科植物の総称。
「蘭」はお花のランですね。
ほかには、和蘭(オランダ)を省略して「蘭」と表記される場合もあります。
その場合は「蘭」でオランダの意味です。
「蘭学(オランダの学術)」や「蘭医(オランダ医学を修めた医者)」のランがこれです。
3.学生服の「学ラン」は漢字では?由来は?
学ランとは学生服の一つで、男子向けの詰め襟の学生服です。
表記では「学ラン」とカタカナで書くことが多いですが、オランダのランで西洋を意味しています。
時代は江戸時代にさかのぼりますが、鎖国の関係で当時貿易できた西洋の国はオランダだけでした。
その当時は、着物などの和服に対して洋服を「蘭服」と呼んでいたのですね。
つまり学ランとは、西洋風(オランダ風)の学生服のことで、和服に下駄のスタイルに対して西洋風学生服を「学ラン」というようになったようです。
「学ラン」が帝国大学に導入されて、その言葉が定着したのは明治時代になってからです。
「学ラン」に漢字を当てはめるとしたら、「学蘭」ですね。
でも、私は漢字で学蘭と書いてあるのは見たことがないなあ。
やっぱり「学ラン」はカタカナか、ひらがなで「学らん」が分かりやすそうです。
漢字の違いについて説明しましたが、「鼻をかむ」の「かむ」の漢字をご存知ですか?
また、なぜ「かむ」というのか??「鼻をかむ」の漢字や語源などについて詳しく調べた記事がありますよ!
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まとめ
以上が、「欄」と「覧」の違いと使い方などについてでした。
決まったスペースにコメントや解答がほしいときには、「欄」の字を使います。
「覧」は「一覧」などのように、誰かに見てもらうためのページや文書などに使います。
「蘭」はお花のランの他に、オランダの意味もあります。
学ランの「ラン」もその一つ、オランダ由来の言葉やものって意外と多いですね。
まぎらわしい漢字の違いといえば、「火」と「炎」…。
「火」と「炎」の違いをご存知ですか?
詳細にについては、下の記事を覗いてみてください。