「女王」と「王女」。
これ、「女」と「王」をひっくり返しただけの言葉です。
ですが、ひっくり返しただけで意味が全く違ってくる???
まぎらわしいですね…。
ということで、今回は「女王」と「王女」の意味の違いや使い分けについて解説します。
1.「女王」と「王女」の違いのポイント!
最初に、「女王」と「王女」の違いのポイントについて簡単に説明します。
一言であらわすと以下のとおりです。
女王:女性の王
王女:王の娘
ただし、この他にもまだ意味がありますよ。
ということで、「女王」と「王女」の意味の違いなどについて、さらに詳細に解説していきますね。
2.「女王」の意味とは!
では、「女王」の意味です。
①女の君主。また、王の后。
②内親王の宣下を受けない皇族の女子。
③その分野で最高の、または第一人者の女性。「銀盤の―」
意味が3種類あります。
では、①から順に説明します。
意味①の「女王」は、女性の君主のこと、つまり国を治める最高位の女性のことです。
女性の「王様」のことですね。
君主は、世襲によってその地位に就きます。
たとえば、イギリスの王様、エリザベス女王が有名ですね。
また、男性の王の后(きさき)を「王妃」「后」と呼びますが、「女王」と呼ぶ場合もあります。
ちなみに、「女王」を英語にすると「queen(クイーン)」です。
意味②の「女王」は、女性の皇族で内親王の宣下を受けていない人のことです。
内親王とは称号です。
そして、内親王の宣下とは、天皇陛下よりその内親王の地位をいただくという意味です。
つまり、内親王の称号を与えられていない女性皇族のことを「女王」というのです。
ただし、内親王は女性皇族全てに与えられるわけではありません。
現在の内親王は、愛子内親王・眞子内親王・佳子内親王の3人です。
内親王の称号を与えられる前は、「女王」だったのですね。
ですから、国を治める王とは全く意味が違います。
意味③の「女王」は、その分野での第一人者の女性のことです。
一般の女性第一人者に対して、「女性の王様」の意味に置き換えた言葉です。
つまり、その分野で最も優れた女性のことですね。
「競泳界の女王」
「銀幕の女王」
といった使い方をします。
3.「王女」の意味とは!
続いて、「王女」の意味です。
①王・王族の娘。
②もと、皇族の女子で内親王宣下のないもの。
「王女」の意味は2種類あります。
意味①の「王女」とは、王の娘のことです。
王様のお嬢さんですね。
また、王ではなく王族の娘も王女と呼ぶ場合があります。
「王女」して有名なのは、スウェーデンのヴィクトリア王女です。
現在のスウェーデンの国王、カール16世グスタフ国王の長女がヴィクトリア王女です。
王位継承権一位で、皇太子ということ。
つまり、次期スウェーデン国王ということですね。
ちなみに、「王女」を英語にすると「princess(プリンセス)」です。
意味②の「王女」は、女性の皇族で内親王の宣下を受けていない人のことです。
つまり、前項で説明した「女王」の意味②と同じということです。
正式には「女王」なのですが、「王女」とも呼びます。
つまり、日本の皇族の中で「女王」と「王女」は全く同じ意味ということになります。
ただし、一般的な意味である「女性の王=女王」や「王の娘=王女」とは、意味合いが全く違うということです。
ちなみに、天皇陛下の娘のことは「皇女(おうじょ/こうじょ/ひめみこ)」といいます。
4.「女王」と「王女」の意味の違い!
ということで、「女王」と「王女」の違いを整理します。
「女王」とは、女性の王のこと。
「王女」とは、王の娘のことです。
また、「女王」は基本的には女性の王という意味ですが、その分野の女性の第一人者に対して「~の女王」といった形で使うことがあります。
たとえば、「社交界の女王」といった使い方です。
ゴルフで獲得賞金額が一番多い男性を「賞金王」、女性のトップを「賞金女王」といいます。
それから、女性の皇族で内親王の宣下を受けていない人を「女王」、または「王女」といいます。
皇族の中では「女王」と「王女」は同じ意味なのですが、「王」の意味とは全く違います。
「女王」を英語にすると「queen(クイーン)」。
「王女」を英語にすると「princess(プリンセス)」です。
まとめ
以上が、「女王」と「王女」の意味の違いや使い分けについてでした。
ということで、女性の王が「女王」で、王の娘が「王女」です。
女性の君主が「女王」であると説明しました。
国の最高位を、君主と呼んだり元首と呼んだりしますよね。
元首とは、どういった選ばれ方をしようが国の最高位の人のこと。
君主とは、世襲によって受け継がれる国の最高位の人のことです。
アメリカ大統領は元首ではありますが、選挙で選ばれますので君主ではありません。
エリザベス女王は世襲ですので、元首であり君主でもあります。
ちなみに、日本の天皇陛下は、憲法上は日本の象徴ということになっています。
ですが、国際的には元首という扱いになっていますし、世襲ですので君主であるともいえます。