何かに応募する場合は、その条件に従った書き方をして提出します。
こういう時の書き方って、「様式」と呼ぶべき?
それとも「書式」と呼ぶべきなのか??
なんだか、「様式」も「書式」も同じような意味のような…。
ということで、今回は「様式」と「書式」の意味の違いや使い分けについて解説します。
1.「様式」と「書式」の違いのポイント!
はじめに、簡単に「様式」と「書式」の意味の違いのポイントについてお伝えします。
「様式」と「書式」の違いを、たった一言であらわすならば以下のとおりです。
様式:定められた書き方「雛型」「見本」「スタイル」
書式:定められた書き方「枠組み」「テンプレート」(レイアウト変更不可能)
それでは、「様式」と「書式」の意味の違いについて、さらにわかりやすく説明しますね。
2.「様式」の意味とは!
では、「様式」の意味から説明します。
①長い間に自然にできあがった生活や行動の型。一定のやり方や形式。「生活様式」
②文書などの定められた書き方。「履歴書の様式」
③ある時代・民族・流派などの芸術作品や建築を特徴づける共通の表現形態。「バロック様式」「古典派様式」
意味が3種類に分かれています。
まず、意味の①の説明をします。
この①の「様式」は、例で「生活様式」とあるように、生活や行動などの一定のやり方のことです。
たとえば、日本の生活様式では食事の時はハシを使いますが、アメリカの生活様式ではフォークとナイフを使って食べます。
こういった、ある一定のやり方のことですね。
そして、この意味①から派生したのが意味②です。
意味②の「様式」は、文書などの定められた書き方のこと。
ですから、意味①の一定のやり方から、意味②の一定の書き方という意味も持つようになったということですね。
たとえば、「A4版の用紙に縦書きで作成してください」という指示があったとすると、この書き方のスタイルが「様式」です。
ですから、この「様式」を他の言葉に言い換えるのならば、「雛型」「見本」「スタイル」ということになります。
また、場合によっては「~を作成にあたっては、当社指定の様式を使用してください」といった指示がある場合もあります。
この場合は、指示する側があらかじめ、提出用の「専用紙」を作成しているということ。
この「専用紙」も「様式」ということになります。
最後は意味③です。
この③の「様式」は、普段はあまり使いませんが芸術作品などの決まった表現形態の意味があります。
あまり使いませんが、一定のやり方を意味する①と似た意味があります。
一定のやり方の「芸術版」や「建築版」といったところでしょうか。
3.「書式」の意味とは!
続いて、「書式」の意味を説明します。
①証書や届け出などの、定まった書き方。「履歴書の書式」
②文書を作成するときの設定。
「書式」の意味は2つあります。
まず意味①の「書式」から説明します。
この①の「書式」は、証書などの定まった書き方のことです。
たとえば、年末調整や確定申告の時に税務署などに提出する書類は、決まった用紙で作成しなくてはいけません。
この「書式」は、記入の位置を勝手に変更したり、枠のレイアウトを変更することができませんよね。
ですから、「定まった書き方」のことなのですが、書き方に関する制約が厳しいということです。
この「書式」を他の言葉に言い換えるのならば、「枠組み」「テンプレート」ということになります。
それから、意味の②の「書式」です。
この②の「書式」は、パソコンで文書などをつくる時の設定のことです。
たとえば、パソコンなどで文書を作成するときに、余白の幅を変更したり、文字の大きさや種類、行間などを設定しますよね。
この設定が「書式」です。
4.「様式」と「書式」の違い!
ということで、「様式」と「書式」の違いを整理します。
「様式」と「書式」を対比していますので、「書き方」の部分にしぼって説明します。
「様式」は、定められた書き方のことで、言い換えるならば「雛型」「見本」「スタイル」です。
「書式」は、定められた書き方のことで、言い換えるならば「枠組み」「テンプレート」です。
それでは、微妙な違いをわかりやすく解説しますね。
①雛型の「様式」とテンプレートの「書式」の違い!
「様式」と「書式」はどちらも「定められた書き方」なのですが、「様式」の方は「雛型」「見本」「スタイル」的な意味合いが強くなります。
つまり、「様式」は「生活様式」の「様式」の意味にもあるように、「生活スタイル」的な意味合い強くなるのですね。
生活スタイルは、それぞれの家庭によっても多少のズレはありますから。
厳格ではないということです。
一方の「書式」、こちらも「定められた書き方」ですが、「枠組み」「テンプレート」的な意味合いが強くなります。
制約が厳しく勝手なレイアウト変更が許されないような場合が多くなります。
②「様式」と「書式」の違いは曖昧!
「様式」と「書式」は、どちらも「定められた書き方」のことで意味はほぼ同じです。
ですから会社によって、「枠組み」「テンプレート」を「様式」と呼んでいるところもあります。
つまり、「様式は、絶対にこういったもの」「書式は、絶対にこういったもの」というようなキッチリとした定義はないのです。
「2.様式の意味」の項でも説明しましたが、「~を作成にあたっては、当社指定の様式を使用してください」といった場合の「専用紙」も「様式」といいました。
ですが、この「専用紙」は「3.書式の意味」の項で説明した「書式」の意味と同じですよね。
要するに、勝手にレイアウト変更ができないということです。
ですから、「様式」なのか「書式」なのか、どちらを使うべきか迷った際は、まず会社の規程や取り扱いなどを確認しましょう。
そうした上で、決まりがない場合については当ブログを参考にしてください。
5.「様式」と「書式」の使い方!
では、「様式」と「書式」の実際の使い方を例文で紹介します。
【「様式」の使い方】
・提出する際は、様式などの指定は一切ありません。
・業務上災害の場合は「様式第5号」を使用して下さい。
・彼の家を訪問したが、一風変わった建築様式の家だった。
・和食を食べる際の食事様式の基本。
【「書式」の使い方】
・住民票の申請書は決まった書式となっている。
・申込書はインターネットで手に入るが書式は変更できない。
・間違った書式で作成してしまったためやり直す。
・フォントの書式は必ずMS明朝体に統一してください。
ところで、「雛型」という言葉を使ってきましたが、「ひながた」には「雛型」と「雛形」の二種類の言葉があるのはご存知でしたか?
ということで、下の記事では「雛型」と「雛形」の違いについて解説しています。
もしよかったら、覗いてみてください。
まとめ
以上が、「様式」と「書式」の意味の違いや使い分けなどについてでした。
「様式」「書式」はともに「定められた書き方」のことですが、「様式」の方は「雛型」や「見本」といった意味合いが強く、「書式」の方は「枠組み」や「テンプレート」といった意味合いが強くなります。
ただし、会社によっては必ずしもこういった使い分けとは限りません。
使い分けをする場合は、まずはその会社の取り扱いなどを確認しましょう。
「様式」や「書式」のように、日本語はまぎらわしい言葉が結構多いです…。
特に「迎える」と「向かえる」は気を付けないと、意味が違うので大変なことになってしまいますよ!
もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。