「スリッポン」と「スリッパ」…。
似ています…。
「スリッパ」については、まあ理解しているつもりなのですが…。
では、「スリッポン」ってなんだ??
噂では…、この「スリッポン」と「スリッパ」は語源が同じらしい…。
ということは、語源が同じでありながら、物が違うということか??
そんなわけで、この「スリッポン」と「スリッパ」を徹底的に調べてみました!
本記事では、「スリッポン」と「スリッパ」の違いと、その語源などについて解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「スリッポン」と「スリッパ」の違い!
最初に、「スリッポン」と「スリッパ」の違いを簡潔にお伝えします。
「スリッパ」とは、紐や留具など何もついていないほか、底の部分と、足の甲を覆う部分しかない履き物こと。
「スリッポン」は基本的に屋外で履く靴で、「スリッパ」は屋内で履きます。
そして、「スリッポン」は靴なので、履いている状態で激しく動いても簡単に脱げることはありません。
逆に「スリッパ」では、覆う部分が足の前方部だけなので、激しく動くと簡単に脱げてしまいます。
それでは、次項からは実物も紹介しながら語源なども解説していきますね。
2.「スリッポン」とは!
これが、「スリッポン」の実物です。
前項でも説明したとおり、何もついていなく、シンプルな靴ですよね。
語源は、「slip(スリップ)」と「on(オン)で」、「スリッポン」です。
「スリップ」は、滑るという意味。
そして、「slip on」になると滑らすように身につけるという意味になります。
たとえば、「slip on a coat」は、「上着を素早く着る」という意味。
つまり、足を滑らすように素早く履くことができる靴が「スリッポン」なのです。
基本的には、上のような靴を「スリッポン」と呼ぶのですが…。
しかし、「スリッポン」の定義は紐や留具の無い靴のことなので、実はそういった定義に当てはまる靴は他にもあります。
たとえば、下のような「パンプス」。
それから、下の「モカシン」。
また、下のような「ローファー」も。
実は、こういった「パンプス」「モカシン」「ローファー」なども、「スリッポン」の中の一つとする場合もあるのです。
要するに、紐や留具など何もついていないシンプルな靴の「総称」として「スリッポン」という言葉が使われることもあるということ。
一応、覚えておいてください。
3.「スリッパ」とは!
「スリッパ」の実物は以下とおり。
おなじみですね。
「スリッパ」は英語で「slipper」。
やはり「スリッパ」も、語源は「slip(スリップ)」。
滑るという意味の「slip」に、「er」をつけると「slipper」で「滑る人」という意味になりますが…。
何のための「er」なのか、「滑る人」が由来しているのかは謎です…。
ですが、足を滑らすように簡単に履くことができる、ということが由来しているのは間違いありません。
確かに「スリッパ」は、足をスリップさせて履けますので。
ちなみに、ヨーロッパなど多くの国では屋内で靴を脱ぐ習慣がありません。
ですがそういった国であっても、さすがに入浴時や就寝時には靴を脱ぎます。
昔から、そういった入浴前後や就寝前後でこの「スリッパ」を使用していました。
日本で「スリッパ」が使われ始めたのは、明治に入ってから。
ただし、江戸時代の末期からという説もあります。
当時、屋内で靴を脱がない外国人に対し、靴の上からこの「スリッパ」をはかせて屋内に入ってもらうというのが目的でした。
そして、この「スリッパ」を考案したのが、衣類の縫製を仕事としていた仕立て職人だったそうです。
つまりは、日本人が独自に考案したものだったのですね。
ちなみに、福沢諭吉が幕末に、西洋人が屋内で履く「slipper」を「スリップルス」と紹介しています。
日本人が独自に考案した履き物ではありますが、おそらく形状が「スリップルス」と同じであったことから、「スリッパ」と呼ぶようになったのではないでしょうか。
まとめ
以上が、「スリッポン」と「スリッパ」の違いと語源についてでした。
「スリッポン」は紐や留具など何もついていない靴のことで、「スリッパ」はそれに加えて底の部分と足の甲を覆う部分しかない履き物こと。
そして、どちらも「滑る」という意味の「slip(スリップ)」が語源になっています。
また、双方ともに履きやすい履き物であることは共通していますね。
ところで、履き物といえば「ズック」ということもありますよね!
この「ズック」とは、どういった履き物が当てはまるのか?ご存知ですか?
「ズック」の意味や語源などを調べた記事がありますので、もしよかったら下の関連記事をご覧ください。