「伸張」と「伸長」。
新聞を読んでいると、どちらもよく出てくる言葉ですが、似ています…。
どちらも、「伸びる」といった意味合いだと思うのですが…。
では、何がどう違うのか…といったことは理解していませんでした…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は「伸張」と「伸長」、似ているようで確かな違いがありました!
本記事では、「伸張」と「伸長」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「伸張」と「伸長」の意味の違い!
最初に、「伸張」と「伸長」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「伸長」とは、物の長さや、力などが伸びること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「伸張」の意味とは!
「伸張」は、物や勢力などが伸び広がること。
ただ伸びるということではなく、伸びながら広がるということです。
たとえば、パソコンで「圧縮と伸張」といった使い方をします。
この「伸張」は、「解凍」や「展開」のこと。
一般的なのは「解凍」ですが、圧縮したデータを元の状態に戻すことです。
小さく縮めたデータを、伸び広げるということですね。
ただ、伸ばすのではなく、元の状態に広げるということ。
あと、「伸張」は「勢力」を伸び広げる時にも使われます。
たとえば、「営業区域が市内だけだったが、市外に伸張する」といった使い方。
これは、市内限定で営業活動したいたものを、その範囲を市外に広げるということです。
②「伸長」の意味とは!
「伸長」は、物の長さや、力などが伸びること。
広がることではなく、伸びることです。
具体的には、「植物の伸長成長」といった使い方をします。
これは、植物が縦方向に伸びて成長していくという意味。
植物は、枝を広げますので横方向にも成長します。
ですが、「伸長成長」は縦方向への成長のことなのですね。
まさに、広がるのではなく、長さが「伸びる」ということ。
あと、「学力の伸長」や「学力伸長度ランキング」といった使い方をします。
これはつまり、学力を伸ばすという意味。
ちなみに、「学力伸長度ランキング」とは、たとえば中学入学時の偏差値と、その後の合格した大学の偏差値を比較してランキングにしたもの。
入学から卒業までの間に、どのくらい偏差値が上がったのかといったものです。
要するに、学力を伸ばす力が強い学校のランキングということですね。
③「伸張」と「伸長」の違いを整理!
それでは、ここで一度「伸張」と「伸長」の違いを整理します。
物や勢力などが伸び広がるのが「伸張」。
「伸張」は、「拡張」に言い換えることができます。
物の長さや、力などが伸びるのが「伸長」。
「伸長」は、「伸びる」に言い換えることができます。
2.「伸張」と「伸長」の辞書での意味!
続いて、辞書による「伸張」と「伸長」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「伸張」の辞書での意味!
【伸張】
・長さや勢力などが伸びひろがること。また、おしひろめること。「勢力を―する」
引用元:旺文社国語辞典
「伸び広がる」ですので、説明したとおりの内容です。
②「伸長」の辞書での意味!
【伸長】
・長さや力などが伸びること。また、伸ばすこと。「学力の―」
引用元:旺文社国語辞典
「伸びる」ですので、説明どおりです。
3.「伸張」と「伸長」の使い方!
次に、「伸張」と「伸長」の使い方を例文で紹介します。
①「伸張」の使い方!
・不寛容なナショナリズムや民族主義をあおる右派政党が伸張した。
・世界的な鉱物資源の生産増加に伴い大幅に需要が伸張しています。
・縮小傾向の映像市場で伸張を続ける動画配信。
・厳しい経営環境の中で事業を着実に伸張させた。
②「伸長」の使い方!
・合成ゴムについて、伸長応力および体積ひずみの関係を調べる。
・北欧スウェーデン発のイケアの伸長式ダイニングテーブル。
・太陽光発電は雑草の除去の間隔があき過ぎれば木や竹が伸長してしまう。
・日本語に触れる機会が少なく母語の能力の伸長を阻害している。
4.「伸張」や「伸長」には似た意味の言葉がたくさんある!
「伸張」や「伸長」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「伸張」と「伸長」の意味の違いと使い分けについてでした。
「伸張」は、物や勢力などが伸び広がること。
「伸長」は、物の長さや、力などが伸びること。
広がるのが「伸張」、伸びるのが「伸長」です。