「向上」と「強化」。
似ています…。
といいますか、同じ意味では?と思ってしまうくらい…。
たとえば…。
「学力の向上」と「学力の強化」って、何が違う??
ですが、「労働条件の向上」とはいいますが、「労働条件の強化」とはいいません。
ということは、「向上」と「強化」では何かが違うということ…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「向上」と「強化」では確かな違いがありました!
本記事では、「向上」と「強化」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「向上」と「強化」の意味の違い!
最初に、「向上」と「強化」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「強化」とは、足りないところを補うなどの方法で、さらに強くすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「向上」の意味とは!
「向上」は、よりよい方向、優れた方向に進むこと。
今までよりもよくなる、今までよりもレベルが上がるということですね。
たとえば、よく使われるのが「学力の向上」。
これは、学力のレベルが今までよりも上がるということです。
つまり、テストの正解率が上がって、自分の偏差値が高くなるということ。
その他にも、「運動能力が向上する」「歌唱力が向上する」「労働条件の向上」といった使い方をします。
全て、今までよりもよくなる、レベルが上がるということ。
②「強化」の意味とは!
「強化」は、足りないところを補うなどの方法で、さらに強くすること。
弱いものを、今までよりも強くするということです。
強くするためには、足りない部分を補うなどの方法が使われます。
たとえば、「ガラスを強化する」といった場合。
わかりやすく言ってしまえば、薄いガラスを補うために厚くするということです。
素材が同じ場合は薄いガラスよりも、厚いガラスの方が割れにくくなりますよね。
あとは、「学力を強化する」といった場合。
この場合は、解けない問題を解けるようにする、これが足りない部分を補うということです。
解けない問題を解けるようにすることで、結果してテストの点数が上がるということ。
要するに、「学力を強化」して点数がよくなるということは、「学力が向上」するということです。
つまり、「学力向上」のための手段が「学力強化」ということ。
ということは、「向上」させるための一つの方法が「強化」ということです。
ただし、これは全てに当てはまるわけではありません。
たとえば、「生活レベルの向上」や「労働条件の向上」のための方法を、一般的に「強化」とはいいません。
③「向上」と「強化」の違いを整理!
それでは、ここで一度「向上」と「強化」の違いを整理します。
よりよい方向、優れた方向に進むことが「向上」。
足りないところを補うなどの方法で、さらに強くすることが「強化」。
「向上」のための一つの手段が「強化」です。
イメージ的には、前進が「向上」で、補って底上げするのが「強化」ですね。
2.「向上」と「強化」の辞書での意味!
続いて、辞書による「向上」と「強化」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「向上」の辞書での意味!
【向上】
・程度がよいほうこうに向かって進むこと。進歩。「学力が―する」↔低下
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「強化」の辞書での意味!
【強化】
・足りないところを補って、さらに強くすること。「材質の―」「警備の―」↔弱化
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりです。
3.「向上」と「強化」の使い方!
次に、「向上」と「強化」の使い方を例文で紹介します。
①「向上」の使い方!
・数学と物理の偏差値が大幅に向上した。
・労働者の賃金の底上げなど、総合労働条件の向上に取り組む。
・走行性能や利便性を向上させる仕様変更を実施する。
・生産性向上や安全管理の面で睡眠は重要だ。
②「強化」の使い方!
・沖縄セルラースタジアム那覇で強化合宿をスタートさせた。
・組織のチーム力をITによって強化する。
・自分の考えを伝える表現力の強化が必要。
・独自の衝突安全強化ボディーを採用する。
4.「向上」や「強化」には似た意味の言葉がたくさんある!
「向上」や「強化」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「向上」と「強化」の意味の違いと使い分けについてでした。
「向上」は、よりよい方向、優れた方向に進むこと。
「強化」は、足りないところを補うなどの方法で、さらに強くすること。
前に進めるのが「向上」で、補い強くするのが「強化」です。