実は日頃私たちが口にするわさびには、「山わさび」と「わさび」の二種類存在します。
チューブのわさびを買うとき、「本わさび入り」だとか「生おろしわさび」だとか、あとは「本わさび使用」とか……表示はいろいろですよね。
そしてこのチューブわさびには「山わさび」と「わさび」が入り混じっているのです。
ということで、今回は「わさび」と「山わさび」の違いなどについて調べてみました。
1.「山わさび」と「わさび」の違いは?
「わさび」とは、日本原産でお寿司やお刺身などと一緒に食べる正真正銘、本物のわさびのことで、別名で本物を表す意味で「本わさび」ともいいます。
この「わさび」、日本文化が世界に広がった現在は、世界中で「wasabi(ワサビ)」と発音されています。
わさびは、渓流や湧水など汚れのない水で育ちます。
「山わさび」とは、別名「西洋わさび」「わさび大根」といわれるヨーロッパ原産の野菜です。
「山わさび」は、「山」の字がつくとおり、水ではなく畑で栽培されます。
ヨーロッパでは、「ホースディッシュ」や「レフォール」と呼ばれていて、すりおろしてローストビーフの薬味として使われています。
緑色のわさびと違い、本来は白い色をしています。
山わさびは生命力が強く、栽培が簡単で寒い地域でもよく育ちます。
肥料や散水も不要で、ほったらかしでも大丈夫です。
「わさび」と「山わさび」、二つの特徴を見ると大体想像がつくと思いますが、「わさび」の方が高級品です。
日本では、山わさびはわさびの代替品として使用されます。
チューブわさびや粉わさびの主原料が山わさびなのです。
チューブわさびの商品名を見ると「生わさび」や「本わさび」といった表示がありますよね。
このときの「生わさび」の「生」は「非加熱」という意味ではなく「すりおろした」という意味です。
つまり「昔多かった粉わさびを使ってない、するおろしわさびですよ」という意味で、「山わさび」か「わさび」かの区別はありません。
【『生わさび』本わさび入り】
そして「本わさび」とは、本物の「わさび」という意味です。
ですが、チューブわさびにどの程度「本わさび」が入っているかがこだわりのポイントです。
たとえば「『生わさび』本わさび入り」という表示であれば本わさびの割合が50%未満で、「『生わさび』本わさび使用」の表示だと本わさびの割合が50%以上になります。
お買い物の際の参考にしてください。
2.「葉わさび」や「わさび菜」って何?わさびとの違いは?
「葉わさび」は本わさびの茎や葉のことです。
わさび独特の辛みや香りがあります。
実はこの「葉わさび」、前項で紹介した「チューブわさび」の原料に使われます。
本格的なお寿司屋さんでは、わさびの地下茎(根茎)をすりおろして使うのですが、実はこの地下茎の部分は特に高価なのです。
そこで、チューブわさびに入れる本わさびは、比較的安価な本わさびの葉や茎、その他の根の部分も使用する場合が多いのです。
また、葉わさびはそのままおひたしや和え物にしてもおいしいですが、葉わさびの醤油漬けが有名ですよね。
わさびは、葉や茎のほかに花も「花わさび」としておいしく食べられます。
「わさび菜」は本わさびとは関係なく、からし菜の仲間の野菜です。
からし菜の変異種なのです。
実は高菜も、このからし菜の変異種なのです。
わさびに似た辛みがあるから「わさび菜」、ぴりっとした辛みが特徴です。
わさび菜は生で食べるのもおいしいですが、しょうゆ漬けにしたり、さっとゆでてから炒める、あとは天ぷらにしてもおいしいですよ。
「バッテラ」や「鯖寿司」に関してはコチラの記事をどうぞ!
まとめ
以上が、「わさび」と「山わさび」の違いなどについてでした。
「わさび」とは別名「本わさび」で日本原産の本物のわさびのことです。
「山わさび」は、日本ではわさびの代替品として使われ、チューブわさびの主原料です。
チューブわさびは、「本わさび入り」か「本わさび使用」かで、本わさびの割合がわかります。
わさびの茎や葉は「葉わさび」、こっちもおいしいですよね。
よく似た名前の「わさび菜」はわさびとは関係ない別の野菜です。