「完了」と「終了」、この二つ、よく似た言葉ですよね。
しかも、日常生活で頻繁に使う言葉です。
よくよく自分を振り返ると、意味の違いを理解しないまま使っていたような…。
「完了」と「終了」、どう使い分けたらよいのでしょう…。
ということで、今回は「完了」と「終了」の意味の違いや使い分けなどについて調べてみました。
1.「完了」と「終了」の意味の違いや使い分けは?
まずは、「完了」と「終了」の意味を辞書で調べてみます。
・物事が完全におわること。おえること。
(以下省略)
【終了】
・物事が終わること。終えること。終わり。
「完了」は「完全に終わること」、「終了」は「終わること」、ということで「完了」の方だけ「完全に」という言葉が加わります。
「終了」は、「終わること」という広い意味があり、大きな「終了」の中に「完了」が含まれるのです。
ですから、「完了」は「終了」でもある、ということもできます。
そして「終了」の中で、「完全に終わった」時に「完了」ということができるのですね。
「完了」の場合は、再び始まることはありませんし、やり直しすることも基本的にはありません。
つまり、一時的な中断など再び始まる可能性がある場合は「完了」ではなく「終了」ということになります。
たとえば、昼食の時間がきたために作業を一時的に中断する時は「終了」を使うのですね。
また、やるべきことをやり切っていない場合も「完了」は使いません。
たとえば、1時間という時間制限がある組み立て作業をしていたとします。
組み立て作業が完成していませんが、1時間のタイムリミットがきたために作業員は作業を「終了」します。
これは組み立て作業が完成していませんので、「完全に終わった」とはいえません。
つまり、「完了」ではなく「終了」です。
2.「完了」と「終了」の具体的な使い方は?
「完了」と「終了」の使い分けをご紹介します。
・付近で火災が発生したため、作業が完了している完成品だけを持って避難した。
・いくら時間があっても、この作業は絶対に完了することはない。
・いくら時間があっても、完成することは不可能なので作業を終了する。
・一時的に部品不足というトラブルもあったが、部品補充も間に合い仕事は完了した。
・部品不足であり、部品到着は明日以降となることから今日の仕事は終了した。
・夏休みの宿題は全て完了。
・夏休みの宿題は全て終了。
(完了と同じ意味)
このように「完了」はやるべきことを全てやった状態のことです。
「終了」は、やるべきことをやり切っていないのに終わる場合と、やるべきことを全てやり切って終わる場合があります。
「夏休みの宿題」の例文は、「完了」も「終了」もどちらも同じ意味で使っています。
3.「完結」や「終結」の意味は?違いは?
「完了」や「終了」と似ている言葉で、「完結」や「終結」があります。
まぎらわしいので、「完結」と「終結」も辞書で調べてみます。
・続いていた作業や続き物の作品などが、完全に終わること。完了。
【終結】
・続いていた物事が終わりになること。
(以下省略)
「完結」「終結」ともに、「続いていたもの」という言葉があることが「完了」「終了」と違うところです。
ですが、「完結」の意味の中に「完了」がありますので、「完全に終わること」という意味も含んでいるということです。
「完結」と「終結」は、まぎらわしいのですが違いがあります。
「完結」は「続いていた作業などが完全に終わり、一つのまとまった物ができる」といった意味があります。
ですから、完結は続き物の漫画や小説などに使い、一つの物語ができます。
「終結」は「続いていた物事が決着し、終わる」といった意味です。
たとえば、「国同士の外交が決着し、戦争が終結した」といった、「決着して終わる物事」に使います。
「終結」は、「完結」のように「一つのまとまった物ができる」といったことはありません。
「完了」と「終了」もまぎらわしのですが、「現在」と「時点」の使い分けもまぎらわしです。
「○月○日現在」「○時○分時点」といった使い方をしますが、どっちを使うべきか悩むことはありませんか?
詳細については、下の関連記事をどうぞ。
まとめ
以上が、「完了」と「終了」の意味の違いや使い分けなどについてでした。
「完了」は作業や仕事など、やるべきことを全てやり完全に終わることです。
「終了」は物事が終わることで、完全に終わる場合もあれば、時間切れなどで一時的に終わる場合もあります。
日本語は、他にもまぎらわしい言葉がたくさんあります。
たとえば「工場をかどうさせる」の「かどう」は、漢字で「稼働」?「稼動」?どっちだと思いますか?
詳しくは、下の記事を覗いてみてください。