「風邪をひく」…。
なぜ、「ひく」のだろう…。
「患う(わずらう)」や「罹る(かかる)」ではなく、「ひく」?
しかも、そもそも「風邪」をなぜ「かぜ」と読むのか…。
あと、「鼻をかむ」はなぜ「かむ」なの??
といった具合に日本語は難しいです…。
この難しい日本語を徹底的に調べてみましたよ!!
ということで、本記事では「風邪をひく」の語源や「ひく」の意味と漢字について徹底的に調査した結果をお伝えしていきます。
また、「鼻をかむ」の「かむ」の漢字や語源などについてもご紹介しますよ!!
1.「風邪をひく」の「ひく」の漢字や語源とは!
まずは、結論から。
「風邪をひく」の「ひく」は、漢字にすると「引く」。
「引く」が正解。
これは、「風邪を引き寄せる」「風邪を引き込む」といった意味が元になっているのです。
では、なぜ「風」と「邪」に「引く」なのか?細かく説明していきますね。
①「風」という字が使われる理由!
「風邪」の語源は「風」です。
外で吹く「風」のことですね。
そもそも、昔からこの「風」は人の肉体に対して何らかの影響を及ぼしていると考えられていました。
この考え方は、古代中国が影響しているといわれています。
確かに、風呂上りに風に当たるとそれこそ「風邪」をひいてしまいます。
ちなみに、「通風」「破傷風」「風疹」など「風」という字を使った病名は多いのですね。
これらも、原因には「風」が影響していた、といった考えが根本にあったものと考えられます。
②「風」と「邪」に「引く」の理由!
それでは「風邪」にもどりますね。
鎌倉時代になり、「風」に「邪」を付けて「ふうじゃ」というように呼ばれるようになります。
「邪」とは「邪気」のこと。
「風」と「邪気」を体に引き寄せるということです。
体に引き寄せるから「引く」なのですね。
ちなみに、「邪気」が無いことを「無邪気(むじゃき)」といいます。
「無邪気」とは、「素直で悪気がないこと」といった意味ですね。
そして、「風邪」が「ふうじゃ」から「かぜ」と呼ばれるようになったのが明治時代になってから。
それから、現在でも「風邪(かぜ)」と呼ばれているのです。
2.「鼻をかむ」の「かむ」の漢字や語源とは!
風邪をひくと鼻水がでますので、鼻をかみます。
ということで、ついでに「鼻をかむ」の漢字や語源などについても調べてみましたよ!
①「鼻をかむ」の「かむ」の漢字とは!
まずは、「かむ」という漢字を紹介しますね。
手へんに「鼻」に似た字です。
ちなみに、鼻に似た部分は「鼻」の旧字。
この「かむ」という字は常用漢字表にもありませんし、パソコンで変換しても出てきません…。
ですから、公文書では使えませんよ!
それから、「かむ」はもう一つあります。
手へんに「夷」で、「かむ」と読みます。
この字もパソコンで変換しても出ませんし、辞書にも載っていません。
パソコンのIMEパッドでも出ませんので、現在は使われていない漢字ですね。
ちなみに、手へんがない「夷」は「えびす」と読みます。
「夷」にさんずいを付けると「はな」と読み、意味はなんと「鼻水」のことですよ。
②「鼻をかむ」の語源とは!
「鼻をかむ」の語源に関して2つの説があります。
その1つが、英語の「come(カム)」という説。
もう1つが、「上(かみ)」という説です。
「come」の説は、江戸時代のペリー提督の来日が関係しています。
風邪を引いていたペリー提督が、付き人にティッシュペーパーを要求した時の言葉「coming coming(カミング カミング)」が広がったというもの。
一方の「上(かみ)」の説は、鼻の上から紙をかぶせる、というところからきているというのです。
鼻の上からの「上」で「かみ」ですね。
詳細については、下の記事で解説していますので、もしよかったらご覧ください。
参考にしていただければ幸いです。
まとめ
以上が、「風邪をひく」の語源や「ひく」の意味と漢字についてでした。
「風邪をひく」の「ひく」は、「引く」です。
「風」と「邪気」、つまり「ふうじゃ」を体に引き寄せるということですね。
ちなみに、風邪はウイルスが原因で発症しますが、その種類が様々で特効薬がありません。
症状を緩和する薬はあるのですが、治す薬がないのですね…。
風邪の特効薬を開発すれば、ノーベル賞ではないかといわれています。
「ざっくばらん」を調査した記事は下です!