「受賞」と「受章」、同じ読み方ですが、意味の違いや使い分けはあるのでしょうか。
さらに「受賞」と「授賞」のように「受」の「てへん」の有無による違いも気になりますよね。
「しょう」が「賞」と「章」、「じゅ」が「受」と「授」で同じ読み方なのに漢字が違う…。
なんか不思議です…。
ということで、今回は「受賞」と「受章」や「受賞」と「授賞」の違いなどについて調べてみました。
1.「受賞」と「受章」の意味の違いは?
「受賞」と「受章」では、受け取るものが違います。
【受賞】
賞を受ける
【受章】
章を受ける
「賞」とは一等賞や金賞などです。
ノーベル賞も「賞」ですね。
芥川賞や直木賞、アカデミー賞も「賞」です。
一方、「章」とは「しるし・象徴」の意味で、勲章や褒章、文化勲章のことです。
また、顕彰や表彰の「彰」は「明らかにする」ことで、表彰式とは名誉や功績、勝利を明らかにする・お披露目する式・場のことです。
「彰」は受け取ったり与えられるものではないので、「受彰」という言い方はしません。
ですから、「受彰」という言葉は辞書にも載っていません。
2.「受賞」と「授賞」、「受章」と「授章」はそれぞれ意味の違いは?
では「受賞」と「授賞」、「受章」と「授章」の違いは、「受ける・受け取る」か「授ける・与える」かの違いです。
つまり、賞を与える方から見れば「授賞」、賞を受け取る方から見れば「受賞」ということになります。
式典に例えていえば、主催者が優秀者に授賞し、優秀者は受賞することになります。
「授賞」・「授章」が与える側、「受賞」・「受章」がもらう側です。
そして文字が似ていてややこしいのですが「章」については、前項で説明したとおり、勲章や褒章などが対象となります。
勲章や褒章(紫綬褒章など)では、天皇陛下が授章する場合があります。
授章することを「親授」ということもあります。
「親授」とは「貴人、特に天皇陛下が親ら(みずから)授けること」です。
褒章の全てが親授されるわけではありません。
「叙勲」や「褒章」についてはコチラの関連記事をご覧ください。
「授賞式」と「受賞式」の意味の違いは上記の解説どおり、式典の主催が与える側ともらう側の違いです。
式典は通常、賞を与える側・賞を授ける側が開催しますので、一般的には、「受賞式」ではなく「授賞式」となるケースがほとんどです。
当然ですが、賞をもらう側・受けとる側が式典を開催するケースは少ないと思われますので、「受賞式」ということはほとんどありません。
勲章や褒章の場合は式典の呼び方を、授章式ではなく、勲章伝達式、褒章伝達式といいます。
また、オリンピックのメダルを授与する式は表彰式です。
なんだか、こうしていろいろと並べてみると、結構ややこしいことに気付きました…。
昔懐かしい、オリンピックの「表彰式」の動画を載せておきます。
【高橋尚子 シドニー五輪表彰式 女子マラソン】
Qちゃん、懐かしいですね(´艸`*)
「表彰」や「受賞」に関する記事はコチラです!
まとめ
以上が、「受賞」と「受章」の違いなどについてでした。
「受賞」と「受章」の違いは、受けるものの違いです。
「賞」を受けるときには「受賞」、勲章や褒章を受けるときには「受章」です。
オリンピックでは「表彰式」、これは主役は金メダルではなくて選手!
選手の功績や健闘をたたえる式だからなのかなと思います。
受賞や受章が行われる式は受賞式ということはまずなく、「授賞式」ということがほとんどです。
これはやっぱり、賞をもらう側が式典を開催するケースは非常にレアだということですね。