「伸ばす」だっけ、「延ばす」だっけ?と悩むこと、ありますよね。
「伸ばす」と「延ばす」、違いや使い分けはあるのだろうか。
ということで、今回は「伸ばす」と「延ばす」の違いや、変換キーを押すと出てくるのに辞書には出てこない「展ばす」の意味などについて調べてみました。
1.「伸ばす」と「延ばす」の意味の違いと使い分けは?
「伸ばす」と「延ばす」は広辞苑で同じ項目に載っていました。
意味は、
①物の長さ・距離・時間を長くする。また、広げて面積を大きくする。
②曲がっているもの、縮んでいるものをまっすぐにする。
③時間を長びかせる。日時をおくらせる。延期する。
④財産や勢力・能力などを大きくする。ふやす。
⑤遠くへ逃がす。
⑥(半練り状のものを)溶かしたり、やわらかくして広がるようにする。
⑦のびのびとさせる。晴らす。
⑧なぐりたおす。のす。
さらに、「伸ばす」と「延ばす」の使い分けについては、
◇「延」は、付加などで横方向に続けたり広げたりする意で、また③の意で使う。
とありました。
イメージとしては、ゴムの両端を持ってびよーんと引っ張るのは「伸ばす」、ゴムとゴムを結びつけたりくっつけたりして長くするのは「延ばす」です。
また、「延ばす」は期間や日程で使用することが多いです。
「伸ばす」と「延ばす」の使い分けや例文がこちら。
・髪を伸ばす
・救いの手を差し伸べる
・記録を伸ばす
・捜査の手が伸びる
・羽を伸ばす
・生き延びる/落ち延びる/逃げ延びる
・会期が延びる
・繰り延べ
・寿命が延びる
・線路を延ばす
・延べ日数
ちなみに、「伸ばす」の対義語は「縮(縮む、縮ませる)」です。
「伸び縮み」というように、一緒に使うこともありますね。
ここで気になるのが「延ばす」の対義語なのですが、実はこちらも「縮(縮む、縮ませる)」ということで、「伸ばす」と「延ばす」の対義語は全く同じということになります。
2.「驥足を展ばす」の意味は?「展ばす」は変換するとでるのに辞書にないのはなぜ?意味は?
「驥足を展ばす(きそくをのばす)」は広辞苑では「驥足を展ぶ」で載っていました。
意味は「すぐれた人がその才能を十分に振う」です。
この言葉の「展ばす/展ぶ」ですが、これはパソコンなどの変換では出てきますが、広辞苑などの辞書には載っていません。
ただし、「展」の字を単独で調べますと、音読みで「てん」・訓読みで「のべる」と出てきます。
「展」の字を「展ばす/展ぶ」と使用するのは「驥足を展ばす」のときだけだからかとも考えられますが、なぜ「展ばす/展ぶ」が辞書にないのかの真相はわかりませんでした。
ただ、「展」の字には「進展」「発展」のように「のびる、ひろげる」など、「伸ばす」や「延ばす」と似た意味があります。
まとめ
以上が、「伸ばす」と「延ばす」、違いや使い分けなどについてでした。
線路や道路のように新しいものをくっつけてのばすとき(期間も新しい日をくっつけてのばす)と面積をひろげるときには「延ばす」を使います。
だから、「伸ばす」の方が使う範囲は広いような気がしますね。
物体をびよーんとのばすときにも「伸ばす」ですし、記録などの数値をのばすときにも「伸ばす」です。
「展ばす」は決まったときにしか使いません。
日本語は、漢字は違うのに同じ読み方の言葉がたくさんあります。
たとえば「いきいきと仕事をする」の「いきいき」は、漢字で「生き生き」?「活き活き」?どっち?
詳しくは、下の記事を覗いてみてください。