「いんげん」といえば、似たような野菜がたくさんあります。
「さや」があって中に豆が入っている野菜ですね。
よく見ると、大きさや形が違うのですが似ています。
ところで「三度豆」ってご存知ですか?
これも「いんげん」と似ている野菜です。
「三度豆」と「いんげん」って、もしかして同じなの?
ということで、今回は「三度豆」と「いんげん」の違いなどについて調べてみました。
1.「三度豆(さんどまめ)」と「いんげん」の違いは?
①「三度豆」と「いんげん」の違いは?
まず「いんげん」について確認しておきましょう。
「いんげん」とは、マメ科でつるがのびる植物で、一年草です。
「いんげん」は、豆がなりますので「いんげん豆」とも呼びますし、漢字では「隠元豆」とかきます。
そして、一方の「三度豆」とは何か?
実は「三度豆」と「いんげん」は同じものを指しています。
②「三度豆」と「いんげん」の名前の由来は?
では、それぞれの名前の由来を説明します。
「三度豆」の名前の由来は、1年間で三度の収穫ができることから。
わかりやすいですね。
収穫までの期間がとても短く、1年で3回も収穫できるのです。
一方の「いんげん」は、明の僧侶だった隠元禅師(いんげんぜんじ)が来日した際に日本に持って来たのが由来とされています。
それで漢字では「隠元豆」なのですね。
持ち込んだ時期は1650年代、つまり江戸時代です。
③「三度豆」と「いんげん」、どっちが元祖?
では、「三度豆」と「いんげん」、どっちが正式名称なのか調べてみました。
さまざまな、辞書を調べてみたのですが「三度豆」の項目をみると、「インゲンマメの別称」と表現しているものが多いようです。
また、辞書によっては「三度豆」の項目自体ないものもありました。
また、検索キーワードの比較もしてみましたが、圧倒的に「いんげん」が多く、「三度豆」はごくわずかでした。
では、どちらが元祖なのかといえば、辞書の表現や、日本国民の認知度から判断すると「いんげん」が有力であると思われます。
ということは、隠元禅師が持ち込んだのが最初であり、その当時はもしかしたら「三度豆」という呼び名はなかったのかもしれません。
④「三度豆」と「いんげん」、どの地域の呼び名?
それでは、どういった地域で「三度豆」と「いんげん」が使い分けされているのでしょう?
調べてみましたら、「三度豆」という呼び名は関西地区限定のようです。
そして「いんげん」は、その他の地域ということになります。
これは、検索件数でも「いんげん」が圧倒的に多いという理由のひとつかもしれません。
・「三度豆」と「いんげん」は同じもの。
・「いんげん」は最初に隠元禅師という僧侶が日本に伝えた。
・「三度豆」は年三度の収穫ができるという理由からついた別称。
・「三度豆」は関西地区の呼び名。
・日本では「いんげん」と認識している人が圧倒的に多い。
ちなみに、「いんげん」は「さやいんげん」ということもあります。
「いんげん」と「さやいんげん」は同じものを指していますが、一般的には「さや」ごと食べられる若い「いんげん」のことを「さやいんげん」と呼びます。
「豆」について説明してきましたが、「ナッツ」と「豆」の違いをご存知ですか?
下の関連記事では「ナッツ」と「豆」の違いについて解説していますよ!!
2.「ささげ」と「いんげん」の違いは?「ささぎ」は?
ところで、「いんげん」というとよく似た野菜で「ささげ」があります。
名前は違うのですが、もしかしたら同じものを指しているのか?と思ってしまうほど。
ですがこの「いんげん」と「ささげ」、同じマメ科の植物なのです全くの別物です。
「いんげん」は、元々は南アメリカ原産、収穫時期は7~11月です。
「ささげ」は、アフリカ原産の豆、収穫時期は6~8月です。
では、写真で確認してみましょう。
見た目が似ているうえに、収穫時期もかぶっているから、紛らわしいのですね。
ただ、よくよく見比べると、「ささげ」の方が「いんげん」よりも細長いです。
ちょっと余談ですが、「ささげ」は「ささぎ」と呼ぶ人もいます。
元々は「ささげ」だったのですが、言葉が変化したと考えられます。
「ささぎ」も、かなり古くから浸透している言葉ですので間違いではありません。
それから「ささげ」を漢字で「大角豆」とかきます。
「大角豆」は「ささげ」とも読みますし「だいかくまめ」とも読みます。
まとめ
以上が、「三度豆」と「いんげん」と「ささげ」の違いなどについてでした。
「三度豆」と「いんげん」は同じ物です。
「三度豆」は関西地区の呼び名。
それから「いんげん」と「ささげ」は、見た目はよく似ていますが、全く別物です。
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