契約書をつくる時など、「ひながた」を参考にします。
ところで、「ひながた」をパソコンで変換すると「雛型」と「雛形」が出てきます。
なぜ、2種類の言葉が出てくるの??
「雛型」と「雛形」、どっちを使うべき?
意味は違うのか??
ということで、今回は「雛型」と「雛形」の意味や使い分けなどについて解説します。
1.「雛型」と「雛形」の使い分けのポイント!
最初に、「雛型」と「雛形」の意味や使い分けのポイントについてお伝えします。
「雛型」と「雛形」は、どちらも「見本」「手本」という同じ意味です。
また、どちらも「模型」という意味もあります。
「型」とは「形」をつくるためのものです。
ですから、「見本」「手本」の場合は「雛型」がふさわしいということ。
また、「模型」の場合はその物本体のことなので「雛形」がふさわしいということになります。
それでは、「雛型」と「雛形」の意味などについて詳しく説明していきます。
2.「雛型」と「雛形」の意味とは!
最初は、「雛型」と「雛形」の意味のから。
さまざまな書籍を確認しましたが、「雛型」と「雛形」は同じ意味として掲載されていました。
①実物を小さくかたどったもの。模型。
②物の様式。見本。書式。手本。「契約書の―を作る」
では、意味を詳しく説明しますね。
まずは意味①です。
この「雛型・雛形」は、実物をかたどった模型のことです。
プラモデルや人形、食品サンプルや銅像などが当てはまります。
工業製品の模型などのことですね。
続いて意味②です。
この「雛型・雛形」は、文書など物の様式の見本のことです。
たとえば、契約書などはたくさんの条件を盛り込まなくてはいけない複雑なものです。
契約書を、契約の都度内容を考えて作成するのはかなり時間を要してしまいます。
そこで、契約の内容ごとにあらかじめ契約書の見本をつくっておけば、契約書の作成時間を大幅に短縮できるわけです。
その契約書の見本が「雛型・雛形」ということです。
この「雛型・雛形」は、契約書以外でもたくさん利用されています。
申込書や申請書など、様々な分野で使われています。
3.「型」と「形」の違いから考える「雛型」と「雛形」の違いは?
こんどは、「型」と「形」の意味を説明します。
①「型」の意味とは!
①規範になる形。手本。伝統的な形式。「柔道の―」
②決まりきった形式。ひながた。
③同形のものをつくり出すもととなる、金属や土・紙でつくられたもの。鋳型・型紙など。
④特徴をよく示している形態。典型。タイプ。
4種類の意味がありますが順に説明しますね。
意味①の「型」は、伝統的な形のことで手本となるものをさしています。
たとえば、「浄瑠璃の型を勉強する」といった使い方をします。
意味②の「型」は、決まりきっているもののことです。
「毎年の新年の行事は型どおりだ」といった使い方をします。
意味③の「型」は、何かをつくる時の鋳型や型紙などのことです。
たとえば、「樹脂を型に流し込んで、かたまったら人形が完成する」といった使い方ですね
意味④の「型」は、特徴を示している典型やタイプなどのこと。
「考え方が古い型の人間」といった使い方をします。
ということで、「型」の意味をまとめます。
「型」とは、何かをつくる、また何かを行う時の「見本」「手本」「鋳型」「型紙」といった意味です。
つまり、本体ではなくその元になるものということですね。
②「形」の意味とは!
①そのもののかたち。
②跡形。跡。「足の―が付く」
③抵当。担保。「土地を―に金を借りる」
こちらの「形」は主に3種類の意味があります。
まずは意味①の「形」、これはものの「かたち」のこと。
「携帯電話は時代が進むにつれて形が変化している」という使い方をします。
目に見える物体の「かたち」のことですね。
意味②の「形」は、あるものが別の場所に残した跡のことです。
「キツイ下着のせいで、腹にゴムの形がついた」といった使い方をします。
この「形」も、跡として実際に目に見えるものです。
意味の③は、担保のことです。
この意味は、目に見える「かたち」とは違った意味合いになります。
「時計を形に、お金を借りる」といった使い方をします。
ということで、簡単に「形」の意味をまとめます。
「形」とは、物の本体の「かたち」のこと、またその物本体が残した跡の「かたち」ことです。
物の本体、または本体が残した跡、つまり目に見える「かたち」ということですね。
③「型」と「形」の違い!
とういことで、「型」と「形」の違いを整理します。
「型」とは、「形」をつくり出すための「見本」「手本」「鋳型」などのこと。
「形」とは、物の「かたち」のこと、またその物が残した跡の「かたち」のことで、実際に目に見えるものです。
そして「形」をつくり出すために、「型」が使われることがあります。
たとえば、「『型』に小麦粉などを流してつくるタコ焼きの『形』は丸いのが一般的」といった使い方ですね。
つまり、タコ焼き器が「型」、タコ焼きそのものが「形」です。
④「雛型」と「雛形」の使い分けは??
「型」と「形」の違いがはっきりしましたので、「雛型」と「雛形」の意味について考えていきます。
基本的に「雛型」と「雛形」の意味は同じです。
ですが、「型」と「形」の意味には違いがあります。
見本が「型」で、本体が「形」です。
だとすると、「雛型・雛形」の意味①の「実物を小さくかたどったもの。模型」は、模したものではありますが、物の本体です。
つまりこれは、「雛形」の方がふさわしいということになります。
ただし、模型は模型であっても、物をつくるための見本とするための模型なのであれば「雛型」の方がふさわしいということになります。
しかし、実際に模型という意味で「雛型」や「雛形」という言葉は滅多に使われません。
また、「雛型・雛形」の意味②の「物の様式。見本。書式。手本」については、そのとおりものをつくる時の見本です。
ですから、「雛型」がふさわしいということになります。
ところで、「雛型」と同じような意味で「様式」とか「書式」という言葉がありますよね。
会社では、よく使う言葉です。
では「様式」と「書式」の違いってなんだろう…?
ということで、下の記事で紹介しています!
もしよろしければ、覗いてみてください。
まとめ
以上が、「雛型」と「雛形」の意味の違いや使い分けなどについてでした。
「雛型」と「雛形」はどちらも同じ意味です。
ですから、どちらを使っても間違いではありません。
ですが、「型」と「形」には違いがあります。
「型」とは、「形」をつくるためのものです。
つまり見本が「型」で、本体が「形」。
ですから、見本の場合は「雛型」、物の本体の場合は「雛形」といった使い方をするのがふさわしいということになります。
日本語は、漢字は違うのに同じ読み方の言葉がたくさんあります。
「乗せる」と「載せる」もその1つですが、「打球を風にのせる」や「売り上げを1億円の大台にのせる」はどっちの「のせる」だと思いますか?
もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。