普段、何気なく使い分けしている「乗せる」と「載せる」。
時々、どっちが適しているのか?と悩むことがあります。
「子供を車にのせる」の場合は多分「乗せる」が正しいと思うのですが…。
では、「子供」ではなく「荷物をのせる」だとどっちになるのか…?
あと、難しいのが「口車にのせる」「大台にのせる」「リズムにのせる」「電波にのせる」。
この場合も、どっちなのか…迷うところです…。
でも、大丈夫ですよ!
徹底的に使い方を紐解いてみました!
ということで、本記事では「乗せる」と「載せる」の意味の違いや使い分けについて徹底的に調査した結果をお伝えしていきます。
使い分け方法も含め、詳細に解説していますのでご期待ください!
1.「乗せる」と「載せる」の違い!
最初に、「乗せる」と「載せる」の違いを端的にお伝えします。
「載せる」は、人以外の物をのせる場合が基本。
ということで、「人」の場合は「乗せる」、人以外の「物」の場合は「載せる」、というように使い分けるのが基本です。
ただし、「乗せる」の方は例外的に「人以外」の場合も使われます。
では、細かくみていきましょう。
①「乗せる」は「人」が基本で例外も有り!
⼈が乗り物にのる時は「乗せる」を使います。
たとえば、「⾞に乗せる」「船に乗せる」「⾶⾏機に乗せる」「⾺に乗せる」など、乗り物に対して⼈が乗る場合ということ。
また、乗り物ではないのですが、人が乗るものがあります。
それは、「調子に乗せる」「口車に乗せる」「リズムに乗せる」。
これも「人」であり、「乗せる」を使うのですが、乗り物ではないことがポイントですね。
それから、問題が「人以外」という例外があること。
ここがまぎらわしい部分なのですね。
例外は、「電波」「⾵」「波」「⼤台」。
「電波」「⾵」「波」「⼤台」にのせる場合は、「乗せる」を使うのです。
たとえば、「放送を電波に乗せる」「売り上げ目標を大台に乗せる」「紙ヒコーキを風に乗せる」といった使い方をします。
「乗せる」は「人」、例外で「電波」「⾵」「波」「⼤台」も、と覚えておきましょう。
②「載せる」は人以外の「物」が基本!
人以外の「物」の場合は「載せる」を使います。
ただし、前の項で説明した「電波」「⾵」「波」「⼤台」にのせる場合を除外します。
たとえば、何かの上に積む「物」の場合は「載せる」を使うということ。
「ポットをテーブルに載せる」「家財道具を車に載せる」といった使い方ですね。
それから、何かの上に積む物以外もあります。
「写真」や「記事」を、新聞や雑誌などの紙面に掲載する場合は「載せる」を使うのです。
「載せる」を使うシーンは「○載」という字を当てはめるとわかりやすくなりますよ。
たとえば、「掲載」「記載」「積載」「搭載」など。
・記事を雑誌に掲載する→記事を雑誌に載せる
・荷物を搭載する→荷物を載せる
・荷物を積載する→荷物を載せる
③「乗せる」と「載せる」の違いを整理!
では、ここで「乗せる」と「載せる」の違いを整理しますね。
ポイントは、下の5項目。
ポイント①⼈がのるときは「乗せる」
「車の助手席に乗せる」「メリーゴーランドに乗せる」など、乗り物に対して⼈がのる場合に「乗せる」を使います。
ポイント②⼈を調⼦にのせるときは「乗せる」
乗り物に乗せる意味が転じて、だましたりして⾃分の思うような状態にする意味として「調⼦に乗せる」「⼝⾞に乗せる」といった使い⽅をします。
調子を合わせるといった「リズムに乗せる」も「乗せる」
ポイント③電波・⾵・波・⼤台にのるときは「乗せる」
「勢いが波に乗る」や「花粉が⾵に乗る」といった⼈以外でも「乗せる」を使います。
また、数値が⼤台にのるときも、⼈ではありませんが「乗せる」を使います。
ポイント④物をのせるときは「載せる」
ある物の上に物を積むという意味で「机の上に本を載せる」「トラックに荷物を載せる」といった⼈以外の物をのせる場合に「載せる」を使います。
ポイント⑤記事や写真などを新聞や雑誌にのせるときは「載せる」
「新聞に記事を載せる」「雑誌に広告を載せる」など、紙⾯に掲載する場合に「載せる」を使います。
「掲載」や「記載」といった言葉を紹介しましたが、「掲載」や「記載」の詳しい意味については下の関連記事をご覧ください。
2.「乗せる」と「載せる」の辞書での意味!
次に、「乗せる」と「載せる」が辞書ではどういった解説がされているのかみていきましょう。
①「乗せる」の辞書での意味!
【乗せる】
①乗り物の中に入れる。「駅まで自動車に―」↔降ろす
②だましたり、おだてたりして、自分の思うような状態にする。「おだてに―」
③調子を合わせる。「リズムに―」
④(電波などの)伝達手段を通して流す。「電波に―・せて流す」
⑤仲間に入れる「一口―」引用元:旺文社国語辞典
意味①~④までは、今まで説明してきた内容と同じですね。
人が乗り物にのる場合は「乗せる」で、人をだます場合やリズムにのせるのも「乗せる」です。
そして、「電波」などにのせる時は人以外でも「乗せる」が正解。
意味⑤は「自分も一口乗せてください」といった使い方をしますが、「仲間に入れる」といった意味ですね。
この場合も「人」ですので「乗せる」です。
②「載せる」の辞書での意味!
【載せる】
①ある物の上に他の物を置く。「網棚にかばんを―」「荷を貨車に―」
②記事として出す。掲載する。「新聞に小説を―」引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容ですね。
物の場合や、紙面に掲載する場合は「載せる」です。
3.「乗せる」と「載せる」の使い分けを例文で紹介!
今度は、「乗せる」と「載せる」の実際の使い分けを例文で紹介しますね。
・⾞に息子と甥っ子を乗せる。
乗り物に⼈をのせるときには「乗せる」。
・⾞にキャンプ用品を載せる。
⼈以外の物は「載せる」。
・お皿に料理を載せる。
⼈以外の物は「載せる」。
・記事を新聞に載せる。
記事を紙⾯に掲載する場合は「載せる」。
・収録した放送を電波に乗せる。
電波に情報をのせる場合は⼈以外でも「乗せる」を使います。
・打球を風に乗せる。
風にのせる場合は人以外でも「乗せる」。
・甘い話に乗せる。
だましたりして⾃分の思うような状態にする時は「乗せる」。
・策略に乗せる。
だましたりして⾃分の思うような状態にする時は「乗せる」。
・営業成績を⼤台に乗せる。
数値の場合は⼈以外でも「乗せる」を使います。
「乗せる」と「載せる」など、同じ読み方でありながら使い分けなくてはいけない言葉はまぎらわしいですよね…。
特に「迎える」と「向かえる」は気を付けないと、意味が違うので大変なことになってしまいますよ!
もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「乗せる」と「載せる」の意味の違いや使い分けについてでした。
使い分けのポイントは、下の5つです。
ポイント①⼈がのるときは「乗せる」
ポイント②⼈を口車や調⼦にのせるときは「乗せる」
ポイント③電波・⾵・波・⼤台にのるときは「乗せる」
ポイント④物をのせるときは「載せる」
ポイント⑤記事や写真などを新聞や雑誌にのせるときは「載せる」
「掲載」「記載」「積載」「搭載」が当てはまる物は「載せる」と覚えておきましょう。
ただし、お皿に料理を載せることを「搭載」「積載」とはいいませんので、微妙なものもあります…。
それから動物の場合は、その動物が「荷物」か「家族の一員」かで違ってきます。
日本語は、漢字は違うのに同じ読み方の言葉がたくさんあります。
たとえば「いきいきと仕事をする」の「いきいき」は、漢字で「生き生き」?「活き活き」?どっち?
詳しくは、下の記事を覗いてみてください。