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「侵食」と「浸食」の違いを解説!意味や使い分け使い方は?

      2018/08/29

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「侵食」と「浸食」、どっちだろうと悩みます…。
日本語って、同じ意味の言葉でありながら漢字表記が違う字ってありますよね。
もしかしたら、「侵食」と「浸食」もそうなの?
いや、きっと微妙な違いがあるはず!
ということで、今回は「侵食」と「浸食」の意味の違いや使い分けなどについて調べてみました。
 

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1.「侵食」と「浸食」の意味の違いや使い分けは?

①広辞苑による「侵食」と「浸食」の違い!

最初に「侵食」の方を広辞苑で調べてみます。

【侵食】
①漸次におかし、そこなうこと。
②浸食に同じ

 
「漸次(ぜんじ)に」って表現が一般的ではないのですが、要するに「しだいに」「だんだん」「徐々に」といった意味です。

ですから、意味は「しだいにおかされてしまい、損なってしまう」といった意味ですね。

そして②の意味、「浸食に同じ」とあります。

これは、大きな「侵食」のくくりの中に「浸食」があるということ。

同じ意味でもあるということですね。

次に、「浸食」も広辞苑で調べてみます。

【浸食】
〔地〕流水・氷河・波浪・風などが地表面を掘り削る作用。

 
不思議と「侵食」とは意味の表現が全く違っています。

こちらは、「おかす」といった意味合いではなく「掘り削る」です。

しかも、削り取られるのは「地表面」に限定。

とういうことで、広辞苑による「侵食」と「浸食」の意味の違いは、「徐々におかされて、損なってしまう」のが「侵食」、その中で「水や風などの力で、地表面を掘り削る」のが「浸食」です。

グランドキャニオン

②専門書による「地表面」の「侵食」と「浸食」の違い!

最初に断っておきますが、これは「地表面」に限定した場合の「侵食」と「浸食」の使い分けに関する判断です。

そして、その判断は地形学者や地質学者がしています。

まず、二宮書店の1981年発行「地形学事典」では、全て「侵食」に統一されています。

そして文部省主導でまとめられ、1984年に発行された「文部省学術用語集 地学編」も全て「侵食」に統一されています。

それから平凡社が1996年に発行した「地学事典」、こちらは逆に全て「浸食」に統一しています。

こういった専門書は、地形学者や地質学者が加わりまとめられています。

つまり、学者の間であってもバラバラということですね。

日本の教科書を発行している二宮書店では、上の「地形学事典」にならい、教科書に「侵食」の方を使っています。

結論は「地表面」の「しんしょく」については、専門家の意見がバラバラということです。

河川

③「侵」と「浸」、漢字の意味の違い!

まず「侵」と「浸」の漢字の意味を分析します。

【侵】

読み方
しん・おかす

意味
進む。次第に入り込む。他の領分に入る。他の主権を害する。かすめとる。

使い方
侵食・侵略・侵入・侵出・侵害・侵攻・侵犯

 

【浸】

読み方
しん・ひたる・ひたす

意味
①ひたる。水にひたる。つかる。水につかる。
②しみる。水がしみこむ。
③しだいに。じわじわと。

使い方
浸食・浸水・浸出・浸入・浸潤

 
「侵食」は「にんべん」で、「浸食」は「さんずい」です。

「にんべん」は「人」の意味で、「さんずい」は「水」の意味です。

つまり、人間がおかす場合は「侵食」、水の力でおかすのは「浸食」。

確かに「領土を侵略する」の「侵略」は「にんべん」の方です。

ですから、漢字の持つ意味で判断するならば、「侵食」の方は人間が関係する「生活空間が侵食される」といった使い方となります。

そして、「浸食」は水が関係する「川の流れに浸食される」といった使い方になります

では、人でもなく水でもない、風の力で削られるのは?

風の場合は判断が難しいところですが、人間が関わっていないということで、やはり「浸食」ですね。

広辞苑も、風の場合は「浸食」としています。

ここは、広辞苑の判断に従いましょう。

ということで、漢字の持つ意味で分析した場合は、広辞苑の意味とほぼ同じになります。

ただし、広辞苑の「浸食」は地表面を掘り削ることに限定しています。

月面

「侵食」と「浸食」の違いをまとめると、人間が関わりおかす場合は「侵食」、人間が関わらず地表面を掘り削る場合は「浸食」です。

そして、「侵食」の意味の中に「浸食」が含まれますので、「地表面を堀り削る」場合も「侵食」を使用しても間違いではありません。

また「地表面を掘り削る」場合の専門家の判断は、「侵食」とすべきといった意見と、「浸食」とすべきといった意見があります。
 

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2.「侵食」と「浸食」の具体的な使い方は?

それでは、「侵食」と「浸食」の使い分けを具体例で説明します。

【侵食】

・海外の天ぷらは、日本のものとは違ったものが増え、日本の伝統料理が侵食されつつある。

・この文学作品は素晴らしいと思っていたが、評価が低い周囲の価値観に自分の考えが侵食されてきている。

・隣家の木が大きく育ち、我が家の庭を侵食してしまった。

・あの人は自分の考えを他人に無理やり押し付け納得させてしまうが、自分もいつかは侵食されるかもしれない。

・雑草が茂り、公園は完全に植物に侵食された。

 
人が関わったり、地表面を掘り削らない場合は「侵食」です。

樹木
 

【浸食】

・巨大な岩は、海の波により長い年月かけて浸食されている。

・川の流れに浸食されたことで、堤防決壊の危険が増した。

・外の通路が、長年の風雨に浸食されて危険な状態。

・山の西側が先日のゲリラ豪雨で浸食されてしまった。

 
人が関係しない、地表面を掘り削る場合は「浸食」です。
 

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まとめ

以上が、「侵食」と「浸食」の意味の違いや使い分けなどについてでした。

「侵食」とは他の領域などを徐々におかすことです。

「侵食」のうち、川などの水の力によって地表面を掘り削る場合は「浸食」です。

「侵食」の意味の中に「浸食」の意味が含まれますので、全て「侵食」を使っても間違いではありません。

使い分ける際は、人間が関係する場合は「侵食」です。

また、地表面を掘り削らない場合も「侵食」です。

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