「関連グッツが販売される」
「関連グッズが販売される」
なんとなく、「グッツ」と「グッズ」、両方目にしますよね。
これって、どっちかが間違いなのでしょうか?
これは、ハッキリと決着をつけた方が良さそうです!
ということで、今回は「グッツ」と「グッズ」で正しいのはどちらなのか、徹底的に調査してみました。
1.「グッツ」と「グッズ」正しいのはどっち?
最初に、「グッツ」と「グッズ」でどちらが正しいのかをお伝えします。
正しいのは「グッズ」の方。
厳密には「グッツ」は間違いということになります。
「グッズ」を英語で表記すると「goods」です。
「goods」の「D」と「S」で「ズ」の方が近いです。
「D」と「S」ではどうしても「ツ」にはなりません。
発音が「ツ」になるには「T」と「S」でなくてはいけませんよね。
では、試しに実際の発音を下の動画で確認してみましょう。
…ん???「グッズ」にも聞こえるし、「グッツ」とも聞こえる…???
こういったことが、外国語の発音と日本語の発音のまぎらわしい部分なのかもしれません…。
ちなみに、英語圏の人は日本語の「つ」の発音をかなり苦手にしています。
ですから「つよし」「つとむ」といった名前をキチンと呼べません。
というのは、日本語の「つ」という発音が英語の中には存在しないということなのです。
世界的な格闘家の「高坂剛」さんは、長いアメリカ生活の間に「つよし」が言いにくいといった理由でニックネーム「TK(ティーケー)」と呼ばれるようになりました。
そして、現在は日本国内でも「世界のTK(ティーケー)」と呼ばれています。
そいったことからも、「グッツ」の「ツ」はあり得ないということになりますね。
動画では、「ツ」にも似ていますが、実は正確な「ツ」ではないということです。
「ツ」に近い「ズ」ということ。
ということで、正解は「グッズ」ということになります。
2.なぜ「グッズ」の他に「グッツ」という言葉が生まれたのか?
では、正しい方は「グッズ」であるにもかかわらず「グッツ」が広がった理由について分析していきます。
「別(べつ)」と「紙(し)」が合わさると「別紙」ですが、読み方は「べつし」ではなく「べっし」になります。
このように、「べつ」の「つ」が別の言葉と合わさることで小さい「っ」に変化することがあります。
ですが「別」と「次元(じげん)」が合わさると「べつじげん」となります。
この「別次元」の場合は「つ」はそのままで、小さい「っ」になりませんよね。
これは、「じげん」の「じ」が濁音であることが関係しています。
「別紙」の「紙(し)」は清音で小さい「っ」、「別次元」の「次(じ)」は濁音で「つ」ということ。
他にもあります。
「脱退」は「だったい」ですが、「脱獄」は「だつごく」です。
また、「学校」は「がっこう」で、「学童」は「がくどう」ですよね。
例外もありますが、小さい「っ」の後ろは清音が多いという傾向があるのです。
これは、日本人の発音の好みといいますか、文化といいますか、まあそういったものなのですね。
小さい「っ」の後ろが濁音だと言いにくいということなのかもしれません。
そういった理由から、「グッズ」が「グッツ」に変化していったのではないかと考えられます。
似ている例はたくさんあります。
たとえば、胸などに付ける「バッジ」がありますよね。
「バッジ」は英語で「badge」、つまり「ジ」なのですが、かなりの確率で「バッチ」という言い方も耳にします。
また、「ドラッグ(drag)」を「ドラック」という人もいます。
他にもありますよ。
「ブリッジ(bridge)」→「ブリッチ」
「バッグ(bag)」→「バック」
「ビッグ(big)」→「ビック」
結構ありますね。
ですから、外国から来た言葉で小さい「っ」の後ろの言葉は要注意ということです。
実は、正しくは濁音なのかもしれないということですね。
3.「グッツ」と「グッズ」辞書の意味は?
今度は、「グッツ」と「グッズ」が辞書などではどういった扱いになっているか調べていきたいと思います。
まずは、「グッズ」から。
・商品。品物。「記念―」「オフィシャル―」
一方の、「グッツ」はどうなっているか??
残念ながら、「グッツ」は辞書にもインターネット上の辞書にも存在していません…。
ですから、「グッツ」という言葉は厳密にはないということになります。
そして、「グッズ」の意味は「商品」とか「品物」といった意味になります。
「多くの関連グッズを取り揃えています」
といった使い方をします。
また、「goods」には「s」が付いているとおり複数形です。
ですから、複数の商品などに対して使う言葉です。
では、1つの商品の場合は「s」が抜けて「good」なのか?
「good」は間違いであり、必ず「goods」、つまり複数形しかありません。
たとえば、商品が1つしかなかったとしても「goods」を使うことで、「その類の~」「そういった物たち」という意味として使う言葉なのですね。
まとめ
以上が、「グッツ」と「グッズ」についてでした。
正しくは「グッズ」です。
ですから「グッツ」は厳密には間違いということになります。
ただし、動画で実際の発音を確認していただいたとおり、「グッツ」と聞こえなくはないですよね。
ですから、「グッツ」を完全な間違いであるというのも少し乱暴なのではないかと思います。
「お前さ、それ『グッツ』じゃなく『グッズ』っていうの。そんなことも知らないの?」
といった言い方は、やめた方がよいと思います。
正しくは「グッズ」なのですが、「グッツ」と言っている人や「グッツ」と表記している人がいたとしても、その人のプライドに配慮しながらやわらかく対処しましょう。
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