「ホチキス」と「ホッチキス」…。
自分は普段「ホチキス」と呼んでいます。
でも「ホッチキス」と呼ぶ人もいますよね…。
「ホチキス」と「ホッチキス」では、どちらかが間違いということなのでしょうか??
…ん~、これはハッキリと決着つけた方がいいですね!
ということで、今回は「ホチキス」と「ホッチキス」の正式な名前はどちらなのか解説していきます。
1.「ホチキス」と「ホッチキス」の正式な名前は?
最初に、「ホチキス」と「ホッチキス」の正式名称についてお伝えします。
実は、「ホチキス」も「ホッチキス」も正式名称ではありません。
正式名称は、英語で「stapler(ステープラー)」、日本のJIS規格では「ステープラ」となっています。
ですが、「ホチキス」も「ホッチキス」もどちらの名称も世の中に定着しており、完全に市民権を得ています。
つまり、「ホチキス」も「ホッチキス」も間違いではないのです。
今や、どちらも正式名称といってもよいのかもしれませんね。
たとえば「一挙手一投足」の意味が本来の意味と、後からできた意味があります。
現在では、後からできた意味の方が世の中に定着しており辞書にも両方の意味が載っています。
もしよかったら、上の記事で解説していますのでご覧ください。
要するに、言葉の意味などは時代が進むにつれて変化する場合もありますので、物の名称なども独自の進化をしても不思議ではないということですね。
では、これから「ステープラ」の名称が「ホチキス」や「ホッチキス」となった理由などについて、さらに詳しく解説していきますね。
2.「ホチキス」と「ホッチキス」の名前の由来とは?
ここからは、「ホチキス」と「ホッチキス」の呼び方を、「ホッチキス」に統一させていただきます。
「ホッチキス」を日本で最初に販売したのは、事務用品の販売を手掛ける株式会社イトーキです。
発売したのは明治36年、1903年ですので現在から100年以上も昔のことです。
アメリカのE.H.ホッチキス(E.H.Hotchkiss)社から輸入したものです。
輸入された製品の本体には、「Hotchkiss No.1」といった刻印がありました。
ホッチキス社製だったので、「Hotchkiss No.1」といった会社のロゴマークのような意味合いだったと思われます。
この「Hotchkiss No.1」がきっかけで、「ホッチキス」といった呼び名が定着したのです。
ちなみに、散髪で使う「バリカン」も正式名称は英語で「ヘアクリッパー」、フランス語で「トンズーズ」です。
しかし、製造元であるフランスのバリカン・エ・マール製作所の刻印があったことから、「バリカン」とう名称が定着したのです。
また、海にある「テトラポッド」は不動テトラ社製の製品名です。
海の波をやわらげるためのブロックの正式な名称は「消波ブロック」であり、全てが「テトラポッド」とは限りません。
ですが、「テトラポッド」や「テトラポット」といった言葉が定着してしまっていますよね。
これは、一つの製品の名称が、消波ブロック全体の名称として定着してしまったパターンです。
3.「ホッチキス」の中に入れる金具は「芯」?「針」?「玉」?
ホッチキスの中に入れる金具の正式名称は「ステープラ用つづり針」です。
JIS規格で、ホッチキスは「ステープラ」なので、中の金具が「ステープラ用つづり針」ということ。
緑色の箱でお馴染みのマックス株式会社では、「針(はり)」が製品名となっています。
ですから、ホッチキス用の金具全般を「針(はり)」と呼ぶのが最も一般的といえます。
「芯(しん)」は、「針(はり)」を「しん」と呼び定着したという説と、「シャーペンの芯」からという説があります。
由来は謎なのですが「芯」と呼ぶ方々も一定数いるようです。
「玉(たま)」は、銃の弾倉、つまり弾丸を入れる部分と、ホッチキスの金具を入れる部分が似ているという理由から「弾(たま)」といった呼び方が生まれたという説があります。
自分は「たま」という呼び方は知らなかったのですが、よくよく見ると弾倉に似ていますね。
よく思いついたものです。
まとめ
以上が、「ホチキス/ホッチキス」の正式名称についてでした。
ホッチキスの正式名称は「ステープラ」です。
しかし、現在は「ホチキス」も「ホッチキス」世の中に広く定着しています。
その証拠に、辞書にもキチンと「ホチキス」も「ホッチキス」も両方とも載っています。
完全に市民権を得たということですね。
ですから、「ホチキス」も「ホッチキス」も正解です。
一方が間違いということではありません。
ちなみに、コピー機で自動的にホッチキス止めしてくれる機能があります。
実際にホッチキス止めの機能を使用する時は「ステープラ」や「ステープル」といったボタンを押します。
ボタンがなぜ「ホッチキス」ではないのか、ようやく謎が解けましたね。
こちらも、まぎらわしいカタカナに関する記事です。
もしよかったら、覗いてみてください。
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