「最骨頂」という言葉をネットで見かけたことはある?ない?
私はこれまでなんとなく目にしたことはあったのですが、よーく調べてみるとあちこちにありますね(^^;)
でも「最骨頂」は多分誤り…?
あれとあれを混同したり、ごちゃまぜになって「最骨頂」という言葉が生まれたのかな?
ということで、今回は「最骨頂」の意味や「真骨頂」「愚の骨頂」の意味や由来・例文などについて調べてみまいた。
1.「最骨頂」とは?
「最骨頂」は誤りというか造語というか、おそらく勘違いから生まれ、そのまま浸透した言葉です。
浸透といっても、一般的にはまだ使われていないと思うので、今のところはネット上だけかな。
でも、これから日常生活で使われるようになるかもしれませんね。
「最骨頂」は「真骨頂」と「最高潮」を組み合わせてできた言葉です。
「真骨頂」と「最高潮」の意味などについては次項で詳しく解説します。
「最高潮」と音が似ていますよね。
そのため「真骨頂?最高潮?いや、最骨頂??」という感じで、使われ始めたのだと思います。
なので、「最骨頂」は現在の日本語としては「真骨頂」か「最高潮」のどちらかのことです。
2.「最高潮」「真骨頂」と「愚の骨頂」の意味や由来は?
「最高潮」はクライマックス・一番の盛り上がりのことです。
英語でいうとクライマックス(climax)やピーク(peak)です。
「真骨頂」と「愚の骨頂」では、まずは「骨頂」の意味からおさえておくとよいです。
「骨頂(こっちょう)」は元々、意地を張るという意味の「骨張る(ほねばる)」からきています。
「骨張る(ほねばる)」→「骨張(ほねばり)」これを音読みすると「骨張(こっちょう)」その読みに当て字をしたのが「骨頂(こっちょう)」です。
「愚の骨頂」は現在では「この上なく愚か」という意味で使われています。
でもこの言葉、元々は「愚かな意地を張ること(無駄・無意味な意地を張ること)」の意味でした。
「愚かな意地張り」が「非常に愚か」という意味になり、そのとき頂上(これ以上、上はない)や頂点という意味で「骨頂」の当て字が使われるようになり、意地を張ることという意味に「この上ないこと。最上」という意味が付け加わったというわけです。
「真骨頂」は「この上ないこと」の意味の「骨頂」を「真」で強めた言葉。
「真にこの上ないこと」という意味で、そこから「本来の姿。それの真価である姿。」という意味になりました。
こういったことから「最骨頂」とうい言葉の意味を想像すると、「現在がクライマックスで最高に盛り上がっている時、そして実はこれが本来の価値、すなわち真の姿である」とでもいったらよいのでしょうか。
3. 「最高潮」「真骨頂」と「愚の骨頂」の例文・類義語・英語を紹介!
それぞれの例文がこちら。
・観客の興奮は、彼のゴールで最高潮に達した。
・この作品は彼の真骨頂だ。
・真骨頂を発揮する。
・同じ失敗を繰り返すなんて愚の骨頂だ。
・そんな意味を持たない仕事のために汗水たらすなんて君、愚の骨頂だよ。
・男なんかのために友情をないがしろにするなんて愚の骨頂よ。
「最高潮」の類義語は、「真っ盛り」「山場」などです。
「真骨頂」の類義語は、本来の姿という意味で「本領発揮」「真価」「底力」などがあります。
「愚の骨頂」の類義語は「馬鹿の極み」「愚か者の極み」など。
「真骨頂」や「愚の骨頂」よりもこちらの類義語たちの方がなじみがあるのが悲しいですね(^^;)
また、真骨頂と愚の骨頂を英語にすると以下のとおりです。
【真骨頂】
「showing one's true worth」
(その人の本当の真価を示す)
【愚の骨頂】
「arrant nonsense」
(この上ないナンセンス)
「the height of folly, sheer stupidity」
(この上なく愚か)
arrantは「この上ない」という意味の形容詞で、「arrant nonsense」は「この上ないナンセンス」という意味になります。
ちなみに、「ナンセンス」は無意味・馬鹿げているという意味です。
最高潮の英語は、前項でも説明しましたが「climax(クライマックス)」や「peak(ピーク)」です。
まとめ
以上が、「最骨頂」の意味や「真骨頂」「愚の骨頂」の由来や例文などについてでした。
「最骨頂」は誤り・造語ですが、これから普及する可能性もありますよね。
十年後には辞書に載っていたりして(´艸`*)
「真骨頂」や「愚の骨頂」の「骨頂」は意地を張るという意味の「骨張る」が語源です。
造語についての解説でしたが、実は「サウスポー」も造語であることをご存知でしたか?
「サウスポー」という言葉の由来などについては、下の関連記事をご覧ください。