「贈呈」と「授与」。
これ、どちらも「あげる」「与える」といった意味だったと思いますが…。
似ていますよね。
たしか、「花束贈呈」と言うと思うのですが、「花束授与」とは言わないような…。
これは、「贈呈」と「授与」には違いがあるということか??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「贈呈」と「授与」には違いがありました!
本記事では、「贈呈」と「授与」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「贈呈」と「授与」の意味の違い!
最初に、「贈呈」と「授与」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「授与」とは、人に物を授け与えること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「贈呈」の意味とは!
「贈呈」は、人に物を差し上げること。
「授与」が「授け与える」に対し、「贈呈」は「差し上げる」。
つまり、「差し上げる」がポイントです。
「差し上げる」とは、「与える」の謙譲語。
要するに、物の受け手を敬っているのです。
ですが、贈る側が目下で、受ける側が目上といったことではありません。
上下関係は全くなく、ただ相手を敬っているということです。
そういった意味がある「贈呈」は、相手を敬う場面で幅広く使われます。
具体的には、「感謝状の贈呈」や「寄付金の贈呈」といったもの。
その他にも、花束や記念品なども「贈呈」が使われます。
②「授与」の意味とは!
「授与」は、人に物を授け与えること。
「贈呈」は「差し上げる」に対し、「授与」が「授け与える」。
「授ける」とは、基本的に目上の人が目下の人へ与えるという意味です。
つまり、「授与」は上下関係があり、しかも必ず上から下に対するもの。
よく映画などで、師匠が弟子に対して「秘伝の技を授ける」といったシーン、ありますよね。
「授与」は、必ず「上から目線」ということです。
具体的には、「勲章の授与」「卒業証書授与式」といった使い方。
あとは、「表彰状授与式」といった使い方もしますね。
ちなみに、「感謝状」の場合は相手に感謝の気持ちを伝えるもの。
ですから、当然ですが相手を敬いますので「贈呈」です。
「表彰状」の場合は、褒めたたえることですので目上から目下へということ。
つまり、「表彰状」は「授与」です。
余談ですが、「褒める」は必ず上から下、「誉める」は上下関係がありません。
③「贈呈」と「授与」の違いを整理!
それでは、ここで一度「贈呈」と「授与」の違いを整理します。
人に物を差し上げるのが「贈呈」。
人に物を授け与えるのが「授与」。
相手を敬うのが「贈呈」で、目上から目下へ与えるのが「授与」です。
2.「贈呈」と「授与」の辞書での意味!
続いて、辞書による「贈呈」と「授与」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「贈呈」の辞書での意味!
【贈呈】
・人に物を差し上げること。進呈。「記念品を―する」
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容です。
②「授与」の辞書での意味!
【授与】
・授け与えること。「賞状を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「贈呈」と「授与」の使い方!
次に、「贈呈」と「授与」の使い方を例文で紹介します。
①「贈呈」の使い方!
・大学より感謝状が贈呈された。
・第30回きみひろ賞の贈呈式がきみひろ記念館で行われました。
・映画会社の幹部の方に寄付金をお渡しする贈呈式を行いました。
・空港で花束贈呈のセレモニーを受ける。
②「授与」の使い方!
・選手にメダルと共に授与する花束「ビクトリーブーケ」を公開した。
・ラグビーワールドカップ表彰式でトロフィー授与する。
・大統領は14日、公邸に招いて勲章を授与した。
・卒業証書・学位記授与式を挙行しました。
4.「贈呈」や「授与」には似た意味の言葉がたくさんある!
「贈呈」や「授与」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「贈呈」と「授与」の意味の違いと使い分けについてでした。
「贈呈」は、人に物を差し上げること。
相手を敬って渡すことです。
「授与」は、人に物を授け与えること。
目上の人が目下の人へ渡すことです。