世の中似た言葉が多すぎる!
読み方が同じでも漢字表記であれば、なんとなく意味の違いは分かるけど、カタカナだともうお手上げです(+_+)
たとえば、「モラル」と「モラール」の違い……そもそもこの二つは違う言葉なの?
マシンとミシンみたいなものなんじゃないの?
ということで、今回は「モラル」と「モラール」の意味や違いなどについて調べてみました。
1.「モラル」と「モラール」の意味の違いとは?
「モラル」と「モラール」、この二つは違う言葉です。
「モラル」は英語では「moral」、道徳や倫理のことです。
つまり、人として守り行うべき道ということですね。
「モラル」はルールや規則などのようにキッチリと決められたものではありません。
たとえルールや規則の範囲内であっても、他人に不快な思いをさせるようでは「モラルに反した行為」となってしまいます。
また、その土地の文化によって道徳や倫理が異なる場合がありますので、世界共通というものではないので気を付けなくてはいけません。
例)
・モラルの欠如
・モラルの低下
「モラール」は「morale」、こちらは、士気や志気、意気込みのことです。
つまり、ある目標を達成しようとする意欲・態度のことですね。
例)
・モラール(勤労意欲)が高い職場
・全従業員のモラール(勤労意欲)の向上
「モラル」と「モラール」、全然違う言葉なんですね(^^;)
2.「モラール」と「モチベーション」の違いとは?
士気や意気込みというと、日本では「モチベーション(motivation)」と言うことが多いですよね。
モチベーションが高い、とか、モチベーションが上がる、とか。
「モチベーション」を辞書で引いてみると、「(行動などに対する/…する)動機づけ、刺激(ジーニアス英和辞典)」とのこと。
「モラール」と意味はよく似ていますが、両者の違いは、「モラール」は団体や組織全体の士気を指し、「モチベーション」は主に個人の士気ややる気のことを意味します。
また、「モラール」はやる気が出た状態であり、「モチベーション」はやる気を出す動機ができたときのこと、これからやる気を出すぞというのが「モチベーション」です。
「モチベーション」はやる気スイッチのことですね。
しかも、「モチベーション」には動機が必要です。
「いい点をとってお小遣いをアップしてもらう」とか「いい仕事をして昇給だ」という動機があるときに出すやる気が「モチベーション」です。
3.「モラルハザード」や「モラルハラスメント」の意味は?
「モラルハザード」とは、倫理や道徳が欠如していること・倫理や道徳が欠如した状態のことです。
さらにモラルハザードは元々保険用語で、ただ単に倫理・道徳の欠如といった意味のほかに、「保険をかけた安心感による不注意や故意で事故を起こす危険」という意味もあります。
事故を起こしても保険が下りるから大丈夫♪といって運転中に油断したり注意散漫になるのがモラルハザードです。
そしてさらにもう一つ、「金融機関や預金者、企業などが利益追求だけに走り、責任感や倫理が薄れた状態」のことも「モラルハザード」といいます。
たとえば、大口の預金者が経営破綻しそうな銀行に高額の利子目的で預金したり、逆に金融機関が未回収となるリスクが大きい経営状態が不安定な企業に高金利で融資したりすることですね。
「モラルハラスメント」とは、暴力ではなく言葉や態度によるハラスメント(いやがらせ)のことです。
「モラハラ」と言われますよね。
家庭内だけでなく、恋人間や職場、学校内でも起こるハラスメントです。
暴力をともなわないので被害者に身体的なダメージは少ないですが、言葉の暴力やネグレクトなどで被害者は精神的なダメージを受けます。
うつ状態や不眠症、自尊心の低下などの症状があらわれる人もいます。
また、モラルハラスメントでは暴力(性暴力)をともなわない分、加害者も被害者も「ハラスメントだ」という意識を持ちにくいため深刻化することが多いです。
【モラルハラスメント】
まとめ
以上が、「モラル」と「モラール」の意味や違いなどについてでした。
「モラル」は道徳のこと、「モラール」は意欲ややる気のこと、全く違う意味の言葉です。
社長や上司の機嫌が悪いときには、「(部下の)モラルが足りない」と言って怒っているのか「モラールが足りない」と言って怒っているのか、聞き間違えると上司の機嫌がさらに悪くなるかも……滑舌が悪い上司だと部下も大変です(._.)
ところで、「モラル」と「モラール」もそうですが特にカタカナってまぎらわしいですよね…。
たとえば「スチール」と「アイアン」、「鉄」はどっちだと思いますか?
詳細については、下の記事を覗いてみてください。