「要件」と「条件」、どちらも同じような意味ですよね。
応募したり受験するときに、満たさなきゃいけない事柄のことです。
では、この二つの意味の違いは何なのでしょう。
ということで、今回は「要件」と「条件」の違いなどについて調べてみました。
1.「要件」と「条件」の意味の違いは?
「要件」と「条件」をそれぞれ広辞苑で引いてみました。
①大切な用件。
②必要な条件。
①くだり。箇条。
②ある事柄の成立または生起のもととなることがらのうち、それの直接の原因ではないが、それを制約するもの。
③法律行為の効力の発生・消滅を、将来の不確定な事実の成否にかからせる付款。
「条件」の方がちょっとわかりづらいですが、①は「くだり(件)」で文章の一定の部分を表しています。
箇条書きの「箇条」の意味もありますので、文章の一つ一つの条項のことです。
そして②は「条件が整う」「必要条件」などの「条件」の意味です。
③は「停止条件」や「解除条件」の「条件」です。つまり、あらかじめ決めておいた条件が実際に起きたとき、法律行為の効力が停止したり解除されたりします。
「要件」と「条件」を比べてみると、「要件」の②に「必要な条件」とある通り、条件のうち絶対にこれだけは外せないというのが「要件」です。
求人票でいえば、応募条件のうち、年齢など絶対に満たさなければいけないのが「要件」、「経験者歓迎、経験不問」というのが「条件」です。
多くの「条件」の中にいくつかの「要件」があり、「要件」の方がより厳しい扱いということですね。
また、ビジネスの場ではよく見かける「要件定義書」というのは、製作依頼をしたり製品を購入するときに、必ず満たしてほしい条件(つまり要件)を記した書類のことです。
2.「要件」と「用件」の違いは?
「用件」とは「用向きの事柄。用事。(広辞苑より)」、つまり「用事」ですね。
前項の通り、「要件」には大切な用件という意味もあります。
なので、「用件」のうち特に大切な用件が「要件」です。
たとえば、「どのようなご用件でしょうか」「ご用件を承ります」は用事の「用件」です。
メールのタイトルで「○○の用件/要件について」と書くことがありますが、このときは両方の「用件/要件」を使うこともあります。
3.「条件」と「制約」の違いは?
「制約」とは、「①条件を課して自由に活動させないこと。②物事の成立に必要な規定または条件。(広辞苑より)」のことです。
条件とほとんど似た意味のような気がしますね(^^;)
似てはいますが、「条件」とくらべて「制約」の方が「自由に活動させない」とあるように「おさえつける」といった意味が強いです。
「公募」と「募集」の違いについては、以下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「要件」と「条件」の違いなどについてでした。
「条件」のうち絶対に満たさなければいけない条件が「要件」です。
必要条件を省略して「要件」と覚えておくとよいですね。
「要件」と「用件」の違いも似ています。
「用件」のうち特に必要で大切なものが「要件」です。
「条件」と「制約」の違いでは、「条件」とくらべて「制約」の方が「おさえつける」といった意味が強くなります。