大学では、よく「講義」の方を耳にします。
大学で「授業」ってあまり使いませんよね。
高校までは、「講義」ではなく「授業」を多く使います。
大学での「授業」と「講義」、この二つには違いがあるのでしょうか。
ということで今回は、大学の「授業」と「講義」の違いなどについて調べてみました。
1.大学の「授業」と「講義」の意味の違いと使い分けは?
まずは、辞書で「授業」と「講義」を調べてみます。
・学校などで、学問や技術などを教え授けること。
【講義】
①書物や学説の意味・内容を説き教えること。
②大学の授業。
「講義」の中に「大学の授業」とありますので、大学に関しては「授業」と「講義」は同じ意味とも言えます。
ですが、「講義」とは学説などを説き教えることなので、大学以外でも行われます。
ですから全ての「講義」が、必ず「授業」とイコールになるとは限らないということです。
では、次は「授業」について深堀してみます。
大学における「授業」の区分は以下のとおりです。
・講義
・演習
・実験
・実習
・実技
これは、あくまでも大学の授業の区分であり、高校・中学・小学校では区分はなくそれぞれを組み合せて行われます。
そして、「授業」の区分の中に「講義」があるわけですね。
つまり、大学で行われる「授業」の中の一つの方法が「講義」ということ。
2.高校までの「授業」と、大学の「講義」の違い!
大学においての「講義」とは、「授業」の中の一つの方法ということでした。
では、高校までの「授業」と、大学の「講義」の違いはどうなのでしょうか。
高校までの学校教育では教科や科目ごとに教科書があり、教師はその教科書に沿って授業を行います。
教科書は文科省の検定を受けたものが使用されるので、どの教師が教えるにしても、生徒は教科書の内容を学ぶことができます。
そして、学生たちが理解するまでわかりやすく丁寧に説明してくれます。
一方の大学の場合は、教授は講義で学術的な話をし、学生はそれを自主的に理解します。
これは、全員が理解するまで丁寧に説明するものではありません。
また、学生の解釈の仕方によっては反論になることもあります。
つまり、高校までの「授業」と、大学の「講義」の違いをまとめると、教科書の内容を全員が理解するまで丁寧に教えるのが高校までの「授業」、教授の話を学生が自主的に理解するのが大学の「講義」です。
3.漢字の意味から読み解く「授業」の「講義」の違い!
辞書では、「授業」の意味は「教え授けること」で、「講義」の意味が「教えること」となっています。
この辞書の意味において決定的な違いが一つ。
それは「授ける」が入っているか、いないかです。
ちなみに「授ける」の意味は以下のとおり。
①目上の者が目下の者に大切なものを与える。取らせる。
②師が弟子に教え伝える。伝授する。
③ものを与える。わたす。
つまり、基本的に上の人が下の人に与えるということ。
上から目線ということ…?
ただし③の意味で、単純に「わたす」という意味もありますので全てが上から下へというわけではありません。
「教える」の意味は、上下関係がありませんのでそこが大きな違いですね。
ですから、「授業」の漢字の意味は「業(学問・わざ)」を「(上の者が下の者に与える)授ける」といった意味になります。
「講義」は「義(意味・わけ・言葉の内容)」を「講ずる(書物や学説の意味を説く)」という意味があります。
ということで、漢字の意味で「授業」と「講義」を分析すると、「授業」に関しては「上の者から下の者へ」といった意味がありますが、「講義」に関しては上下関係がありません。
4.「授業」と「講義」、英語では!
「授業」を英語にすると、「teaching(ティーチング)」や「lesson(レッスン)」「class(クラス)」です。
一方の、「講義」を英語にすると「lecture(レクチャー)」です。
ちなみに、「lecture(レクチャー)」には「小言を言う」や「説教をする」といった意味もあります。
これは、学生が講義中に居眠りをしたときに、叱ったことが由来となっています。
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まとめ
以上が、大学の「授業」と「講義」の違いなどについてでした。
ということで、大学における「講義」とは、「授業」の一つのスタイルで、学生が教授の学説を聞くことです。
そして学生は、その講義の内容を自主的に理解します。
高校までの授業では、先生は全員が理解するまで丁寧に教えてくれますが、大学の講義はそこまで丁寧ではありません。
大学で学生が学問を身につけるためには、自分自身の心構えと努力が重要になってきます。