「密着」と「接着」。
似ています…。
「木と木を密着」
「木と木を接着」
というように、どちらも違和感がありません。
では、「密着」と「接着」の意味に違いは…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、決定的な違いがありました!
本記事では、「密着」と「接着」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「密着」と「接着」の意味の違い!
まずは、「密着」と「接着」の意味の違いを端的にお伝えします。
「接着」とは、物と物とがくっつくことで、くっついた物は簡単に離れません。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「密着」の意味とは!
「密着」は、物と物とが隙間なくピッタリとくっつくこと。
そして、くっついた物はすぐに離れることもあれば、離れない場合もあります。
たとえば、木と木に木工用ボンドをつけて、隙間なくピッタリとくっつければ「密着」。
この場合は木工用ボンドがついていますので、木と木は離れることはありません。
また、同じことを、木工用ボンドを使わずに隙間なくピッタリとくっつければこれも「密着」。
この場合は、木と木はすぐに離れます。
それから、隙間なくピッタリとくっつかなくては「密着」とはいいません。
ですから、くっつく部分が基本的にお互いに平面である必要があります。
また、平面でない場合は、お互いのくっつく部分の形状が合致しなくてはいけません。
それから、「密着」の比喩的な使い方で、人や物などがピタリと接近するという意味もあります。
たとえば、「芸能人への密着取材」や「生活に密着した商品」といった使い方をする「密着」ですね。
これは、隙間なくピッタリとくっつくことではなく、そういった意味の比喩的表現です。
②「接着」の意味とは!
「接着」は、物と物とがくっつくこと。
そして、くっついた物どうしは簡単に離れません。
さらに、隙間なくピッタリといった条件もありません。
「接着」の、「密着」との最大の違いは「簡単に離れない」という部分。
たとえば、木と木に木工用ボンドをつけて、隙間なくピッタリとくっつければ「密着」です。
そして、ボンドの効力で離れませんので「接着」でもあるということ。
ですから、この場合は「密着」であり「接着」でもあるのです。
それから、デコボコの木とデコボコの木を木工用ボンドでくっつけたとしますね。
この場合は、木と木は離れませんので「接着」です。
ただし、デコボコの木どうしがくっついて隙間だらけなので、「密着」ではありません。
③「密着」と「接着」の違いを整理!
それでは、ここで一度「密着」と「接着」の違いを整理します。
物と物とが隙間なくピッタリとくっつくのが「密着」。
くっついた物が、離れるか離れないかは関係ありません。
物と物とがくっついて離れないのが「接着」。
「接着」のためには通常は接着剤などが必要になります。
2.「密着」と「接着」の辞書での意味!
続いて、辞書による「密着」と「接着」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「密着」の辞書での意味!
【密着】
①すきまなくぴったりとくっつくこと。「―取材」「二つの面を―させる」
②「密着印画」の略。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりの内容です。
そして、意味②は説明しませんでしたが、写真のコンタクトプリントのこと。
②「接着」の辞書での意味!
【接着】
・物と物とをくっつけること。また、物と物とがくっつくこと。
引用元:旺文社国語辞典
「離れない」といった記載はありませんが、すぐ離れる場合は「接着」とはいいません。
3.「密着」と「接着」の使い方!
次に、「密着」と「接着」の使い方を例文で紹介します。
①「密着」の使い方!
・車のダッシュボードやガラスにも密着可能なスマホフォルダー。
・ジェルと爪の密着度を上げるためのサンディングは重要な工程。
・地域に密着したニュースの報道。
・警察密着特番が放送される。
②「接着」の使い方!
・女性宅の玄関ドアの鍵穴に接着剤を入れて壊し逮捕される。
・ねじゆるみ止め用接着剤を購入。
・コンクリートに優れた接着力を示します。
・接着剤に引火したことが原因で火災になる。
4.「密着」や「接着」には似た意味の言葉がたくさんある!
「密着」や「接着」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「密着」と「接着」の意味の違いと使い分けについてでした。
「密着」は物と物とが隙間なくピッタリとくっつくことで、「接着」とは物と物とが離れないようにくっつくこと。
「密着」は離れるか離れないかは関係ないのですが、「接着」は簡単に離れません。
そして、隙間だらけでも離れなければ「接着」ですが、隙間だらけだと「密着」ではありません。