「共鳴」と「共感」。
すごく似ている言葉です。
誰かが意見を言った時に、「そうだ!そのとおりだ!」といった気持ちになることだと思うのですが…。
では、「共鳴」と「共感」では具体的に何がどう違うのか??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
微妙なのですが、違いがあります。
本記事では、「共鳴」と「共感」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「共鳴」と「共感」の意味の違い!
まずは、「共鳴」と「共感」の意味の違いを端的にお伝えします。
「共感」とは、他人の考えや感情などに対して、自分も全く同じように感じること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「共鳴」の意味とは!
「共鳴」は、他人の意見や思想に対して、自分も全く同じ意志を持つこと。
「同じ感情」や「同じ考え」のウェートが大きいのが「共感」ですが、「共鳴」は「同じ意見」や「同じ思想」といったもののウェートが大きくなります。
さらに、同じものを「感じる」のが「共感」ですが、「共鳴」は感じるだけではなく「同じ意志を持つ」という部分も違いのポイント。
たとえば、ある人が「社会を良くするためには、若者は選挙の投票に行くべきだ!」といった意見を述べたとしましょう。
そこで、あなたが「なるほど、その通り」と思うのが「感じる」こと。
ですが、「なるほど、その通り」と感じた後の先があるのが「共鳴」。
感じた後に、「次の選挙では必ず投票する」「絶対に若者は投票するべき」といった「意志」を持つまで行くのが「共鳴」です。
もともと「共鳴」とは、音の振動が伝わって別の物が振動して音を出すという意味。
ですから、音の振動を感じ取るだけではなく、振動して音を発しなくてはいけないのが「共鳴」です。
自ら振動して音を発すること、これが「感じた」後に「意志を持つ」ということですね。
②「共感」の意味とは!
「共感」は、他人の考えや感情に対して、自分も全く同じように感じること。
「考え」「感情」と、「感じる」といった部分がポイントです。
「感じる」ことなので、意志を持つまで行かなくても「共感」は成立するということ。
前の項目の例文のとおり、ある人が「社会を良くするためには、若者は選挙の投票に行くべきだ!」といった意見を述べたとしましょう。
その意見に対し、「なるほど、その通り」と「感じる」のが「共感」です。
その先にどういった意志を持つかどうかは関係ありません。
「感じた」時点で「共感」です。
あと、「感情」の例文もご紹介しますね。
たとえば、「辛い過去を包み隠さず告白した」といった場合。
その辛い感情に対して、「そんな酷いことが!」と同じように「感じる」ことが「共感」です。
③「共鳴」と「共感」の違いを整理!
それでは、ここで一度「共鳴」と「共感」の意味の違いを整理します。
他人の意見や思想などに対して、自分も同じ意志を持つのが「共鳴」。
他人の考えや感情などに対して、自分も同じように感じるのが「共感」。
「意見」「思想」のウェートが大きいのが「共鳴」、「考え」「感情」のウェートが大きいのが「共感」です。
また、意志を持つ「共鳴」と、感じる「共感」の違いですね。
2.「共鳴」と「共感」の辞書での意味!
続いて、辞書による「共鳴」と「共感」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「共鳴」の辞書での意味!
【共鳴】
①発音体が外部からのきた音波によって刺激され、同じ振動数で音を出す現象。
②他人の意見や思想に同感すること。「彼の意見に―する」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2種類あり、内容も説明どおりですね。
ただし、「意志を持つ」といった表現ではありません…。
②「共感」の辞書での意味!
【共感】
・他人の考えや感情に対して、自分もまったく同じように感じること。同感。「―を呼ぶ」「―を覚える」「彼の考え方に―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
3.「共鳴」と「共感」の使い方!
最後に、「共鳴」と「共感」の使い方を例文で紹介します。
①「共鳴」の使い方!
・彼女の持っていた危機的思想に共鳴した。
・敵対するふたりは共鳴し惹かれ合う。
・私の考え方に非常に共鳴している方です。
・香港デモに貧困層が共鳴。
②「共感」の使い方!
・「体育の授業が苦痛」といった共感の声が相次ぐ。
・小説「天気の子」が全年代に共感の嵐。
・「我が家も同じです」などと、世の奥さま方が共感する声も。
・等身大の子育て論が共感を呼ぶ。
まとめ
以上が、「共鳴」と「共感」の意味の違いと使い分けについてでした。
「共鳴」は、他人の意見や思想などに対して、自分も同じ意志を持つこと。
何かの活動や行動の原動力となるのが「共鳴」です。
「共感」は、他人の考えや感情などに対して、自分も同じように感じること。
日常的に広く使われるのが「共感」です。
「共鳴」と「共感」の意味の違いを説明しましたが、「共感」と似た意味の言葉で「受容」があります。
「受容」と「共感」も、同じようで実は微妙に違いますよ!
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