「用具」と「道具」。
似ていてまぎらわしです…。
何が「用具」で何が「道具」なのか…。
たとえば、野球で使う「グローブ」や「バット」など。
これは、「野球用具」というべきか、いや「野球道具」と呼ぶべきか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、似ていてようで、「用具」と「道具」の意味には微妙な違いがありました!
本記事では、「用具」と「道具」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「用具」と「道具」の意味の違い!
最初に、「用具」と「道具」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「道具」とは、物を作ったり、何かをするために用いる器具などのこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「用具」の意味とは!
「用具」は、ある事をするために使う器具などのこと。
これは、「道具」の説明とほとんど同じなのですが、微妙に違いますよ。
それは、「ある事をするために」という部分。
「何かをする」ではなく「ある事をする」ですので、その「事」が限定的となるのです。
「用具」の「用」は、「塗装用」「トイレ用」「ランニング用」といった使い方をしますよね。
これは、たとえば「塗装用」となると、「塗装のために使うもの」とうこと。
また、「塗装するための専用のもの」といった言い方もできます。
つまり、「ある事をするために」という意味は「○○用の」といった意味なのですね。
「道具」である、「ペンチ」は「針金の切断」もできれば、「金属の折り曲げ」などができます。
要するに、様々な「事」に対応できるのがペンチという「道具」。
ですが、「野球用具」となると、野球をするためのもの、野球専用のものということになります。
「キッチン用具」であれば、台所専用のもの、ということですね。
②「道具」の意味とは!
「道具」は、物を作ったり、何かをするために用いる器具などのこと。
「何かをするために用いる器具」ということであり、何にでも用いることができるということがポイント。
ですが、「ある事をするために使う、用具」、これも「何かをする」に含まれます。
つまり、「用具」も「道具」の中の一つということ。
具体的には、様々な事に使える「ペンチ」は「道具」です。
そして、「野球用具」や「キッチン用具」といった「用具」も、「道具」の中の一つということ。
ですから、「野球道具」や「キッチン道具」といっても間違いではありません。
ちなみに、「道具」の意味は幅が広く、「顔の道具」や「取引の道具」といった使い方もできます。
「顔の道具」とは、目鼻立ちのこと。
そして、「取引の道具」は、交渉事などに使う「条件」のことですね。
これは、「カード」や「材料」といった言い方もします。
③「用具」と「道具」の違いを整理!
それでは、ここで一度「用具」と「道具」の違いを整理します。
ある事をするために使う器具が「用具」。
物を作ったり、何かをするために用いる器具が「道具」。
大きな「道具」の意味があり、その中で、ある事限定で使うのが「用具」です。
2.「用具」と「道具」の辞書での意味!
続いて、辞書による「用具」と「道具」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「用具」の辞書での意味!
【用具】
・ある事をするために使う道具。「筆記―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりです。
②「道具」の辞書での意味!
【道具】
①物を作ったり仕事をしたりするのに用いる器具。「大工―」
②一般の器具や家具。調度。「家財―」
③能狂言や演劇の大道具・小道具。
④体に備わっている部分の称。特に、目鼻立ち。「顔の―が整っている」
⑤他の目的のために利用されるもの。手段。方便。「交渉の―に使える情報」
引用元:旺文社国語辞典
意味が5種類ありますが、意味①②③が「何かに使う器具」のことでほぼ同じ意味。
意味④と⑤は、比喩的な使い方ですね。
3.「用具」と「道具」の使い方!
次に、「用具」と「道具」の使い方を例文で紹介します。
①「用具」の使い方!
・全仏オープン女子ダブルス準優勝の選手と用具使用契約締結した。
・赤川氏が使用した石版、印刷用具等を展示しています。
・洗面用具の壁掛け収納。
・登山用具やごみが散乱したエベレストのキャンプ地。
②「道具」の使い方!
・玄関のゴミや汚れは、身近な道具や洗剤で落とすことができる。
・ステージで使われる木箱や客席用の椅子など、道具のほとんどは揃った。
・チケットはお金儲けの道具ではありません。
・結婚披露宴を盛り上げる紙吹雪などの撮影道具。
4.「用具」や「道具」には似た意味の言葉がたくさんある!
「用具」や「道具」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「用具」と「道具」の意味の違いと使い分けについてでした。
「用具」は、ある事限定で使う器具などのこと。
「道具」は、物を作ったり、何かをするために用いる器具などのこと。
ですから、「用具」は「道具」の中の一つということです。