「噛む」と「咬む」、どちらも「かむ」ですが、この二つには違いはあるのでしょうか。
私のなんとなくのイメージですが、「咬む」はかみつく/かみつかれるのイメージ、「犬に咬まれた(´;ω;`)ウゥゥ血が止まらん」というときには「咬む」で、食べものをたべたり、歯でふたを外すときのかむは「噛む」のような気がしますが…間違ってる?
まあ、私の適当なイメージですので(^^;)
ということで、今回は「噛む」と「咬む」の違いや使い分けについて調べてみあした。
1.「噛む」と「咬む」の違いは?
「かむ」を広辞苑で引くと、「噛む・嚼む・咬む」は同じ項目で載っていました。
意味は以下のとおりです。
①上下の歯を強く合せる。歯をくいしばる。
②上下の歯で物を押しくだく。咀嚼する。
ここまでは、一般的な「かむ」の意味ですね。
そして、注目は次。
③歯で傷つける。咬みつく。
ここでやっと、「噛む」と「咬む」の違いが出てきました。
「噛む」は歯を強く合せるという動作のこと、「咬む」は相手を傷つけて攻撃するときに使います。
ちなみに、「噛む」には上記以外にも、
・話が噛み合わない:話題や論点がすれ違うこと
・あいつも一枚噛んでいる:あることがらに関わること
・くさびを噛ます:動かないように隙間に押しいれること
・一発噛ます:相手に何かを仕掛ける、攻撃すること
などの意味もあります。
基本的に3つの「かむ」は同じ意味で辞書に載っています。
ですが、「噛む」は通常の「かむ行為」で、「咬む」は攻撃のための「かみつく行為」、そしてもう一つの「嚼む」ですが、これは「咀嚼(そしゃく)する」の「嚼む」ですので、「更にこまかくかみ砕く」ときの「嚼む」に分類できます。
2.犬の場合の「噛む」と「咬む」の違いは?
かみ癖のある犬、いますよね。
犬のかみ癖には「甘噛み・要求噛み・攻撃咬み」の三つがあるそうです。
もう漢字の使い分けも前項でしてしまいましたが、犬のかみ癖のうち、「噛む」の漢字を使うのは、
・甘噛み
・要求噛み
甘えたり、じゃれたり、「ご主人様、お願い」とおやつや遊びを要求するときのかみ癖です。
これらは、相手を傷つける意図がない「かむ」なので、「噛む」の漢字を使います。
「咬む」の漢字を使うのは、
・攻撃咬み
敵や獲物に襲いかかり牙をたてる、仕留める、怪我をさせるときには「咬む」を使います。
3.言葉を言い間違えるのは「噛む」?
役者がセリフを言い損ねたり、言いなおすことを「噛む」といいます。
これは「舌を噛む」からきています。
舌を噛むときちんと発音できませんよね。
そのため、セリフを言い損ねるのです。
ただ、実際に舌を噛んで言い損ねたときだけでなく、舌が回らなった・言い間違えそうになった・どもったなどのときも「噛む」というようになりました。
口を開いたものの、頭の中でまだ話がまとまっていなくてどもったり言葉がつっかえること、ありますよね。
こんなときも「噛む」といったりします。
漢字の違いについて説明しましたが、「鼻をかむ」の「かむ」の漢字をご存知ですか?
また、なぜ「かむ」というのか??「鼻をかむ」の漢字や語源などについて詳しく調べた記事がありますよ!
もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「噛む」と「咬む」の違いや使い分けについてでした。
「噛む」は日常的な動作、「咬む」は動物的な行動・動作といってもよさそうですね。
人間で「咬む・咬みつく」というのは……まあ、けんかのときにはやるかな、でも日常的にこの動作をすることはあまりないでしょう。
相手を傷つけてしまいます。
犬のかみ癖については、「甘噛み・要求噛み」は飼い主と犬のコミュニケーションの一種です。
「攻撃咬み」についてはしつけで矯正する必要があります。
他人を傷つけてしまうおそれがあるので。
かみ癖の矯正は子犬のうちから始めた方がよいそうです。
飼い主の方は、飼い犬のかみ癖が「甘噛み」なのか「攻撃咬み」なのか、見極めて、必要なしつけを行ってください。
まぎらわしい漢字の違いといえば、「火」と「炎」…。
「火」と「炎」の違いをご存知ですか?
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