「運用」と「運営」、似た言葉なので違いや使い分けが難しいですよね。
さらに、「運営」と「経営」の違いは?と聞かれると…お手上げです…。
実はこの「運用」と「運営」と「経営」、言葉自体はすごく似ているのですが、意味が全く違うのですよ!
ということで、今回は「運用」と「運営」と「経営」の意味の違いや使い分けなどについて調べてみました。
1.「運用」と「運営」の意味の違いと使い分けは?
まずは広辞苑から。
・うまく機能を働かせ用いること。活用。
【運営】
・組織、機構などをはたらかせること。動かすこと。
ということで「運用」とは、「用」の字があるとおり「用いる」ことで、ある物を「使う」「活用する」ということに重点が置かれます。
一方の「運営」は、「営」の字があるとおり「営む」ことで、組織などを動くように「する」「やる」「行う」ということに重点が置かれます。
それでは、もう少しかみ砕き、具体的な例を使って説明しますね。
【運用】
「運用」とは「用いる」「使う」「活用する」ことですので、「使用する何か別の物」が存在し、その「物を使う」のです。
たとえば、使う物は「お金」や「システム」。
お金の場合は「資金運用」という言葉がありますが、お金を使い投資したり不動産を購入したりしてお金を増やそうとすることを「資金運用」といいます。
システムの場合は「システム運用」という言葉がありますが、ハードウェアやアプリケーションなどを使い業務を円滑に進めることを「システム運用」といいます。
【運営】
「運営」とは「営む」「する」「行う」ことですので「組織」や「機構」など「何か別の物」は存在しますが、物を「使う」というよりはあくまでも人間が「行う」のです。
たとえば「大会運営」の「大会」や「組織運営」の「組織」、これもある意味「何か別の物」です。
ですが「運営」の場合は、「大会」や「組織」を「使う」「活用する」のではなく、動くように「する」「行う」のです。
「大会運営」や「組織運営」とは、そのものが目的達成のために動きますが、それは自らが中心となり動くように「する」「行う」ということです。
また、「運営」の「営」は「営利」の「営」ですので、営利目的でなくてはいけないといった説もあるようですが、営利目的か否かは関係ありません。
「運用」と「運営」に違いを簡単にまとめると、「使う」のが「運用」、「行う」のが「運営」です。
2.「経営」と「運営」の意味の違いと使い分けは?
「経営」を広辞苑で調べます。
・継続的、計画的に事業を遂行すること。特に、会社・商業など経済的活動を運営すること。また、そのための組織。
(省略あり)
【運営】
・組織、機構などをはたらかせること。動かすこと。
「経営」と「運営」、どちらも「営」の字があるとおり「営む」ことで、組織などを動くように「する」「やる」「行う」ということです。
どちらも人が、自らが中心となり「する」「行う」のです。
どちらも人がすることは共通しているのですが、「経営」と「運営」では目的が違います。
経営は事業目的を達成するために行います。
事業目的とは、つまり収益をあげることです。
ですから「経営」とは、収益をあげる、儲けることが目的となります。
「運営」は、組織などを働かせること、動かすことが目的です。
【「学校経営」と「学校運営」でわかりやすく解説】
それでは、具体例で説明します。
たとえば、「学校経営」と「学校運営」という言葉があります。
この「学校」も公立ですと営利目的ではなくなりますので私立とします。
私立の場合は理事長が経営者となり「学校経営」を行います。
そして「学校経営」は教職員に対する報酬を払いますので、収益をあげなくてはいけません。
つまり、「学校経営」は収益をあげることが大きな目的となります。
そして一方の「学校運営」です。
「学校運営」は校長先生が行います。
校長先生は、生徒たちにより良い教育を行うために、教員に対する指導などを行います。
「学校運営」を行う校長先生は、生徒たちに対するより良い教育が大きな目的になります。
まとめ
以上が「運用」と「運営」の違いなどについてでした。
「運用」は「用いる」なのである物を「使う」「活用する」こと、「運営」は「営む」なので組織などが動くように「する」「行う」ことです。
また、収益をあげることを目的に会社や組織を運営する場合は「経営」といいます。
「運営」の説明をしてきましたが、ところで、何かイベントなどを運営する時には「主催者」や「主宰者」がいます。
この「主催」と「主宰」の違いをご存知ですか?
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