「受容」と「共感」。
同じような場面で使う言葉ですが、意味が似ていますよね。
そして、「傾聴」も同じ場面で使われます。
混同されがちな「受容」「共感」「傾聴」ですが、全く意味が違うようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「受容」「共感」「傾聴」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「受容」「共感」「傾聴」の意味の違い!
最初に、「受容」「共感」「傾聴」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「共感」とは、他人の考えや感情に対して、自分も同じように感じること。
「傾聴」とは、気持ちを向けて熱心に聞き入ること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「受容」と「共感」の意味を詳しく!
「受容」は受け入れることで、「共感」は他人の考えや感情に対して自分も同じように感じること。
似ていますが、違いますよ。
具体的な例で説明しますね。
たとえば、友人が「暑いので窓を開けたいな」という意見を、あなたの部屋で言ったとします。
その時に、あなたは「暑い」と思っていなくても、「そうか、開けよう」というのが「受容」。
ポイントは、あなたは「暑い」と思っていない状況でありながら、友人の思いを受け入れるということ。
つまり、「受容」は、あなたの気持ちが「暑い」か「暑くない」かは問いません。
必ずしもお互いの気持ちは一致していないのです。
また、友人が「暑いので窓を開けたいな」と言った時に。
あなたは「暑い」という思いや「窓を開けたい」という思いがある場合、これが「共感」です。
友人が「暑い」「窓を開けたい」という気持ちがあり、あなたが同じように感じることが「共感」なのですね。
ですから、「共感」の場合のあなたの対応は、「そうだね。自分も暑いし窓を開けよう」となります。
受け入れるのが「受容」、相手の感情と同じように感じることが「共感」ということ。
②「傾聴」の意味とは!
「受容」や「共感」と、同じ場面でよく使われる言葉が「傾聴」。
「傾聴」は、「傾けて」「聴く」という漢字が意味するとおり、熱心に聞き入ることです。
「傾けて」とは、「体を相手に傾けるくらい程熱心に」という比喩的表現です。
ですから、ただ「聞く」のではなく「体が傾くほど、熱心に身を入れて聞く」ということ。
ちなみに、「聴く」と「聞く」の二種類の「きく」を使いましたが、どちらかというと「聴く」がより注意深くきくことで、「聞く」は音を感じることから話をきくことまで幅広く使われます。
ですから、「傾聴」は「聴」が使われているとおり、より熱心に身を入れて聞くということ。
そういった意味なので、「傾聴」が使われる場面は、悩みを聞いてほしいといった人の相談を受ける時に多く使われます。
③「受容」「共感」「傾聴」の違いを整理!
それでは、ここで一度「受容」「共感」「傾聴」の意味の違いを整理します。
受け入れるのが「受容」。
他人の考えや感情に対して、自分も同じように感じるのが「共感」。
受け入れることと、同じ感情になることでは、全く意味が違います。
そして、気持ちを向けて熱心に聞き入るのが「傾聴」。
2.「受容」「共感」「傾聴」の辞書での意味!
続いて、辞書による「受容」「共感」「傾聴」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「受容」の辞書での意味!
【受容】
・受け入れてとりこむこと。「外国文化の―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりです。
②「共感」の辞書での意味!
【共感】
・他人の考えや感情に対して、自分もまったく同じように感じること。同感。「―を呼ぶ」「―を覚える」「彼の考え方に―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりです。
③「傾聴」の辞書での意味!
【傾聴】
・気持ちを向けて熱心に聞き入ること。「―に値する意見」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、「熱心に聞き入る」ことですね。
3.「受容」「共感」「傾聴」の使い方!
最後に、「受容」「共感」「傾聴」の使い方を例文で紹介します。
①「受容」の使い方!
・彼の音楽がアメリカでどのように受容されているのかを取材。
・多様性を受容する社会の実現に向け…。
・学生たちはぶれない軸と受容力を持った自己を確立。
②「共感」の使い方!
・心情を描いた共感性の高い楽曲に仕上がっている。
・お互いが相手をいたわる気持ち、共感、尊重することが大切。
・同志から共感の声が寄せられていました。
③「傾聴」の使い方!
・異なる考えを持つ方たちの意見を傾聴。
・ビジネスシーンで求められる傾聴力。
・立ち寄った市民の思いや悩みを傾聴した。
まとめ
以上が、「受容」「共感」「傾聴」の意味の違いと使い分けについてでした。
「受容」は受け入れることで、「共感」は他人の考えや感情に対して自分も同じように感じること。
そして、「傾聴」は気持ちを向けて熱心に聞き入ること。
似ていますが、全く意味が異なるということです。
「受容」「共感」「傾聴」の意味の違いを説明しましたが、「共感」と似た意味の言葉で「共鳴」があります。
「共感」と「共鳴」も、同じようで実は微妙に違いますよ!
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