「部署」と「部所」、どちらも見かけますが、違いはあるのかな?
また、「○○署」と「○○所」と2種類の施設があるし…。
そもそも、「署」と「所」って何が違うのでしょうか?
ということで、今回は「部署」と「部所」の違いなどについて調べてみました。
1.「部署」と「部所」の意味の違いと使い分けは?
「部署」を広辞苑で引いてみました。
役目を割り当てること。また、割り当てられた役目。持場。
とありました。
会社組織では、企画を担当する「企画課」や開発担当の「開発課」が部署にあたります。
広辞苑には「部所」は載っていませんでした。
「部所」は誤用です。
パソコンなどで変換しても出てきません。
ただ、調べてみると、「部署」というべきところを「部所」としていることがあります。
それも、役所や公の文書で「部所」の誤用が多いのです。
これは一体……?
まずその前に、公の機関や施設の「○○署」と「○○所」の違いです。
これは、捜査/逮捕の権限がある機関や施設は「○○署」、それ以外施設は「○○所」となっています。
「署」のつく施設は、警察署、税務署、労働基準監督署、消防署など。
一方「所」のつく施設は、市役所、刑務所、裁判所などですね。
ということで、公共施設で「部所」が使われる理由は、推測ではありますが「部署」というと警察署や税務署などの強権的なイメージがあるからなのかもしれません。
つまり、ソフトなイメージの「部所」をあえて使用しているのかも?
そして、元々「署」のつく施設については、「部署」というと「○○署」と同じ「署」でまぎらわしいということも考えられます。
もしかしたら、将来は「部所」も誤用でなくなるかもしれませんね。
とろろで、「駐在所」は警察官がおりますが「所」です。
「駐在所」は捜査して逮捕する施設というよりは、地域住民と一体になり地域の治安を守る意味合いが強いから、というのが理由のようです。
また、研究施設などについては、「部所」を使用することがあるようです。
同じ研究を行っている研究所の、建物が別になっている施設を「部所」というのですね。
この場合の「部所」の意味は、「部署」と全く同じです。
2.「部署」と「所属」の違いは?
「所属」とは、「従属または付属していること。団体などに加わっていること。(広辞苑より)」です。
つまり業務の担当箇所が「部署」で、その部署に属することが「所属」です。
なので、部署に加わること、部署の一員になることを「○○課所属/どこそこの部署に所属する」といいます。
「所属」は、企業の担当部署の他に、団体や組織、政党などでも使われます。
日本語は、漢字は違うのに同じ読み方の言葉がたくさんあります。
「乗せる」と「載せる」もその1つですが、「打球を風にのせる」や「売り上げを1億円の大台にのせる」はどっちの「のせる」だと思いますか?
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まとめ
以上が「部署」と「部所」の意味や違いなどについてでした。
「部署」は役割分担した1つの箇所、「部所」は誤用ではありますが、公的施設においては「部署」と同じ意味で「部所」を使うこともあります。
部署に加わること、部署の一員になることを「所属」といいます。
「○○署」と「○○所」の使い分けは、捜査/逮捕権の有無です。
警察署や税務署など捜査/逮捕権がある施設は「○○署」、市役所や裁判所など捜査/逮捕権のない施設は「○○所」です。
「○○署」に行くときには、悪いことをしていなくてもなんだかドキドキしますよね。
免許の更新で警察署に行くと、おどおど挙動不審になってしまいます。
余計に怪しい(^^;)
同じ読み方でありながら意味が違う言葉はまぎらわしいですよね…。
「表記」と「標記」もその一つですが…、キチンと使い分けができていますか?
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