「木綿」と「綿」、この二つって同じもの……ですよね?
あれ、もしかして違うもの?
「木綿のハンカチーフ」って綿のハンカチで、いいんだよね。
あの歌を聞くたびに、「せめてシルクがいいなあ」と思ってしまいます(笑)
ということで、今回は「木綿」と「綿」の違いなどについて調べてみました。
1.「木綿」と「綿」に違いはある?コットンとは違う?
「綿」とは、広辞苑で「わた、もめんわた。」のことです。
「木綿」を広辞苑で引くと「①ワタの種子に付いている白くてやわらかな綿毛。衣服・ふとんなどの中に入れて暖をとるのに用いる。もめんわた。生綿(きわた)。」となっています。
つまり、「綿」と「木綿」は全く同じものなのですね。
「木綿・綿」は、下に写真を貼っていますが植物の「ワタ」から穫れます。
また、綿や木綿を英語でいうと「コットン(cotton)」です。
なので、「綿」=「木綿」=「コットン」、この三つは全く同じものです。
ちなみに、ポリエステル綿というポリエステルなのか綿なのかよくわからないものがあります。
ポリエステルとは、化学物質を人工的に合成した合成繊維のことですが、その合成繊維を綿状に加工したものを「ポリエステル綿」と呼んでいます。
ですから、ポリエステル綿は木綿・綿とは全く違う物です。
【ワタから布へ】
2.「真綿」と「木綿・綿」の違いは?
「真綿」と「木綿・綿」は全く違うものです。
「木綿・綿」が植物繊維であるのに対して、「真綿」は蚕(かいこ)の繭(まゆ)からつくる動物繊維です。
動物繊維ですので、羊毛と同じ部類ですね。
繭を煮たものを引きのばして作るのが真綿です。
この真綿を織ると「絹織物」ができます。
絹、つまりシルク、高級品ですよね。
真綿は木綿・綿よりも白くて光沢があり、柔らかく、保湿性に優れています。
日本では、真綿(絹・シルク)の歴史が古く、古代から珍重されてきました。
日本に植物としての綿が入ってきたのは約600年前、室町時代に朝鮮半島から伝わってきたといわれています。
植物の綿が全国的に流通するようになったのは江戸時代に入ってからです。
「綿」というと元々は「真綿(絹・シルク)」のことを指していたのです。
その後植物の綿が入ってきたために、従来の「綿(真綿/絹・シルク)」と区別するために、綿の頭に「木(植物からとれるから)」をつけて「木綿」というようになりました。
ちょっと余談ですが、真綿のもとになる蚕ですが、長年家畜化されたことから自然界では自力で生きていけないそうです。
人間が飼育してくれなければ生きていけない昆虫に進化したのですね。
【繭の糸取り】
3.「脱脂綿」と「木綿・綿」の違いは?
「脱脂綿」とは、木綿・綿から脂肪分や不純物を取り除くために薬品などで処理し消毒した綿(医療用材料)です。
脂肪分を取り除くので、綿よりも水になじみやすいです。
少量の液体を吸収したり、薬液を浸透させる、薬液を浸透させたうえで患部に貼付するなど、色々な使い方があります。
また、木綿・綿は元々黄色みがかっていますが、脱脂綿は漂白されているので真っ白です。
まとめると、木綿・綿を漂白・消毒したものが脱脂綿ということです。
「ポリエステル」と「レーヨン」の違いについては、下の記事をご覧ください!
まとめ
以上が、「木綿」と「綿」の違いなどについてでした。
最近は綿が高くなっているのか、Tシャツなど昔は綿でできていたものでも、ポリエステルが入っていることが多くなりましたね。
敏感肌で「綿製しか着ることができない」という方は困っているだろうなと思います。
ポリエステルが入っていると、洗濯した後乾きやすいので、冬や雨の日に助かるのですけどね。
「衿」と「襟」の違いについては、下の記事をどうぞ!