「条文」と「条項」。
法律などが関係してくると出てくる言葉です。
仕事をする上で、法や社内規定をまもるのは当然ですからね…。
ところで、この「条文」と「条項」、結構勘違いが多いようで…。
会話がかみ合わないなんてことも、チラホラと…。
そういったすれ違いを防ぐべく、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみました!
意外に、間違って使っているかもしれませんよ!
本記事では、「条文」と「条項」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「条文」と「条項」の意味の違い!
最初に、「条文」と「条項」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「条項」とは、箇条書きにした一つ一つの項目。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「条文」の意味とは!
「条文」は、法律などの箇条書きの文章のこと。
「文章」のことで、具体的には以下の「日本国憲法」で説明しますね。
日本国憲法
第1章 天皇
第1条
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
引用元:日本国憲法
これは日本国憲法の「第一章」「第一条」ですが、その中の「天皇は~基づく」とありますが、この文章が「条文」の中の一つということ。
つまり、「何をいっているのか」という部分です。
あくまでも文章のことであり、見出しや項目を指しているのではありません。
日本の法律は、「編」「章」「節」「款」「目」や、「条」「項」「号」といったように細かく区分けされています。
この区分けされた「条」のことを、「条文」と間違われことがあるようですが、この「条」ではありません。
あくまでも、「天皇は~基づく」などといった、文章のことです。
ちなみに、「条文」は法律以外でも「条例」や「条約」などでも使われます。
②「条項」の意味とは!
「条項」は、箇条書きにした一つ一つの項目。
「条文」は「何をいっているのか」といった内容を指していましたが、「条項」は文章の中身ではなく区分けされたその一つ全体を指しています。
先ほどの日本国憲法にたとえますね。
日本国憲法の「第一章」「第一条」には、「天皇は日本の象徴ですよ。そして、その地位は先人を含めた日本国民の総意ですよ」と言っています。
この言っていることが「条文」ということ。
そして「条項」は、この言っている内容のことではなく、この「第一条」全体を指しているのです。
ちなみに、この「条項」についても、先ほどの「編」「章」「節」「款」「目」や、「条」「項」「号」と間違われるケースがあるようです。
ですが、この区分けされた「条」や「項」のことではありません。
区分けされたその一つ全体のことです。
この「条項」は、法律以外でも、民間企業などの「規約」や「規則」、「契約書」といったもので、広く使われています。
③「条文」と「条項」の違いを整理!
それでは、ここで一度「条文」と「条項」の違いを整理します。
法律などの箇条書きの文章が「条文」。
箇条書きにした一つ一つの項目が「条項」。
「何を言っているのか」という部分が「条文」で、区分けしたその一つが「条項」です。
法律の、「編」「章」「節」「款」「目」や、「条」「項」「号」のことではありませんよ。
2.「条文」と「条項」の辞書での意味!
続いて、辞書による「条文」と「条項」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「条文」の辞書での意味!
【条文】
・法律などの箇条書きの文。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「条項」の辞書での意味!
【条項】
・箇条書きにした一つ一つの項目。「免責―」
引用元:旺文社国語辞典
「条項」も説明どおりですね。
3.「条文」と「条項」の使い方!
次に、「条文」と「条項」の使い方を例文で紹介します。
①「条文」の使い方!
・そういった犯罪を処罰する条文はかなり複雑になっています。
・それぞれの歴史を背負った特徴的な条文がある。
・パリ協定の各条文を解説します。
・被告人の権利を認めた条文がある。
②「条項」の使い方!
・同社はこうした条項を含む契約の違法性を訴える。
・協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含める。
・本人の希望で契約を解除できる条項が含まれている。
・公正取引委員会に契約条項の削除などの改善策を申し出る。
4.「条文」や「条項」には似た意味の言葉がたくさんある!
「条文」や「条項」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「条文」と「条項」の意味の違いと使い分けについてでした。
「条文」は、法律などの箇条書きの文章のこと。
「条項」は、箇条書きにした一つ一つの項目。
書いてある内容が「条文」、区分けした一つが「条項」です。