「校正」と「較正」、どちらも誤りを修正する・手直しするという意味だと思うのですが、二つの言葉には意味の違いや使い分けはあるのだろうか。
漢字が違うのですが、意味の違いまで意識したことはなかったような…。
ということで、今回は「校正」と「較正」の違いについて調べてみました。
1.「校正」と「較正」の意味の違いと使い分けは?
二つを広辞苑で引いてみました。
【校正】
①文字の誤りをくらべ正すこと。
②校正刷を原稿と引き合せて、文字の誤りや不備を調べて正すこと。
③較正
【較正】
①実験に先立って、測定器の狂い・精度を、基準量を用いて正すこと。
②校正
つまり、「校正」は文章の修正や手直しのこと、たとえば印刷物と原稿を見比べて、誤りがないかをチェックするのが校正です。
「較正」は、精密機械や計器類の狂いやずれを正すことです。
意味を調べると広辞苑では「校正」→「較正」、「較正」→「校正」と、どちらも同じ「誤りや狂いを正す」意味で解説されてすごく紛らわしいのですが、同じ正すにしても基本的には「文章」・「機械」と全く違うものを指しています。
同じ意味を持っていますので、「較正」を「校正」と書くことはあります。
しかし気を付けなくてはいけないことは、文章の修正という意味の「校正」を「較正」と書くことはありません。
英語では、校正は「correction」「proofreading」、較正は「calibration」といいます。
2.「校正」と「校閲」の違いは?
「校閲」とは「しらべ見ること。文章・原稿などに目をとおして正誤・適否を確かめること。(広辞苑より)」の意味です。
「校正」と「校閲」、どちらも誤りを修正するという意味ですが、両者には誤りの見つけ方や探す誤りの種類に違いがあります。
両者の違いは次の通りです。
・校正は、1つ前の工程と現段階の2つを比較して誤りを正すこと
・校閲は、原稿の文章の意味や内容を読み、誤りを正すこと
校正では、文章を読みません。
原稿と印刷物を並べて、誤字脱字などの誤りがないかを1字ずつ確認するのが校正です。
読むのではなく、「見る」のです。
読まないようにわざと文章のお尻から、文章を逆にたどって校正することもあるそうです。
校閲では、文章を読みます。
原稿の文章を読み、誤字はもちろん、文章のつながりや内容に矛盾がないかを見つけるのが校閲です。
また、原稿に書かれている地名やデータが正しいかどうかを確認する作業も校閲です。
なので、校閲では「前の稿と比べる」という比較の作業はありません。
漢字について説明しましたが、ところで、「鼻をかむ」の「かむ」の漢字をご存知ですか?
また、なぜ「かむ」というのか??「鼻をかむ」の漢字や語源などについて詳しく調べた記事がありますよ!
もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「校正」と「較正」の違いについてでした。
現在では、「較正」のことを「校正」と書くことも多いようです。
比較して修正するという意味なら、比較の「較」で校正よりも較正の漢字の方が分かりやすいのかもしれませんね。
校正の作業って間違い探しのようなもの、大変そうですね。
一字ずつチェックしていたら、目がチカチカしそうです。
まぎらわしい漢字の違いといえば、「火」と「炎」…。
「火」と「炎」の違いをご存知ですか?
詳細にについては、下の記事を覗いてみてください。