「特定」と「指定」。
意味が似ています…。
いやいや、同じ意味でしょ…??
でも電車に乗ると「指定席」はあっても「特定席」はありません…。
これはつまり、「特定」と「指定」では微妙な違いがあるということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、微妙ではありますが「特定」と「指定」には違いがありました!
本記事では、「特定」と「指定」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「特定」と「指定」の意味の違い!
最初に、「特定」と「指定」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「指定」とは、それと示して定めること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「特定」の意味とは!
「特定」は、それと示して定め、特別扱いすること。
「それと示して定める」は「指定」ですが、その上に特別扱いするのが「特定」です。
たとえば、「お付き合いしている、特定の人はいるの?」といった使い方。
これはつまり、「彼氏」「彼女」のことであり、「特別な人」ともいえます。
これが「お付き合いしている、指定の人はいるの?」だと、少し変ですよね。
「指定」になると、「特別感」がなくなってしまうので、違和感が生まれるのです。
また、「特定の物質」や「特定外来生物」といった使い方もします。
これらは、どちらも特別のもの。
「指定の物質」でも「指定の外来生物」でも意味は通じますが、特別なものという意味ではなくなります。
その他には、「犯人を特定する」「原因を特定した」といった使い方もします。
犯人も原因も、苦労して調査した特別なものなのですね。
②「指定」の意味とは!
「指定」は、それと示して定めること。
特別なものではありません。
ただ、指し示して定めるということです。
たとえば、「指定の時間に集合してください」といった使い方。
これはつまり、「ある時間」を単に指し示して、定めているだけのこと。
その「ある時間」は特別なものではありません。
それから、よく使うのが電車の「指定席」。
この場合、自由席に比べれば特別な席ということができます。
しかし、「指定席」というのは特別な席ではなく、指し示したその人の席ということ。
「あなたが座る席は、ここですよ」という意味で、特別なものではありません。
③「特定」と「指定」の違いを整理!
それでは、ここで一度「特定」と「指定」の違いを整理します。
示して定め、特別扱いするのが「特定」。
示して定めるのが「指定」。
「指定の人」は指し示して定めた人のこと、「特定の人」は特別な人のことです。
2.「特定」と「指定」の辞書での意味!
続いて、辞書による「特定」と「指定」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「特定」の辞書での意味!
【特定】
・特にそれと指定すること。特にそれと決まっていること。「不―」「犯人を―する」
引用元:旺文社国語辞典
「特に」とありますので、「特別」ということです。
②「指定」の辞書での意味!
【指定】
・それと示して定めること。「―席」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
3.「特定」と「指定」の使い方!
次に、「特定」と「指定」の使い方を例文で紹介します。
①「特定」の使い方!
・国土交通省が定める特定の道路。
・重い病気と闘う子どもたちとその家族を支援する特定非営利活動法人。
・送信者からの特定のメールをGmailに認識させる。
・自身の記者会見をめぐり特定記者の取材を拒否する。
②「指定」の使い方!
・審議を行った結果、新規指定することについて了承された。
・「土砂災害警戒区域」の指定を急ぐ方針を示した。
・標識に表示された指定時間以外の通行は違反。
・他社が料金設定している電話番号へは指定の通話料がかかります。
4.「特定」や「指定」には似た意味の言葉がたくさんある!
「特定」や「指定」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「特定」と「指定」の意味の違いと使い分けについてでした。
「特定」は、それと示して定め、特別扱いすること。
「指定」は、それと示して定めること。
特別に指し示すのが「特定」で、ただ指し示すのが「指定」です。