「ビニール袋」と言ったかと思えば、同じものを指して「ポリ袋」と言ってみたり、我ながら、身の周りのものですらその場その場で適当な名前で呼んでしまいます(^^;)
そういえば、この「ビニール袋」って実は「ビニール」ではない、といった噂を耳にしました。
本当???ではいったい何?
プラスチックなの??
「プラスチック」や「ビニール」や「ナイロン」って、分類がややこしいですね…。
ということで、今回は「プラスチック」と「ビニール」と「ナイロン」の違いについて調べてみました。
1.「プラスチック」とは?
最初に、「プラスチック」を広辞苑で調べます。
・可塑性物質。特に、合成樹脂またはその成型品。
(一部省略あり)
「可塑性物質(かそせいぶっしつ)」とは、思いどおりの形をつくれる物質のこと。
そして「樹脂」とは何か?
樹木の皮を傷つけると、樹液が流れて固まりますが、これが「天然樹脂」です。
ですから、樹液の化石である「琥珀(こはく)」も樹脂です。
そして、「天然樹脂」に似ていて、人工的につくられたものが「合成樹脂」です。
「樹脂」は「樹のあぶら」と書くとおり樹から出てくるものですが、「合成樹脂」は「樹」は関係ありませんので厳密には「樹脂」ではありません。
ということで、「プラスチック」とは、自由に形をつくれる合成樹脂のことですね。
思いどおりの形をつくることができる性質は、プラスチックにとって一番重要な部分です。
2.「ビニール」とは?
では、「ビニール」を広辞苑で調べます。
・ビニル樹脂。またそれでつくられた製品。
「ビニール」とは、ビニル樹脂、特にポリ塩化ビニルのことを指しています。
そして、「ビニール」も合成樹脂であり、プラスチックの一つです。
「ビニール」は、ビニールハウスやソフビ人形などに使われます。
特徴は、「柔らかさ」と「透明性」です。
特に、ビニールハウスは、太陽光をとおす透明性と、ハウスを覆う柔らかさという特性を利用しています。
ちなみに、「ビール袋」や「ビニール傘」は、ポリエチレンやポリプロピレンなどが材料であり、ポリ塩化ビニルではありませんので、厳密には「ビニール」ではありません。
3.「ナイロン」とは?
「ナイロン」を広辞苑で調べます。
・元来はアメリカの化学者カロザースが発明しデュポン社から発売された合成繊維の商標名。現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称。
(以下省略)
もともとは、製品名だったのですね。
「ナイロン」は石炭などを原料としてつくられる合成樹脂で、繊維状になっているものが多いのですが、プレスチックの一つです。
「ナイロン」は非常に強く、特に強度が優れているプラスチック、「エンジニアプラスチック(エンプラ)」の代表格です。
その強度を活かして釣り糸などにも使われます。
また、強度のほかに、弾力性も特徴の一つです。
そのため、スキーウェアや水着、ストッキングなど、日常品に広く使われています。
「ナイロン」と「ビニール」の違いは、ナイロンはビニールよりも高価ですし、ビニールとは質感が異なります。
さらに、ビニールは素材自体が水をとおしませんが、ナイロンは繊維状のものが多く水をとおします。
傘などのナイロンは水をとおさないように、特殊な加工をしています。
ナイロンは高価ですので、ナイロン製の傘はビニール傘よりも高級品です。
まとめ
以上が、「ビニール」と「ナイロン」、それに「プラスチック」の違いについてでした。
ビニールとナイロンはどちらもプラスチックの一種で、どちらも身の周りの品に多く使用されていますね。
プラスチック、ビニール、ナイロン、全て軽いし腐ることもなく錆びないといった長所があります。
しかし、その多くが熱に弱いといった短所もあります。