「等」は、「ひとしい」という読み方をして「数量などが同じ」という意味。
「等しい」はわかるのですが、「とう」「など」「ら」といった読み方もあります。
「~等」と記載されている場合、「とう」「など」「ら」のどれを使うべきなのか…。
といった疑問を抱いたため、その意味や使い方を徹底的に調べてみました!
意外にも、安易に使ってはいけない注意点もありましたよ!
ということで、本記事では「等」の読み方と意味、使い分け方法について徹底的に調査した結果をお伝えしていきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「等」の読み方と使い分け!
最初に、「等」の読み方と使い分け方法についてお伝えします。
「等」の読み方は「ひとしい」「とう」「など」「ら」。
ただし、常用漢字表には「ひとしい」と「とう」しかないため、公用文では「など」「ら」といった読み方はできません。
「とう」「など」「ら」は、同類のものの代表例をあげて他のものを省略する時に使う言葉で全て同じ意味。
ただし、「ら」については主に「人」に対して使う言葉です。
と、簡単にまとめるとこういったことです。
今度は、個々に①「とう」→②「など」→③「ら」の順番でさらに詳しく解説していきますね。
①「とう」は、「順位」という意味もある!
「とう」は、同じような物の代表例をあげて、他のものを省略する場合に使う言葉です。
たとえば、「白菜とうの野菜は価格が高騰していますが…」といった使い方をします。
これは、言い換えれば「白菜をはじめとした野菜は価格が高騰している」といった意味ですね。
他の野菜を全部伝えるには時間がかかるため、省略しているのです。
ですが、「とう」には他の意味もあります。
「一等賞」「一等級」の「とう」のように順位や等級を表す言葉でもあります。
こういった、違う意味もあることを覚えておきましょう。
②「など」は、「へりくだる」「強調」「やわらかく」の意味も!
「など」も「とう」と同様で、同じような物の代表例をあげて、他のものを省略する場合に使う言葉です。
たとえば、「洗剤などを買った」といった場合は、「洗剤を買ったが、他の日用品も買った」という意味。
これも「他の日用品」は省略しているということ。
それから、「など」にも他の意味があります。
その1つは「へりくだる」意味ですね。
たとえば「私などとても及びません」といった使い方をします。
この「など」は、他のものを省略する意味ではありません。
「私などとても及びません」とは、「私ではとてもかなわない」という意味。
また、「強調」の意味もあります。
「嘘などつかない」といった使い方をしますが、「嘘」を強調して「嘘というそんな愚かな行為はしない」といった意味になります。
これも省略の意味ではありません。
さらに、「やわらかく」する意味もありますが、これは省略の意味も含んでいます。
「お茶などいかがですか」といった使い方をします。
「やわらかく」する意味もあるのですが、「お茶の他にもコーヒーや紅茶もありますが、いかがですか?」という省略する意味もあります。
③「ら」は、「人」に使う!「へりくだる」「見下し」も!
「ら」も「など」「とう」と同様で、同じような物の代表例をあげて、他のものを省略する場合に使う言葉なのですが…。
「ら」は基本的に「人」に対して使います。
「彼らが」「君らは」といった使い方をしますが、「鉛筆らを買う」とはいいません。
「彼らが」は「彼や、その他の人たちが」、「君らは」は「君たちは」といった意味ですね。
それから、同じように省略の意味なのですが、他の意味合いを含む場合があります。
1つは、使い方によって「へりくだる」意味を含むということ。
たとえば、「私らにはとてもできない」といった使い方をします。
これは、「私たちの能力では無理です」といったへりくだった意味。
2つめは、使い方によっては「見下す」意味を含みます。
「奴らが」「あいつらは」といった使い方をしますが、言い換えれば「あの野郎ども」といった見下した悪意が込められます。
ですから、「ら」を使う場合は注意が必要です。
「ら」も省略以外の意味があります。
「おおよその状態を示す」意味です。
たとえば、「ここらで、一休みしようか」といった使い方をします。
「このあたりで、一休みしよう」という意味。
あと、「そこらにあると思います」といった使い方をしますが、これは「そのへんにあると思います」という意味です。
これは、「そこの他に、その周辺」ということで、若干ですが省略の意味も含んでいますね。
④「とう」「など」「ら」の使い分けを整理!
ここまで、「とう」「など」「ら」の意味を詳しく説明してきましたがもう一度整理しますね。
まず「等」の読み方は一般的には「ひとしい」「とう」「など」「ら」です。
しかし、常用漢字表には「ひとしい」と「とう」しかありません。
ですから、公用文に限っては「など」「ら」といった読み方はできません。
「とう」「など」「ら」は、同じような物の代表例をあげて、他のものを省略する場合に使う言葉で全て同じ意味です。
ただし、「ら」は主に「人」に対して使います。
また「ら」には、使い方によっては「へりくだる」意味と「見下す」意味があるので、注意が必要です。
それから、一応頭に入れておきたいのが以下の部分。
「とう」は「順位」「等級」。
「など」は「へりくだる」「強調」「やわらかく」。
「ら」は「おおよその状態を示す」。
といったように、省略以外の意味があることを覚えておきましょう。
2.「等」の辞書での意味!
今度は、一応「とう」「など」「ら」が辞書でどのような内容になっているのかみていきましょう。
①「とう」の辞書での意味!
【等(とう)】
①同類のものの代表例をあげ、他のものを省略するのに用いる語。など。ら。「高校生・大学生―の若者」
②等級・順位を示す。引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりになっていますね。
そして、注目すべきは意味の中に「など」「ら」とあること。
つまり、意味は「とう」「など」「ら」全て同じということです。
さらに、等級や順位を示す意味も載っています。
「一等賞」の「とう」ですね。
②「など」の辞書での意味!
【など】
①例示の意を表す。同類が他にもあることを言外にこめる。「鉛筆―を買った」
②軽視・へりくだりの意を表す。「私―とても及びません」
③強意を表す。「うそ―つかない」「悪く―ない」
④あるものを指すのにやわらかく言う。「お茶―いかがですか」引用元:旺文社国語辞典
「など」も説明したとおりの内容です。
そして、意味②③④は「へりくだる」「強調」「やわらかく」といった意味。
ただし、④は省略の意味も含んでいます。
③「ら」の辞書での意味!
【等(ら)】
①(人を表す語や指示代名詞に付けて)
㋐複数を表す。「子供―」「これ―」
㋑一つをあげて同類のものをまとめて表す。「A氏―三人」
㋒第一人称の代名詞や人を表す語に付けて、へりくだる意や見下す気持ちを表す。「私―にはとてもできない」「あいつ―」②(場所を表す語や代名詞に付けて)おおよそその状態を指し示す。「ここ―」「そこ―」(仮名書きが普通)
引用元:旺文社国語辞典
前の項目と同じ意味で、しかも「人」に限定していますね。
見下す意味がある使い方もありますので、使い方は要注意です。
あと、意味②にあるように、おおよその状態を示す意味もあります。
「ここらで…」といった使い方をします。
「等」は省略する場合に使いますが、大体の数値を表す場合は「○○台」や「○○代」を使います。
血圧や年齢や時間、どれが「台」でどれが「代」を使うべきかご存知ですか?
詳しくは、下の記事を覗いてみてください。
まとめ
以上が、「等」の読み方と意味、使い分け方法についてでした。
「等」は「とう」「など」「ら」と読み、全て同じ意味です。
注意点は、公用文で「など」「ら」とは読まないということ。
それから、「ら」は基本的に「人」だけ。
また、「ら」は「見下す」意味を含む場合がありますので注意が必要ですよ。
「等」は省略する場合に使いますが、省略を意味する言葉は他にもあります。
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