「寺院」と「寺」、この二つは同じもの?それとも違うもの?
「こっちは○○寺で、こっちは○○院」と、名前の付け方に明確な決まりはあるのだろうか。
ということで、今回は「寺院」と「寺」の意味や違いなどについて調べてみました。
1.「寺院」と「寺」の意味の違いとは?
いろいろと事典を調べてみました。
は宗教儀式ができるところ、宗教施設
【寺院】
は宗教儀式と僧侶が宿泊できるところ、宗教施設+宿泊施設
とありました。
さらに、広辞苑も調べてみました。
仏像を安置し、僧・尼が居住し、道を修し教法を説く建物。(以下略)
【寺院】
(「院」は支院を指す)寺(寺)。
広辞苑を見ると、「寺」も僧侶の居住スペースも含んでいるみたいです。
どうやら参考図書の上では、「寺」と「寺院」には明確な違いはないみたいですね。
実は、○○寺や○○院というのは通称名で、寺の正式名称(山号院号寺号)の一部を切り取ってつけられています。
たとえば、浄土宗総本山の「知恩院」は、正式には「華頂山知恩院大谷寺」ですが、真ん中の「知恩院」の名前で親しまれています。
「金龍山伝法院浅草寺」は最後の「浅草寺」が通称名ですね。
寺の名前の○○寺、○○院というのは、正式名称のどの部分を切り取ったかの違いだけということです。
つまり、呼びやすいような名称に省略するときに、「寺」「院」のどちらを含むか、ということですね。
2.「霊園」や「仏閣」と「寺」の違いとは?
多磨霊園などの「霊園」とは、寺院に属さない墓地のことです。
寺院に属さないので、宗派宗旨は不問です。
宗教法人などが運営する民営霊園と、市町村や都道府県が運営する公営霊園があります。
「仏閣」とは「寺の建物。寺院。仏堂。(広辞苑より)」のことです。
これを見ると、「仏閣」は「寺・寺院」と大体同じ意味ですね。
また、「仏閣」は「神社仏閣」という形で使うことが多いです。
「神社仏閣」とは、「神社と寺」という意味です。
3.「神宮」や「神社」と「寺」の違いは?初詣はどっち?
「神宮」も「神社」も同じ、神道の神をまつるところです。
「神宮」や「神社」、さらに「大社」などは社号といいます。
「神宮」は皇室の祖先神や天皇を祀る神社や、大和平定に功績のある特定の神を祀る神社につけられる社号です。
明治維新以前は、「神宮」は伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮の3つだけでしたが、現在は24社あります。
・伊勢神宮(天照大神、皇室祖先神)
・鹿島神宮(武甕槌神、その他)
・香取神宮(経津主神、その他)
・橿原神宮(神武天皇、天皇)
・宇佐神宮(応神天皇・神功皇后、天皇)
・赤間神宮(安徳天皇、天皇)
・明治神宮(明治天皇、天皇)
この中でも別格なのは「伊勢神宮」です。
明治以前は、ただ単に「神宮」というときには「伊勢神宮」のことを指していました。
【伊勢神宮】
そして「大社」がつくのは、格式が高く大規模な神社です。
出雲大社が有名ですね。
つまり、神社は神社でも、「神宮」と「大社」はちょっと別格ということですね。
新年に初詣に行くのは神社や神宮、大社、お寺どちらでも構いません。
昔は、「神」「仏」とも同一視されていたのですね。
ただし、大晦日の除夜の鐘はお寺にしかありません。
なので、大晦日の夜はまずはお寺で除夜の鐘をつき、その後、神社や神宮に初詣に行くのもよいのではないでしょうか。
いろいろな神社、お寺を何度も回るのはNGではありません。
私は、大晦日の夜は寝ます(笑)
まとめ
以上が、「寺院」と「寺」の意味や違いなどについてでした。
「寺院」と「寺」には、明確な違いはありません。
「霊園」はお寺の墓地以外の墓地のことです。
そして「仏閣」と「寺」にも違いはありません。
「神宮」や「神社」は神道の神をまつるところで、そのうち、皇室祖先神や天皇などをまつるところを「神宮」といいます。
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