よく映画などで「精霊」が出てきたり、「妖精」が出てきたり…。
そういわれてみれば、この二つの違いをご存知ですか?
なんとなく同じものを意味しているようにみえるこの二つ、実は別物です!
ということで、今回は「精霊」と「妖精」の違いなどについて調べてみました。
1.「精霊」と「妖精」の違いは?
まずは「精霊」と「妖精」を広辞苑で調べてみます。
①万物の根源をなすという不思議な気。精気。
②草木・動物・人・無生物などの個々に宿っているとされる超自然的な存在。
③肉体または物体から解放された自由な霊。逝去した人の霊魂。
【妖精】
・(fairy)西洋の伝説・物語に見える自然物の精霊。美しく親切な女性などの姿をとる。ケルトやラテン系民族に多く、各国で名は違う。仙女。
うーん、違いが分かるような、分からないような(;´∀`)
では、もう少しかみ砕いてわかりやすく説明しますね。
「精霊」とは、自然界の形ある全ての物に宿る魂や霊のことで、基本的に姿形はありません。
たとえば、山にも木にも石にも目に見えない魂や霊が宿っているということですね。
具体的には、水の精霊のウンディーネ、火の精霊のサラマンダー、風の精霊のシルフ、地の精霊のノームなどが有名です。
というと、「映画でサラマンダー見たことあるし、姿形見えるじゃん」と思うかもしれませんが、これは映画などでエンターテイメント性を高める意味で擬人化しているのですね。
それからもう一つの考え方、広辞苑の③の意味で、既にこの世にいない人間の霊魂という意味もあります。
まあ、宗教や国により意味は一定ではないということですね。
「妖精」とは、自然界の物に魂や霊が宿った精霊のひとつなのですが、姿形がある物質的な存在です。
ただし、宿る自然界の物の中でも草や花など、比較的小さいものが多いようです。
また、姿形が存在するという意見のほかに、実際には姿形は存在しないという考えもあるみたいですね。
それから、妖精は高い知能と特殊な能力を持っており、遊んだりするほか、悪さやいたずらもします。
特殊な能力を持ち、悪さやいたずらをするといことでは、日本の「妖怪」に似ていますね。
とういことは、「河童」や「天狗」も妖精なのか?
もしかしたら、「妖精」も「妖怪」も同じ存在なのかもしれません。
有名な妖精を紹介すると、昆虫の「フェアリー」、架空の霊長類の「エルフ」、それから架空の種族である「ホビット」「ドワーフ」「ピクシー」などがいます。
あと、白雪姫に出てくる小人も妖精、ピーターパンのティンカーベルも妖精です。
ちなみに、白雪姫の小人は「ドワーフ」で、ティンカーベルは「フェアリー」なのだそうです。
ということで、「精霊」と「妖精」の違いをまとめると、自然界の何かに魂や霊が宿ったものという部分は同じですが、「精霊」は姿形がないのに対し「妖精」は姿形があります。
それから「妖精」は特殊能力を持ち、悪さやいたずらをします。
2.「天使」と「妖精」の違いは?
そういえば、ティンカーベルには羽があったと記憶していますが、天使のも羽があったような…。
んっ?「天使」と「妖精」の違いが気になる、ということで「天使」を広辞苑で調べます。
・(ギリシア語のangelosは「派遣された者」の意)神の使者として派遣され、神意を人間に伝え、人間を守護するというもの。セラピム(熾天使)・ケルビム(智天使)など。エンゼル。エンジェル。
(一部省略あり)
つまり、人間と接触する神の使いが「天使」なのですね。
宗教によって多少の違いはあるものの、おおまかには神のお告げを伝えて人類を守ることが目的とされています。
天使には9つの階級が存在しており、有名な天使のガブリエル(生命)、ミカエル(し)、ウリエル(気象)、ラファエル(守護)などがいますが、彼らは下から2番目の階級である大天使です。
また、新約聖書の「ヨハネの黙示録」ではルシファーなど神に反逆した堕天使もいます。
ちなみに、堕天使とは悪魔のことです。
さらに「ヨハネの黙示録」では、天使が吹き鳴らすラッパにより世界に災厄がもたされたりしています。
天使も、全て正義の味方であるとは限らないのですね…。
日本の天使といえば、お稲荷さんの「キツネ」や鹿島神宮や厳島神社の「鹿」、熊野三山の「八咫烏(やたがらす)」が当てはまるのかもしれません。
日本では「神使(しんし)」や「眷属(けんぞく)」といわれています。
ということで「天使」と「妖精」の違いは、「天使」は神の使い、「妖精」は霊や魂、ということで存在意義も目的も違います。
鹿島神宮や厳島神社の説明をしましたが、神社の「神主」「宮司」「禰宜」の違いをご存知ですか?
詳しい内容については、下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「精霊」と「妖精」の違いなどについてでした。
精霊と妖精の区別は難しいですが、自然の物に宿り目に見えないのが「精霊」、自然の小さな物に宿り目に見えるのが「妖精」と分けるのが一般的です。
また、妖精は明るかったり無邪気だったりいたずら好き、ときには残酷なこともします。
「天使」とは神の使いのことで、神のお告げを伝えて人類を守ります。
「寺院」と「寺」の違いについては、下の関連記事を覗いてみてください。