神社にいるのは、神主さんなのか宮司さんなのか?
んっ、どっち?
職業の名前なのか、それとも役職の名前なのかがよくわかりませんよね。
教会には牧師さんや神父さんがいますが、この違いは教派の違いらしいのですが、神社もそういった違いなのか?
ということで、今回は「神主」と「宮司」、それに「禰宜」の違いなどについて調べてみました。
1.「神主」「宮司」「禰宜」の違いは?
まず「①神主」と、「②宮司、禰宜」は同列のものではありませんので分けて説明します。
①の「神主」とは、職業の種類でありいわゆる職種のこと、②の「宮司」や「禰宜」は職の位でありいわゆる役職のことです。
警察官や清掃業、バスの運転手や歌手など様々な職種がありますが、「神主」もその一つの職種になります。
正確には「神主」は「神職」といいます。
そして、会社には「社長」や「部長」、「課長」などの役職がありますが、「宮司」や「禰宜」もそういった役職の名称になります。
「宮司」と「禰宜」を一般的な会社に当てはめるならば、「宮司」は社長で「禰宜」は部長つまり現場のトップといった扱いになります。
実は、元々「神主」も社長に相当する役職名だったのですが、時代が進むにつれて「役職」から「職種」へと変化しました。
神社の職位を上から並べると以下のようになります。
【神社の職位】
①宮司(ぐうじ)
神社の最高責任者(代表)
②権宮司(ごんぐうじ)
宮司の補佐役(副代表)
(神社本庁が包括している一部の神社だけに置かれる役職)
③禰宜(ねぎ)
宮司や権宮司の補佐と、現場の取りまとめ役(代表・副代表補佐)
④権禰宜(ごんねぎ)
一般職員
その他には、神職には含まれませんが「出仕(しゅっし:神職見習い)」や「巫女(みこ)」などがあります。
権宮司や権禰宜の頭についている「権」の字は「副」の意味があります。
2.「神宮」の職位は?神社とは違う?
「神社」のほかに「神宮」がありますよね。
「神社」や「神宮」は、社号といってその神社の「尊さ」「格式」を意味しています。
ほかには、「大社」「宮」「社」などがあります。
そしてこの「神宮」とは、皇族の祖先神が祀られている神社のことなのです。
ちなみに、明治神宮には明治天皇が祀られているのです。
そのため、職位も通常の神社とは若干異なります。
たとえば、天照大御神が祀られている伊勢神宮の職位は以下の通り。
【伊勢神宮の職位】
①祭主(さいしゅ)
主宰者
②大宮司(だいぐうじ)
祭祀の総括
③少宮司(しょうぐうじ)
大宮司の補佐
④禰宜(ねぎ)
上位職の補佐と、現場の取りまとめ役
⑤権禰宜(ごんねぎ)
一般職員
伊勢神宮の最高位は「祭主」です。
祭主は伊勢神宮にしかない職位で、皇族や皇族であった人しか就くことができません。
現在の祭主は今上天皇(平成)の第1皇女、黒田清子氏です。
皇太子殿下、秋篠宮殿下の妹さんですね。
伊勢神宮にしかないもう一つの職位が「大宮司」です。
「大宮司」は、過去にはほかの神宮にもいたのですが、現在は伊勢神宮だけになっています。
そのほかには「宮掌(くじょう)」や「出仕」「巫女」もいますが、「宮掌」については伊勢神宮と熱田神宮にしかいません。
宮掌は正式な神職ではない職位で、現在の伊勢神宮では40名の定員になっています。
「寺院」と「寺」の違いについては、下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「神主」と「宮司」、それに「禰宜」の違いなどについてでした。
「神主」とは職種のことで、正式には「神職」です。
そして「宮司」や「禰宜」とは、職位のことでトップが「宮司」、その下に「権宮司」その下に「禰宜」がいます。
他にも関連記事がありますので、もしよかったら覗いてみてください。
「精霊」と「妖精」の違いをご存知ですか?詳細は下の記事をどうぞ!