「手段」と「方法」って意味が似ているような気がします。
使い分けってどうなっているんでしょう。
あっ、でも「強硬手段」とは言うけど「強硬方法」とは言わないから、やっぱり「手段」と「方法」には違いがあるのでしょうね。
ということで、今回は「手段」と「方法」の意味の違いや使い分けなどについて調べてみました。
1.「手段」と「方法」の意味の違いと使い分けは?
広辞苑を調べてみました。
目的を達するための具体的なやり方。
【方法】
しかた。てだて。目的を達するための手段。または、そのための計画的措置。
うむ、ぱっと読んだ限り、同じ意味だな(笑)
よくよく見くらべると、手段には「具体的な」という文言が入っていますね。
つまり、手段は方法に比べると「具体的な行為ややり方」をしめしています。
もっとかみくだくと、その目的を具現化するための「方法」のうち、一つのやり方が「手段」といったらわかりやすいでしょうか。
ですから、「方法」の中に「手段」も含まれます。
なので、「手段」を「方法」といいかえる(逆もまたしかり)ことができます。
ただ、「手段」をいつでも「方法」と言い換えることができるわけではありません。
使い分けを調べてみました。
【「手段」のみで「方法」が使用できないケース】
①強硬手段
強硬手段とは、交渉を一方的に打ち切ったり、武力などを用いることで、「強硬方法」とはいいません。
②常套手段(じょうとうしゅだん)
常套手段とは、いつも決まって使われるやり方のことで、「常套方法」とはいいません。
【「手段」と「方法」を使い分けるケース】
①生産方法と生産手段の場合
このときの「方法」とは様々な手段を使って生産するやり方で、「手段」は具体的な原料や道具、建物、設備などをさしています。
わかりやすく説明すると、たとえば「手作業→機械化」が生産方法で、その機械の動力源を「石油燃料」にするか「ガス燃料」にするか、といったことが生産手段となります。
②輸送方法と輸送手段の場合
たとえば「空輸」が輸送方法で、「○○航空との専属契約」というのが輸送手段です。
※①②はあくまでも説明のための一例です。
【「手段」と「方法」両方使用できるケース】
①患者の命を救うための手段(方法)を考える
②○○を実現させるための有効な手段(方法)を考える
このように、目的を実現させるためのやり方という意味では、手段も方法も同じ意味で使うことができます。
2.「手法」「手順」「方策」「方針」の意味の違いは?
「手法」とはやり方や手口のことで、特に芸術作品をつくるときの技法や表現方法をさすことが多いです。
また、手法はある程度決まった(決まっている、型にはまっている、確立された)やり方をいうことが多いです。
例)新手法を用いる、写実的な手法、詐欺の手法
「手順」とは、目的を達成するまでの順序のことです。
「まずあれをやって、その次にこれをやって、ああしてこうして」というのが手順ですね。
段取りとほぼ同じ意味です。
例)手順を踏む
「方策」は、手段や方法とほぼ同じ意味なのですが、「はかりごと」「計略」の意味もありますので、「方法」に比べて事前の計画性が強くなります。
例)方策をたてる、事故防止の方策
「方針」は、元々は、磁石(コンパス)の方位を示す針のことで、そこから「めざす方向」や「物事や計画を実行する上の、およその方向」の意味になりました。
例)方針を決める、方針を誤る、教育方針
「方策」と「方針」の違いは、「方針」は目的・目標達成に向けた方向性のことで、「方策」は目的・目標達成のために計画的に練った具体策のことです。
「目的」や「目標」といった言葉を使いましたが、「課題」と「目標」、「意義」と「目的」に関しては下の関連記事をご覧ください。
まとめ
以上が、「手段」と「方法」の違いや使い分けなどについてでした。
手段と方法はほぼ同じ意味ですが、手段の方が方法よりも具体的なやり方という意味があります。
また、一方的で強硬なやり方では「手段」ということが多いです。
「促進」と「推進」の違いについては下の記事をどうぞ。