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「有難い」の語源や由来を解説!「ありがたい」の元々の意味は?

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「有難い」は、人から何かしてもらったときなどに表れる、うれしい感謝の気持ちの意味の言葉ですよね。

そんなおめでたい意味であるにもかかわらず、なぜか「困難」や「難問」で使われる「難しい」という漢字が使われています。

なぜ「難しい」が使われているのか不思議ですよね。

ということで、今回は「有難い」の謎の語源について解説します。
 

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1.「有難い」の本来の意味と語源/由来とは?

「有難い」とは、人からものをもらったり恩恵を受けたりしたとき、うれしく思ってそれに対する感謝の気持ちを表す意味があります。

そしてその感謝の気持ちを相手に伝える際は「有難う(ありがとう)」と言います。

「有難い」は形容詞、「有難う」はその連用形で、英語でいう「Thank you」す。

「有難い」は元々、「所有」の「有(あり)」や「存在」の「在(あり)」という言葉と、困難の「難(かたし)」という言葉が合わさってできた複合語です。

要するに「あり」+「かたし」で「ありかたし」、ですね。

元々はどういった意味なのでしょう。

それは「有ること自体が難しい」「存在することが難しい」ということ、つまり「めったにない」「珍しい」というのが「有難い」の本来持っている言葉の意味なのです。

その意味が、時代が進むにつれ仏教の「生命の存在自体が難しい、珍しいこと(生命誕生は素晴らしいこと)」という教えから、「有難い」が「めったにない」という意味から「感謝の気持ち」を表す言葉になりました。

清少納言が書いた「枕草子」、「ありがたきもの」の段に「有難い」が「珍しい」という意味で出てきます。

「ありがたきもの。舅にほめらるる婿、姑に思はるる嫁の君。」

これは「めったにないもの。しゅうとにほめられるお婿さん。また、しゅうとめに大切にされるお嫁さん」という意味で、「ありがたきもの」が「珍しい、めったにないもの」といった意味で使われています。

また紫式部が書いた「源氏物語」、「東屋」では以下のような表現があります。

「世の中はありがたくむつかしげなる物かな」

これは、「世の中は生きにくく難しいものだなあ」という意味で、「ありがくむつかしげ」が「過ごしにくく、難しい」や「住みづらく、難しい」といった意味で使われているのですね。

この場合は「珍しい」という意味よりも、上記で説明した「存在することが難しい」の方が近く「困難」を表す意味です。

ところで、この「有難い」という言葉は時代とともに意味の変遷が著しく変化しています。

同じ「がたい」が付く「堪え難い(たえがたい)」や「得難い(えがたい)」といった言葉などは、「困難」の意味が残っているのに対して、「有難い」は困難の意味はいつの間にか消失し、「特にすぐれている」や「この上なく尊い」の他「この上なく喜ばしい」といった意味を経て、最終的に現代の「感謝」の意味にたどり着きました。

この「感謝」の意味の用例が実際に文献で使われ出すのは江戸時代中期以後のことです。

為永春水(ためながしゅんすい)が江戸時代に書いた「春色梅児誉美(しゅんしょくうめごよみ)」にあります。

「御隠居様のありがたいおぼし召し」

文献では「春色梅児誉美」で初めて「ありがたい」が「感謝」の意味で使われますが、それ以前に「感謝」の意味を表現する場合は「かたじけない」が使われていました。

今では、「かたじけない」は非常に古めかしい感じの言葉になっています。

「かたじけない」は年配者の堅苦しい書簡文にごくまれに使われる程度で、若年層にはもしかしたら通じないかもしれませんね。

有難いの語源1
 

2.「有難い」が「有難う」へ変化した理由は?

では形容詞の「有難い」がなぜ「有難う」となったのでしょう?

前項でも解説しましたが、「有難い」は元々「あり」+「かたし」で「有難し」が始まりです。
 


 
「有難し」が「有難き」や「有難く」などと使われ、「有難い」も使われるようになったのです。

さて、そういった様々な気持ちを相手に伝える際は今も昔も「ございます」を付けて発言します。

たとえば、「辛い」気持ちを伝えるときは、現在は「辛い気持ちでございます」ですが、昔は「辛うございます」と発言していたのですね。

有難いの語源2

また「かたじけない」を伝えるときは、「かたじけのうございます」となるわけです。

ということで、「有難い」は「有難うございます」というわけですね。

「苦しうございます」や「辛うございます」などという表現は、さすがに現在は無くなってしまいましたが、なぜか「有難うございます」は残っているのです。
 

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まとめ

以上が「有難い」の語源と由来、元々の意味についてでした。

なにげなく当たり前に使っている言葉なのですが、奥が深いですね。

それにしても、「難しい」という意味の言葉が「感謝」の意味の言葉にたどり着くとは、普通は想像もできませんよね。

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