ピザの上のチーズは、よく伸びますね。
特に、できたてほやほやの熱々のピザであればなおさらです。
ですが、チーズは乳製品ですのでタンパク質ですよね。
タンパク質は普通、熱を加えると固まってしまうと思っていましたが、違うの?
ということで、今回はチーズが伸びる理由などについて調べてみました。
1.チーズが伸びる理由は?なぜ伸びる?
チーズは乳製品ですので成分はタンパク質です。
タンパク質の特徴は熱を加えることで固まってしまうということです。
卵に熱を加えると、卵焼きやゆで卵のように固まってしまいますよね。
では、なぜチーズのタンパク質は固まらずに伸びるのか?
チーズの原料である牛乳に含まれるタンパク質の80%を占めているのが「カゼイン」という成分です。
このカゼインという成分は、仔牛が乳を飲んだときに、速やかにアミノ酸に分解されて消化を助ける役割をします。
そのカゼインにも複数の種類があります。
分子の集合体のことを「ミセル」と呼ぶのですが、この場合は複数のカゼインの集合体ですので「カゼインミセル」といいます。
このカゼインミセルが網目状につながり合っているのですが、そういった網目の性質が伸びる原理なのです。
網目状になっている繊維を引っ張ることで、伸びるのと同じ原理なのですね。
通常のタンパク質は、熱を加えることで固まってしまうのですが、このカゼインミセルは熱に強いため固まることはありません。
逆に、熱を加えることで網目の一部が壊れてとろーりと伸びるというわけです。
2.伸びるチーズの種類は?伸びないチーズもあるの?
伸びるチーズの前に、まずはチーズの分類から説明します。
チーズは大きく「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類に分けられます。
「ナチュラル」とは、「自然の」「ありのままの」といった意味。
ですから、「ナチュラルチーズ」とはミルクを原料に製造したチーズのことで、カマンベールチーズやブルーチーズ、モッツァレラチーズなどが当てはまります。
そして「プロセス」とは、「食品保存のための加工処理」という意味です。
「プロセスチーズ」とは、ミルクから製造するのではなく、ナチュラルチーズを再び加工してつくったチーズのことです。
「プロセスチーズ」は長期保存がメリットで、6Pチーズやスライスチーズが当てはまります。
そして、比較的伸びるものが多いのが「ナチュラルチーズ」で、伸びないものが多いのが「プロセスチーズ」の方です。
「ナチュラルチーズ」の中でも最も伸びるチーズが、「モッツァレラチーズ」です。
ピザなどにもよく使われるチーズで、加熱することで長い糸を引きます。
あとは、「ゴーダチーズ」も「ナチュラルチーズ」の一つで、よく伸びるチーズです。
とても香りが良いチーズです。
それから、「プロセスチーズ」の方は、通常の製造方法では伸びるチーズはできません。
つまり、「プロセスチーズ」は基本的に伸びないということ。
ですが、製造方法を工夫することで伸びるチーズがつくることができるのです。
スライスチーズには、「とろけるチーズ」といった表示があるものがありますが、これが加工を工夫し伸びるように製造されたチーズなのですね。
まとめ
以上が、チーズが伸びる理由や、伸びるチーズの種類などについてでした。
チーズが伸びる理由は、ミルクのタンパク質であるカゼインが網目状につながっているからです。
カゼインは熱に強いことから、熱を加えても固まらず、一部の網目が壊れて伸びるのです。
特に伸びやすいチーズの種類は、ナチュラルチーズの中のモッツァレラチーズやゴーダチーズなどです。
プロセスチーズでも、加工を工夫することで伸びるチーズを製造することができます。