石油ストーブに火をつけることを何と呼びますか?
「点火」?「着火」?…、よくよくストーブを見ると「点火装置」と表記されています。
火をつけることは「点火」でよいのか?
では、「着火」はどういう意味なのか??
そして、どういった使い分けをするのか…。
ということで、「点火」と「着火」の違いを徹底的に調査することにしました。
本記事では、「点火」と「着火」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「点火」と「着火」の意味の違い!
最初に、「点火」と「着火」の意味の違いを簡潔にお伝えしますね。
「着火」とは、基本的にある物体に火がつくことです。
「つける」の「能動的」と、「つく」の「受動的」といった違いです。
では、さらにわかりやすく詳細に説明していきますね。
①「点火」と「着火」では主語が違う!
「点火」は、人間が火をつけることですので、主語が何かといえば「人間」です。
ですから、主語である人間が、能動的に火をつけるのですね。
一方の「着火」は、物体に火がつくことですので、主語は「物体」になります。
つまり、主語の物体が、受動的に火をつけられるということ。
一般的にはこういった違いなのですが、「着火」には人間が「火をつける」という意味も含まれています。
②自然発火がある「着火」、自然発火がない「点火」!
「点火」は、人間が人為的に「火をつける」ことです。
そして「着火」も、人間が人為的な行動の結果によって「火がつく」こと。
主語が違いますが、両者とも「人為的行動」で発火するわけです。
ただし、「着火」については、人為的行動がなく火がつく場合があります。
具体的には、自然発火などですね。
たとえば、ガスが充満している状態で、自然発生した火花がガスに引火し発火することを「点火」とはいいませんが「着火」といいます。
この場合は以下のような表現になります。
「充満したガスに、自然発生した火花の影響で『着火』した」
③「点火」と「着火」の違いを整理!
ということで、一旦「点火」と「着火」の違いを整理しますね。
「点火」は、人間が火をつけることで主語が「人間」。
「着火」は、物体に火がつくことで主語が「物体」です。
ただし、「着火」は「火がつく」という意味以外に、人間が「火をつける」意味も含んでいます。
さらに、自然発火の場合は「点火」とはいわず、「着火」といいます。
2.「点火」と「着火」の辞書での意味!
違いについては、ご理解いただけたかと思います。
ですが、一応、念のため辞書の内容を確認していきましょう。
①「点火」の辞書での意味!
最初は「点火」です。
【点火】
・火をともすこと。火をつけること。また、爆発物などの、発火の操作をすること。
引用元:旺文社国語辞典
最初の説明にはない部分で「爆発物に火をつける行為」があります。
「ダイナマイト点火!」みたいな意味ですね。
②「着火」の辞書での意味!
続いて、「着火」。
【着火】
・火がつくこと。また、火をつけること。「―装置」
引用元:旺文社国語辞典
こちらの方は、前項の説明どおりとなっています。
3.「点火」と「着火」の使い方!
今度は、「点火」と「着火」の実際の言葉の使い方をご紹介します。
①「点火」の使い方!
・点火プラグでエンジンを始動させる。
・石油ストーブの点火装置が壊れた。
・オリンピックの開会式で聖火台に点火する。
・明治時代のガス灯は点火棒で一つずつ火をつけなくてはいけない。
・爆薬に点火する際は必ず警告を実施すること。
②「着火」の使い方!
・炭でバーベキューをする際はジェル状着火剤が便利。
・炭に火をおこす道具として木材が原料の着火材もある。
・油は自然着火温度に達することで発火することがある。
・エンジンは圧縮着火の技術が使われている。
・ガスコンロからガス漏れがあり自然に着火したと思われる。
まとめ
以上が、「点火」と「着火」の意味の違いと使い分けについてでした。
人間が火をつけるのは「点火」で、主語が「人間」です。
物体に火がつくことは「着火」で、主語が「物体」。
ただし、気を付けなければならないのが、人間が火をつけることを「着火」といっても間違いではありません。
それから、自然発火の場合は「点火」ではなく、「着火」を使います。
ところで、「火」に関する説明でしたが、「火」といえば「炎」という言葉があります。
「火」と「炎」の違いをご存知ですか?
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