「粗利」だとか「営業利益」だとか、一つの会社・一つのお店なのに利益の名前によって色々な数字が出てくるから、どれがその会社の儲けなのやら、一体その会社は儲けているのか儲けていないのか、よく分かりませんよね。
また、結局「○○利益」のどれがその会社の懐に入ってくるのかもよく分からない……
ということで、今回は「粗利」と「営業利益」の違いなどについて調べてみました。
1.「粗利」と「営業利益」の違いは?
「粗利(粗利益)」は売上総利益のことです。
売上から売上原価を引いた金額が「粗利(売上総利益)」です。
たとえば、1万円で仕入れたものを5万円で売ったとき、粗利は「5万円(売上)-1万円(売上原価)=4万円(粗利)」です。
「営業利益」は、粗利(売上総利益)から商品を売るのにかかる様々なお金、つまり経費を引いた金額です。
こういった経費は通常、販売費や一般管理費といい、具体的には以下のようなものがあります。
・人件費
・不動産賃貸料
・通信費
・水道料/光熱費
・広告費/宣伝費
・接待費/交際費
・旅費交通費
・消耗品費
・保険料
・減価償却費
商品を売るのにかかった経費を粗利から引くと「営業利益」になります。
売り上げで良い結果を出したとしても、それに関わる経費がかさむことで、営業利益は少なくなるのです。
まとめると、以下のようになります。
・売上-売上原価=粗利
・粗利-経費(販売費+一般管理費)=営業利益
なので、営業利益は粗利よりも少なくなります。
「償却資産税」や「固定資産税」については、下の関連記事をご覧ください!
2.「経常利益」「純利益」とは?
「経常利益」とは「企業の通常の経営活動から、毎期経常的・反復的に生ずる利益。営業利益に営業外損益を加減したもの。特別損益は含まない。(広辞苑より、一部省略)」ということです。
分かりにくいですね。
わかりやすく説明します。
営業利益は粗利から商品を売るのにかかるコストを引いたものでした。
しかし会社は、株を売って売却益を得たり、反対に借入金の利息を支払ったりなど本業以外からの収入や支出もあります。
営業利益から本業以外の損益を足したり引いたりしたのが「経常利益」です。
経常利益を算出するための本業以外の損益を「営業外収益・営業外費用」といいます。
具体的な営業外収益と営業外費用は以下のとおりです。
・受取利息
・割引料
・有価証券利息
・受取配当金
・有価証券売却益
・不動産賃貸料
【営業外費用】
・支払利息
・割引料
・社債利息
・有価証券売却損
・貸倒償却
本業で売り上げが順調で営業利益が良くても、高額の借入金がある場合、その返済や利息の負担が多くなると「経常利益」が少なくなります。
「純利益」とは「一会計期間の総収益から総費用を差し引くことによって計算される。経常利益に特別損益を加減したもの。純益。(広辞苑より、一部省略あり)」のことです。
わかりやすく説明すると、「純利益」とは経常利益から、本業とは関係ない不動産などの売買で発生した特別損益や、様々な税金を引いた金額です。
つまり、その会社の最終的な利益のことですね。
具体的な特別損益は以下のとおりです。
・固定資産売却損益
・災害による損失
・希望退職者募集による割増退職金
・固定資産扱いの有価証券の売却損益
「経常利益」と「純利益」をまとめると、以下のようになります。
・営業利益+営業外収益-営業外費用=経常利益
・経常利益+特別損益-税=純利益
【「営業利益」「経常利益」「純利益」の違い】
「備品」と「消耗品」の違いについては、コチラの記事をご覧ください!
まとめ
以上が、「粗利」と「営業利益」の違いなどについてでした。
「粗利」は、売上から売上原価を引いた金額のことです。
「営業利益」は粗利から経費などを引いた金額のことで、会社が本業で稼いだ利益のことです。
「経常利益」とは、営業利益に営業外収益・営業外費用を加減した金額で、本業と本業外から得た利益のことです。
さらに「純利益」とは、経常利益に特別損益や税金を加減した金額のことで、会社の最終的な利益です。