「令和」の時代です!
この元号ですが、現在では世界で日本だけが使っている素晴らしい文化。
「新しい時代の幕開け」ということで、本当に気持ちの良いものですね!
ところで、1989年の平成の最初の年、この年は「平成1年」とはいいませんでした。
「平成1年」ではなく「平成元年」といいましたよね。
最初の年を「元年」と呼ぶのは、ず~と昔からの慣例です。
「明治元年」「大正元年」「昭和元年」「平成元年」となり、そして次は「令和元年」です。
では、この「元年」表記に法的な根拠はあるのか?また「1年」と書くと間違いなのか?徹底的に調べてみましたよ!
ということで、本記事では「令和1年」ではなく「令和元年」とする根拠について徹底調査した結果をお伝えしていきます。
かなり、深掘りしましたのでご期待ください!
1.「令和1年」ではなく「令和元年」とする根拠とは!
実は、令和の最初の年を「令和元年」と呼ばなくてはいけないという法律は存在しません。
これは、「元号法」という法律に明文化されていないということなのです。
「元号法」とは、昭和54年(1979年)に制定された法律。
この「元号法」には、「改元の最初の年を元年とする」といった内容は記載されていないのです。
でも、これだけだと今一つ確信が持てませんよね…。
では、昭和54年(1979年)以前の法律はどうだったのか?
実は、「明治から大正」、「大正から昭和」へそれぞれ改元されるときは、法律に明記されていたのです!
大正の時は「大正元年と為す」、昭和の時は「昭和元年と為す」と改元の1年目を「元年」とするということがハッキリと明記されていたのですね。
そして、昭和54年(1979年)に制定された「元号法」では、「もう今日以降は、いちいち改元の最初の年を元年とするとは書きません」ということになってしまったのです。
ですから、「平成元年」も「令和元年」も法律で決まっているものでありません。
では、書類に「令和元年」を「令和1年」と書いてよいのか?
これは、いけません!
必ず「令和元年」と書きましょう。
その理由については、次の項で詳しく説明しますね。
2.「令和1年」を「令和元年」としなくてはいけない理由は?
書類には「令和1年」ではなく「令和元年」と書きましょう。
「令和元年」ですよ!!
その理由は、「元年」と書くのは長い日本の慣習だからです。
法的に明文化はされていないのですが、長い歴史の中での常識だからなのですね。
「慣習法」といいますか、「不文法」「不文律」のようなもの。
法律に無いからといって、自宅にゴミをため込み悪臭や害虫を振りまく行為が許されるのか?というのと同じことです。
ちなみに、イギリスの憲法は「不文法」で、文章にはなっていません。
仮に、就活時の履歴書に「令和元年」ではなく「令和1年」と書いたとしましょう。
その企業の人事担当者は、「令和1年」と書かれた履歴書を見てどう判断するでしょうか?
実際に、「平成1年」と書いただけで不採用にした企業があるようですよ。
「大正と昭和は法律で決まっていたが、平成や令和は法律に明記されていない!」と訴えたところで、おそらくは後の祭りです。
「憲法に書かれていない行為は憲法違反だ!」という人がいます。
ですが、日本国憲法には「メガネをかけても良い」とか「風呂に入っても良い」とも書かれていませんよね。
「憲法に書かれていないからダメ」、「法律に書かれていないからやってもよい」というものではないのです。
日本の法律に「令和元年としなくてはいけない」という記述はないのですが、「令和元年」と書くべきなのですね。
ちなみに、「平成」については法律にはないのですが、通達で「平成元年」と記載するよう指示が出ています。
この記事と似た内容になりますが、もしよかったら下の関連記事をご覧になってください。
通達について詳しく解説していますよ。
「令和元年と書くべき」と説明しましたが、例外があることも覚えておきましょう。
たとえば、平成の場合は「H○年」といった書き方をする場合があります。
令和の場合は「R○年」となりますよね。
この場合は「H元年」や「R元年」ではなく、「H1年」「R1年」と書くのが通例です。
それから、エクセルなどでデータとして扱う場合も「1年」を使用する場合がありますよ。
例外も覚えておいてくださいね。
3.和暦の「令和」を簡単に「西暦」に換算する方法!
ついでに、ちょっとしたお役立ち情報をお伝えします。
「和暦」と「西暦」が2通りあって面倒な時もありますよね。
「令和○○年って西暦○○○○年なの?」といった具合に…。
そんな時は「令和」→「レイワ」→「018(レイワ)」を使いましょう。
和暦に「018」をプラスすることで、西暦になりますよ。
【令和○年+018=西暦】
たとえば、「令和8年」だとすると「18」を加えることで「26」になります。
【8+18=26】
つまり、令和8年は西暦2026年ということ。
語呂合わせも「レイワ」で「018」、わかりやすいですね。
ちなみに、西暦から和暦にする場合は「018」をマイナスします。
【西暦-018=令和○年】
「令和」ならではの計算方法ですね。
まとめ
以上が、「令和1年」ではなく「令和元年」とする根拠についてでした。
法律にはないのですが、「令和1年」ではなく「令和元年」と書きましょう。
特に、就活の時などは気をつけてくださいね。
ところで、世界で元号を使用しているのは、今や日本だけ。
国独自の元号を使用するということは、他の国の属国ではない独立した国であることを示す意味でも重要なものだったのですね。
ちなみに、属国となった国は宗主国の元号を使っていました。
また、よく「元号なんて邪魔だ!西暦だけでよいではないか!」と訴える人もいます。
ですが、元号は「大化の改新」「大宝律令」「応仁の乱」「安政の大獄」「明治維新」など、その時代の出来事を一言であらわす意味でも使われます。
1年の移り変わりに例えるなら、1月や2月や3月、また春夏秋冬といったものと同じもの。
つまり、その時期を思い起こすのには不可欠のものなのです。
元号を無くしてしまうということは、「2月5日」が「36日」、「2月28日」が「59日」と表現することと同じ。
要するに、「12月31日」や「大晦日」といった表現ではなく、「今日は365日だ」と表現することと同じなのです。
こういった日本独自の文化である「元号」、これからも大切にしていきたいですね。