巨額なお金が動く入札などでは、談合疑惑といったニュースもときどき耳にします(^^;)
それにしても、この「入札」、よく「公募」という言葉もでてきますよね。
ところでこの「公募」って何?「入札」との違いは?
ということで、今回は「公募」と「入札」の意味の違いについて調べてみました。
1.「公募」と「入札」の意味の違いは?
まずは「公募」と「入札」を広辞苑で引いてみます。
・売買、請負などの一方の当事者となるために、相互に競争する多数の者がそれぞれ文書によって価格その他について意思を表示すること。落札によって契約を成立させる。隠し起請。いれふだ。
もう少しかみくだいて説明しますと、たとえば「○○を購入したいのですが、皆様方は何円で売ってくれますか?」「○○工事をお願いしたいのですが、何円で工事してくれますか?」と呼び掛けたときに、「わが社では○○円ですよ!お得ですよ!」と言って様々な会社が意思表示するのが「入札」です。
その入札を受けて、一番価格がお得な会社を選ぶのが「落札」です。
入札とよく似ているのが「せり」ですが、入札とせりの違いは、せりは買う側が価格提示しますが入札は売る側が価格提示します。
また、入札は競争者同士がお互いの金額を知らないのに対し、せりはお互いの金額を知りえる状況で行われ、「あいつが○○円ならば俺はさらに高い価格で買います」と価格を次々に変更できます。
ですから、ヤフオクなどのオークションは「せり」ですね。
①広く一般から募集すること。
②不特定多数の投資家を対象に、発行証券への応募を求めること。一般募集。⇔私募
たとえば、出版社が新人賞の参加者や原稿を募集するのが「公募」です。
江戸川乱歩賞は「公募型」の新人賞です。
つまり、江戸川乱歩賞の新人賞を獲得したいと思ったら、自分の作品を応募することで新人賞獲得のチャンスが一歩前進することになります。
ちなみに、芥川賞や直木賞は公募型の賞ではなく、発表された作品でしか賞を獲得することはできません。
その分、公募型の賞よりハードルが高くなるわけです。
②の意味は証券用語で、不特定多数の投資家に対して株などの購入を勧誘することを公募といいます。
上記の通り、「公募」と「入札」は全く違う言葉なのになぜまぎらわしいのかというと、「入札」の一つに「公募型競争入札」というのがあるからです。
ということで、次項では「公募型競争入札」について解説します。
2.「公募型競争入札」とは?ほかの入札との違いは?
入札方式には、主に以下のような種類があります。
①一般競争入札
一般競争入札は、誰でも入札に参加することができます。
受注者側のメリットとしては、価格のみが勝負ですので、実績がない企業や中小零細企業など、どんな企業にも落札のチャンスがあります。
ただし、発注者側が参加条件を提示する場合もあります。
②公募型競争入札
公募型競争入札は、入札参加条件に合致する技術や設備などを持った企業を広く参加を募集します。
その参加した企業を審査し、ある程度しぼられた企業だけが入札に参加できるシステムです。
受注者側のメリットとしては、参加できる企業が限定され、参加さえできれば落札の確率が上がります。
参加企業の技術力などが審査されることで、企業選定の透明性が確保されます。
③指名競争入札
指名競争入札は、発注者側が指名した企業だけが入札に参加できます。
受注者側のメリットとしては、参加できる企業が限定されることで参加さえできれば落札の確率が上がりますが、劣悪な企業は最初から排除されます。
指名競争入札の欠点は、指名されなかった企業、つまり排除された企業の排除理由はヴェールに包まれてしまうということです。
④企画競争入札
企画競争入札は、発注者側がそのテーマの企画書を提出させて、参加企業は独自の企画のプレゼンテーションを行います。
その企画内容を審査し決定する方式で、プロポーザル方式ともいいます。
ほかの入札方式は、金額が最も重要になりますが、企画競争入札は企画の内容が最大の判断材料となります。
入札方式は、これ以外にも希望制指名競争入札やオープンカウンターなど様々ですが、代表的なものを紹介させていただきました。
【3分で解説!官公庁自治体の入札】
まとめ
以上が、「公募」と「入札」の意味や違いなどについてでした。
「入札」にも色々な方式があります。
入札方式のうち、一番多く行われているのが一般競争入札です。
また、入札は官公庁だけでなく一般企業でも行われています。
「公募」や「入札」と同様に、ビジネスシーンでよく使う言葉に「通達」や「通知」があります。
「通達」と「通知」の違いをご存知ですか?詳細については下の関連記事をご覧ください。